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2021.07.29更新

交通事故でリハビリをした|慰謝料はもらえる?計算方法は同じなの?

「リハビリ期間分の慰謝料はもらえるの?」

交通事故でのケガでリハビリが必要になることはよくあることです。 リハビリした期間も保険会社から治療費や慰謝料を支払ってもらうことが可能です。

保険会社に治療費や慰謝料を負担してもらえば、気兼ねなく治療に集中することができます。

この記事では、リハビリをした場合の慰謝料とその他のリハビリ中の方のためになる情報を掲載しています。

この記事でわかること
POINT
  • リハビリ期間も治療期間として判断される
  • 慰謝料の計算方法が変わることはない
  • 高額な慰謝料を受け取れるのは弁護士基準
  • リハビリ期間でも転院が可能
  • 弁護士に依頼すると示談交渉がスムーズになる

そもそも交通事故によるリハビリって入通院に含まれるの?

リハビリ期間も入院・通院期間に含まれているので、保険会社に補償してもらえます

交通事故のケガに多い、むちうちや骨折、手足の変形や機能障害などは、たいていリハビリが必要になります。

こうしたリハビリは、事故によって自由に動かなくなってしまった体を少しでももとの状態に近づけるために行うものです。

つまり、リハビリによって症状の改善効果が期待されることになるので、リハビリ中は症状固定していないということになり、治療中だと見なされます

そこで、むちうちや骨折などのケガをしてリハビリが必要なら、遠慮なく通院を続けられます。

さらに、その間の治療費も入通院慰謝料も支払ってもらうことができます。

症状固定とは

ケガが完治できず、これ以上症状を改善できない状態のこと。

症状固定は完治ではないため、むちうちの場合は首が回る範囲が狭まってしまったりして今後の人生で多少不便になってしまう場合があります。

もし症状固定した後に定期的なリハビリが行われた場合、症状固定後のリハビリ分は、原則入通院慰謝料や治療費を負担してもらうことができません。

症状固定後でも、体の状態を維持するためにリハビリをするケースがありますし、リハビリをすると一時的に調子が良くなるため、リハビリに通うこともあります。

こうした場合、一定の範囲では治療費などが認められるケースもありますが、原則的には症状固定後の治療費や入通院慰謝料は認められないことになります。

結局、リハビリが入通院期間に含まれるかどうかについては、症状固定の前と後、どちらに行われたかによって変わってくるということです。

症状固定後の治療は費用を負担してもらえないため、交通事故でリハビリをするときには、医師とコミュニケーションをとり、症状固定するタイミングに注意しながら続けることが重要です。

交通事故でのリハビリをした分の慰謝料について

交通事故の慰謝料計算
先ほど話したとおり、リハビリは入通院期間に含まれるので、リハビリした分も入通院慰謝料を受け取ることが可能です。
入通院慰謝料とは

交通事故が原因で入院や通院による治療をしたことに対する慰謝料で、傷害慰謝料とも呼ばれます。

交通事故でケガをして、入院または通院をしながら治療やリハビリをすると、入通院慰謝料という慰謝料を支払ってもらうことができます。

入通院慰謝料は、どれくらい入院や通院をしたかに応じて支払われるものなので、ケガをしても治療をしなかった場合には支払ってもらうことができません。

また、入院・通院による治療期間が長ければ長くなるほど、入通院慰謝料の金額が上がります

同じ治療期間であれば、通院治療よりも入院治療の方が、金額が高くなります。

リハビリの分も慰謝料を支払ってもらえるのは、うれしいですね。 慰謝料をもらうために気をつけなければならないことを次でお伝えします。

完治・症状固定するまで通い続けることが重要

入通院慰謝料を適切に請求するためには、最後まで治療を続けることが重要です。

なぜかというと、途中で治療をやめてしまうと、その時点までの入通院慰謝料しか支払ってもらえなくなってしまうからです。

治療が終わるのは、治療によってケガが完治するか症状固定した段階です。

完治とは、ケガが完全に治った状態のことであり、症状固定とは、治療を継続しても症状がそれ以上改善しない状態のことです。

症状固定した段階で残っている症状に基づいて後遺障害が認定される場合もあります。

先ほど言ったとおり、症状固定後の通院は慰謝料が発生しないので、しっかり通院して完治に近づけることが重要なのです。

完治や症状固定をいつにするかは、担当の医師が判断してくれます。

交通事故による入通院(リハビリ)の慰謝料の種類や基準とは

交通事故で入通院をしたときの慰謝料として、先ほどの入通院慰謝料の他に後遺障害慰謝料が受け取れる可能性があります。

後遺障害慰謝料を受け取るためには、ケガによって後遺障害が残り、後遺障害の等級認定を受けることが必要です。

これらの入通院慰謝料や後遺障害慰謝料を算出するために、3つの計算基準があります。

1つ目は自賠責保険基準、2つ目は任意保険基準、3つ目は弁護士基準です。

慰謝料の3つの基準
自賠責保険基準自賠責保険で保険金の計算をするときの基準
任意保険基準被害者が保険会社と示談交渉をするときに適用する基準
弁護士基準弁護士が保険会社と交渉するときや、裁判所が判決を下すときに適用する基準

