交通事故の慰謝料

2021.07.29更新

交通事故で4ヶ月通院治療をしたときの慰謝料と治療費打ち切りへの対処法

「交通事故の治療に4ヶ月通院したときの慰謝料はいくら?」

交通事故によって4ヶ月も治療を続けていると、治療疲れもあるでしょうし、生活への影響も少なからず生じているのではないでしょうか?

受けたダメージに応じた慰謝料を請求したいと思うのは、当然のこと。

とはいえ、慰謝料の計算方法や相場を知らなければ、加害者側との交渉は進められません。

適切な慰謝料を受け取るためにも、慰謝料の基準や相場を知るのは大切なことです。

また、通院での4ヶ月に及ぶと、保険会社から治療費の打ち切りを打診されるなど、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。

この記事では、交通事故によるケガで4ヶ月の通院治療を続けた場合の慰謝料についてお話ししていきます。

【交通事故の慰謝料相場】4ヶ月通院治療したとき

そもそも交通事故の慰謝料とは、事故の被害によって生じた精神的苦痛を和らげるために支払われる金銭です。

中でも交通事故で受けたケガの治療に対する慰謝料を「入通院慰謝料」といいます。

交通事故の慰謝料には、ほかにも

  • 後遺障害が生じたときの「後遺障害慰謝料」
  • 死亡したときの「死亡慰謝料」

があります。

交通事故の慰謝料には一定の基準が設けられていますが、「誰が慰謝料計算をするのか?」によって、3つの基準が存在しています。

自賠責保険基準

国が法律で制定した交通事故被害者に対する最低限の慰謝料基準。
自賠責保険会社が自動車の保有者が加入を強制されている保険。
交通事故の被害者に対して最低限の補償を目的としており、もっとも低い基準額になります。

任意保険基準

保険会社が独自で設定している基準です。
会社によって多少異なりますが、加害者側の任意保険会社は、被害者に提示するときにこの基準を採用しています。

弁護士基準

弁護士会が過去の裁判例をもとに発表している基準。主に弁護士に依頼したときや裁判になったときに採用される基準。
3つの基準のうち、もっとも高い金額が記載されていますが、過去の裁判例を参考にしているため、正当な金額に変わりありません。

3つの基準それぞれでの慰謝料の目安は、4ヶ月通院治療したとき、以下のとおりになります。

通院期間 自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準(裁判基準)
4ヶ月 25.8万円 37.8万円 67万円

上表のとおり、慰謝料額は自賠責基準<任意保険基準<弁護士基準の順で大きくなります。

また弁護士基準は他の2基準に比べて、かなり高額になっている点から、不審に思うかもしれません。

しかし、弁護士基準は過去の裁判の判決で実際に支払われた慰謝料をもとに、基準化されたものです。

弁護士に依頼しなければいけない点は理不尽にも思えますが、適切な慰謝料にするためには「誰に計算してもらうのか」がポイントになることを理解しておきましょう。

通院治療に対する慰謝料の計算方法

4ヶ月間通院治療を続けた場合の慰謝料の目安は、上で示した通りになりますが、ではどのように計算すればよいでしょうか?

ここからは慰謝料の計算方法について、さらに詳しく解説していきます。

【自賠責保険基準】入通院慰謝料の計算方法

自賠責保険基準での入通院慰謝料は、日額(1日あたり)4,300円と決められています。
(2020年3月31日までに発生した交通事故の場合は日額4,200円)

具体的な算出方法としては、

  • 初診から治療終了までの期間
  • 実際の通院日数の2倍

上記いずれかの「少ない方」に日額の4,300円をかけて算出します。

例えば交通事故から4ヶ月間で計40回、病院に通院したケースの慰謝料は… (通院期間4ヶ月間(約120日)<通院日数40日×2(80)ですので、「実際の通院日数の2倍」に日額4,300円をかける)
4,300円×40日×2=34万4,000円 となります。

治療を続けても治らない…後遺症が残ったら後遺障害等級認定を!

一定期間の通院治療を受けても、仕事や日常生活に支障が出るような障害が残ってしまったら、「後遺障害等級認定」を受けましょう。

「後遺障害」とは、後遺症が交通事故によるものと医学的に証明され、労働能力の低下や喪失が認められるものを指します。

損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)に書類申請をして、後遺障害と認められると、第1級~第14級までの等級が認定され、等級に応じた後遺障害慰謝料を請求できます

ただし書類申請には、症状固定(これ以上治療続けても症状が治らない状態)と医師に診断され、後遺障害診断書を医師に作成してもらう必要があります。

「なかなか治らない」と感じたら、まずは医師に相談してみましょう。

保険会社から治療費打ち切りを宣告されたら?

もしかすると「事故から4ヶ月治療を続けていて、相手方の保険会社から治療費の打ち切りを伝えられた」という方もいるのではないでしょうか?

しかし、まだ治療を続けている間は、打ち切りを宣告されたとしても治療は続けて、慰謝料を含めて示談交渉にも応じないようにしましょう。

なぜなら先ほどもお話しした通り、慰謝料の算出には治療期間が大きく影響します。

治療費が支払われないからといって、治療を止めてしまうと、本来支払われるはずの慰謝料が支払われない可能性があるのです。

ケガの治療期間についてはDMK136と呼ばれる用語のようなものがあり、D=打撲(治療期間1ヶ月)、M=むちうち(3ヶ月)、K=骨折(6ヶ月)とされています。

例えばむちうちの場合、この基準を根拠に、3ヶ月を超えると保険会社が「もう治療は必要ないのでは?」と考えるかもしれません。

もちろんこれはあくまで目安であって、ケガの治り具合は人それぞれです。

また通院頻度が少ないと「治療の必要がないのでは?」とみなされる可能性もあります。

治療の必要性は医師が判断するものであるため、必要に応じて診断書を提出し、治療を続けていくことが大切です。

仮に途中で治療費の支払いを打ち切られたとしても、後からまとめて請求できます。

保険会社との交渉がなかなかうまくいかないと感じるときには、交通事故事案に詳しい弁護士に相談してみるのも1つの方法です。

交通事故の治療を4ヶ月続けていて困ったことがあれば…弁護士に相談を

もしあなたが今現在、交通事故の治療を4ヶ月程度続けていて、

「保険会社から提示された慰謝料額に納得がいかない」
「治療を続けていてもなかなか治らない」
「治療費の打ち切りを宣告された」

ような状態であれば、弁護士に相談するのも方法のひとつです。

なぜなら

  • 弁護士に依頼すれば、弁護士基準での慰謝料請求が可能
  • 後遺障害等級認定の申請手続きを代行してくれる
  • 保険会社との交渉も任せられる

など、交通事故の示談において、さまざまなサポートが受けられるからです。

ご自身が加入している保険に弁護士特約が付帯されていれば、費用も抑えられますし、相談料は無料としている法律事務所もあります。

1人で手続きを行ったり、保険会社とやりとりをしたりするのに不安があるときには、交通事故事案に詳しい弁護士に相談をしてみましょう。

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