基本的には自賠責保険基準がもっとも低い慰謝料の金額となり、次が任意保険基準、そして弁護士基準がもっとも高い慰謝料の金額となります

交通事故の慰謝料基準を比較

弁護士基準で慰謝料を計算すると、自賠責保険基準や任意保険基準で計算したときと比べて、納得のいく額の慰謝料を受け取りやすくなります

弁護士基準で慰謝料を計算してもらうには、弁護士に示談交渉を依頼する必要があります。

後ほど説明しますが、弁護士に示談を依頼すると適正な額の慰謝料を受け取れること以外にもメリットが多く存在します。

慰謝料がいくらになるのかは、どの基準を適用するかによって違います。 次項ではそれぞれの基準で計算した場合の慰謝料がいくらになるのか、実例を見てみましょう。

むちうちでリハビリした場合の入通院慰謝料の相場

むちうちの慰謝料は症状によって少し金額が変わってきます。その点についても説明します。

むちうちの入通院慰謝料は弁護士基準だと、他覚症状のないケース(痛みなどの自覚症状のみのケース)と、他覚症状のあるケースとで異なります

他覚症状とは、レントゲン検査での異常所見のように、医師などが客観的に見て把握できる症状のことですが、これがあると、入通院慰謝料は高くなります。

ただ、むちうちの場合には、他覚症状がなく痛みやしびれなどの自覚症状しかないケースが多いので、そのような場合には入通院慰謝料が低くなります。

自賠責保険基準や任意保険基準は、他覚症状があるかどうかで金額が変わることはありません。

ここからは具体的な事例を見てみましょう。

むちうちで通院3ヶ月の場合の慰謝料相場

むちうちで通院3ヶ月の場合(リハビリ期間を含む)、弁護士基準を適用すると、痛みやしびれなどの自覚症状しかないケースでは、入通院慰謝料は53万円です。

これに対し、レントゲンやMRIで異常が発見される通常のケガのケースでは、入通院慰謝料が73万円になります。

むちうちで3ヶ月通院した場合の慰謝料相場
自賠責保険基準任意保険基準弁護士基準
約302,400円約378,000円約530,000〜730,000円

弁護士基準と任意保険基準の金額の差は自覚症状しかないケースで152,000円とかなり大きくなっており、任意保険基準だと妥当な金額の慰謝料を受け取ることが難しいということがわかります。

むちうちで通院6ヶ月の場合の慰謝料相場

通院6ヶ月の場合、自覚症状しかないケースでは弁護士基準の入通院慰謝料は89万円ですが、他覚症状があるケースでは116万円になります。

むちうちで6ヶ月通院した場合の慰謝料
自賠責保険基準任意保険基準弁護士基準
約604,800円約642,000円約890,000〜1,160,000円

このように、むちうちをはじめとしたケガをした場合の入通院慰謝料は、弁護士・裁判基準で計算すると、金額が大きく変わります。

リハビリ期間でも違う病院に転院が可能

リハビリ中でも転院可能

今通院している病院では満足できるリハビリをしてくれない場合は、治療が終わった後のリハビリ期間でも違う病院や整骨院に転院することが可能です。

「病院の先生に申し訳ない」「保険会社に不審がられるのでは?」という意見をよく聞くのですが、まったくそんなことはありません。

第一に考えるべきなのは被害者ご自身の体のことなので、良い病院を見つけたならばどんな状態でも転院するべきです。

保険会社には事前に転院したい旨と転院先の病院を伝えるだけで大丈夫です。

事後報告では治療費を支払ってもらえない場合があるので事前に伝えておくことが重要です。

交通事故の入通院(リハビリ)慰謝料を妥当な金額で受け取るには?

治療をしっかり行うことと弁護士に依頼することで、妥当な金額の慰謝料を受け取りやすくなります。

治療中は頻繁に通院することが大切

入通院の期間中、ある程度の頻度で通院することが大切です。

通院した期間が長くても、あまりにも通院した回数が少ない場合は慰謝料の金額が減額されてしまう決まりがあります。

例えば、通院開始日と最終通院日の間が6ヶ月間あるのに、期間中に通院した回数が10回だけだった場合は慰謝料が通常より少なくなってしまうということです。

通院期間が6ヶ月の場合、40回ほど通院をしないとケガがよくならないのですが、10回だけだと「治療の必要がないのでは?」と疑問視されてしまうのです。

毎月定期的に通院する必要がありますので、最低でも月に8日程度は通院を続けるとよいでしょう。

弁護士に示談交渉を依頼し、弁護士基準で計算してもらう

先ほど説明したとおり、入通院慰謝料の金額は、自賠責保険基準と任意保険基準、弁護士(裁判)基準でまったく異なってきます。

弁護士基準で計算すると慰謝料の増額を目指せます。

ただ、弁護士基準で入通院慰謝料を計算するためには、弁護士に示談交渉を依頼しなければなりません。

被害者が自分で示談交渉をすると、任意保険基準や自賠責保険基準が適用されてしまうので、弁護士基準で得られるはずの入通院慰謝料の金額が提示されることはほとんどありません

むちうちなどで妥当な金額の入通院慰謝料を請求するためには、十分な期間通院を継続し、症状固定した段階で弁護士に示談交渉を依頼する方法がよいでしょう。

入通院慰謝料を交渉するために弁護士に依頼するメリット・デメリット

交通事故でリハビリを含めた治療を行ったときに、弁護士に依頼すると入通院慰謝料を適正な金額で受け取りやすくなります。このことは、もちろん大きなメリットです。

ただ、弁護士に示談交渉を依頼すると、これ以外にも4つのメリットがあります。

弁護士に依頼するメリットまとめ

  • 示談交渉をする手間が省ける
  • 自分で手続きをするより、良い方向に示談を進められる
  • 過失割合が小さくなる可能性がある
  • 後遺障害認定の申請を任せることができる

弁護士に依頼するメリットは被害者の手間が省けること

弁護士に依頼すると示談がスムーズになる
保険会社との示談交渉にはかなりの時間と労力がかかってしまい、被害者の方のストレスになることがよくあるのですが、弁護士に依頼するとそのストレスを軽減してくれるでしょう。

自分で交渉しようとすると、専門知識がないためにいろいろと調べものをしないといけません。

しかし、弁護士に依頼するとそのような必要もなくなるので、時間も労力もかけずに済み、かなり楽になるはずです。

さらに弁護士に示談交渉を依頼すると、法的な知識と示談交渉のテクニックを使って交渉をしてくれるので、自分で手続きを進めるよりも良い方向に示談を進めることができます

被害者が自身で示談交渉をすると、知識不足のために不利益を被ることも多いですが、弁護士が対応すればそのような心配もありません。

過失割合を小さくできる可能性がある

弁護士が示談交渉をすると、被害者の過失割合を小さくすることができる可能性があります。

示談交渉の際には、交通事故の知識がないためによくわからない状態で相手の保険会社から提示された条件をすぐに承諾してしまい、納得のいかない過失割合になってしまうケースもあります

被害者は、過失割合の認定基準がわからないため、過失相殺によって被害者が受け取る示談金が低くなることがしばしばあります。

弁護士が対応すれば、適切な過失割合がわかるため、不利益を被る可能性は低くなるでしょう。

過失割合によって、受け取れる賠償金の額が変わるのでとても重要です。

後遺障害等級認定を受けやすくなる

適切に後遺障害の等級認定を受けやすくなる点も、大きなメリットです。

被害者が自分で対応していると、本来後遺障害の等級認定を受けられるケースでも認定に失敗することがあります。

しかし、弁護士に依頼すればより高い等級認定を受けられる可能性もあります。

後遺障害等級は級が上がれば上がるほど、高額な後遺障害慰謝料を支払ってもらえます。

リハビリをしても完治せず、後遺症が残ってしまうことは珍しいことではありません。

弁護士に依頼すると判例をもとにしっかり示談してもらえます。 次に、弁護士に依頼するデメリットについて見てみましょう。

弁護士費用を抑えることができるケースとは?

弁護士に示談交渉を依頼すると、弁護士費用がかかる点がデメリットですよね。 しかし費用を支払わずに弁護士に依頼できる場合があるんです。

それは、自動車保険に弁護士費用特約がついているケースです。

弁護士費用特約とは

自動車保険につけておく特約の一種で、交通事故でかかった弁護士費用を自分の自動車保険が負担してくれるもの(家族が入っていても適用される)。

この弁護士費用特約に加入していれば、弁護士の法律相談料・着手金・報酬金・実費・日当などの費用が特約によって支払われます

法律相談料は10万円まで、着手金などの事件処理にかかる費用については300万円まで保険会社が負担してくれます。

まずは、自分や家族の自動車保険に弁護士費用特約がついているかどうかをチェックしてください。

ついていた場合、弁護士費用特約を使って弁護士に示談交渉を依頼することをおすすめします。

この記事のまとめ
POINT
  • リハビリ期間も入通院慰謝料は受け取れる
  • 納得のいく額の慰謝料が受け取りやすいのは弁護士基準
  • リハビリ期間でも転院可能
  • 弁護士に依頼すると示談交渉がスムーズになる
  • 弁護士費用特約を使えば弁護士費用の負担が軽減する