2020.4.1 更新

交通事故の治療は整骨院でも慰謝料請求が可能!ただし注意点も

「交通事故でケガしたとき、整骨院に行っても問題ない?」
「整骨院に通うことで、慰謝料って変わるの?」

整骨院は正式には病院ではなく、医師による診断・治療は受けられません。

受けられるのは柔術整復師によるマッサージなどの手業による施術になります。

そのため、加害者に治療費や慰謝料を請求するときにトラブルにつながる可能性があります。

とはいえしっかり手順を踏んで治療を行えば、整骨院に通いながらでも治療費や慰謝料の請求は可能です。

この記事では、交通事故のケガで整骨院に通院する際に必要な基礎知識や、トラブルを防止する方法、慰謝料の計算方法について解説していきます

不利にならないように、一緒に確認していきましょう。

交通事故によるケガで整骨院に通院する際に必要な基礎知識と注意点

交通事故にあって、ケガをしてしまったのですが、整骨院に行ってもいいのでしょうか?
選択肢の一つですが、整骨院に通う場合には注意点があります。一緒に見ていきましょう。

交通事故によるケガで整骨院に通う場合の注意点

病院ではないので検査や治療が受けられない

国家資格 治療方針 保険適用 治療費・慰謝料請求
整骨院・接骨院 柔道整復師 マッサージなど物理療法・施術 原則、適用される 不可能な場合がある
整形外科 医師 診察・治療・投薬など医療行為 適用される 可能

前提として、整骨院は病院ではありません

整骨院で施術を行うのは柔道整復師という国家資格を有してはいますが、医師資格ではないため、病院で受けられるような検査や治療をすることはできません。
整骨院で受けられるのは、症状緩和のためのマッサージなどの施術のみです。

慰謝料を請求するには人身事故として認定されなければなりません。そのためにも警察や保険会社に医師の診断書を提出する必要があります。

例えばむちうちや骨折などの場合、整形外科など病院に行けばレントゲンで異常を証明できるので、後に後遺障害の等級認定請求をする際などにも利用できます。

しかし、初めから整骨院に通っていた場合は検査結果が残らないので、人身事故や後遺症の申請時に「証拠が足りない」と判断される可能性があります。

保険会社から治療費が支払われない、打ち切られる可能性がある

また、保険会社から治療費の支払いを断られるケースもあります。

整骨院は病院ではないので、施術の必要性や有効性が疑われやすく、治療費は認められない可能性があります。その場合、支払った治療費は自己負担になってしまいます。

当初は保険会社から整骨院の治療費が支払われていても、通院期間が長くなると途中で支払ってもらえなくなるケースがよくあります。

整骨院に通院する際には、整形外科の医師の判断に基づいた指示であることが必要です。

さらに整骨院の場合、健康保険が適用されるものとそうでないものとの判断が微妙なケースなどが多くあるので注意しましょう。

そもそも治療費を請求できない施設もある

整骨院・接骨院とよく似た“医療機関”として整体院やカイロプラティックが挙げられます。

ただし整体院やカイロプラティックには国家資格が必要ではありません。

保険診療が適応されず自由診療になりますし、治療費や慰謝料を請求するのは難しいでしょう。

また、整骨院の中にも自由診療で保険が適用されないケースもあります。

整骨院や接骨院などを選ぶときには、信頼できるところを慎重に選ぶ必要があります。

整骨院に通いながら交通事故の治療費や慰謝料を請求するためには

整骨院や接骨院「だけ」の通院では、治療費や慰謝料の請求は難しいのが現実です。

しかし、病院での診察だけが治療ではありません。整骨院の柔道整復師によるマッサージで交通事故によって生じた痛みを和らげるのも正当な治療です。

したがって、医師の指示や治療の必要性が証明できた場合は整骨院での治療も賠償の範囲に含むことができます。

ここからは整骨院に通院しても治療費や慰謝料を請求できる方法について、詳しく紹介していきます。

医師による許可を得て整骨院での施術を受ける

交通事故後、まずは整形外科などの病院に行き、医師の診断を受けましょう。医師に診断書を作成してもらうことで、検査の記録を残しておくのが肝心です。

その上で医師に相談し、整骨院への通院の了承を得ておく必要があります。

ベストな選択肢としては「診療情報提供書(担当医が他の医療機関へ患者を紹介する書面)」を発行してもらうことです。

整骨院への説明もスムーズですし、なにより保険会社に通院の必要性を示せるためです。

ちなみに整形外科と整骨院どちらに通院しても慰謝料は変わりません。

医師の指示を受けてから整骨院に通院すれば、整形外科などで受診した場合と同じように慰謝料は算出されます。

整骨院に通いながらも月に一度は病院での診察を

整形外科の医師や保険会社から整骨院通院の許可を得たからといって、病院に全く通わないのはNGです。

なぜなら病院に通院しない期間が開いてしまうと、保険会社から通院の必要性と症状の因果関係を疑われる可能性があるからです。

最低でも月に一度は病院に通院するようにしましょう。

整骨院の通院に理解のある医師を選ぶ

医師とトラブルにならないためには、整骨院への通院に理解のある医師を選ぶことが大切です。

どのような事案でも整骨院への通院を認めるべきということではありませんが、医師の中には整骨院への通院を禁止する方もいるようです。

理由を聞いても納得できない場合は、医師の変更も検討しましょう。

週に2〜3回以上は通院しよう

整骨院に限った話ではありませんが、保険会社が治療費の打ち切る理由の一つに通院頻度を挙げるケースがあります。

もちろんむやみに通う必要はありませんが、定期的に整骨院や整形外科に通い、しっかり治すよう努めることも大事です。

頻度は医師の診断に従うのがベストですが、むちうちの通院は週に2〜3回通院するのがおすすめです。

保険適用の整骨院に通院しよう

整骨院に通院する場合は、あらかじめ「保険適用可能かどうか」確認しておきましょう。

保険会社から「治療費が高すぎる」と疑われる可能性があります。

先ほどもお話ししましたが、整体院など国家資格のない施設は治療費も慰謝料も支払われませんので、くれぐれも注意してください。

整骨院への通院による慰謝料の種類とは?

慰謝料には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3つがあります。

交通事故の3つの慰謝料
入通院慰謝料 ケガの治療での入院や通院に対して支払われる
後遺障害慰謝料 完治せず後遺症が残った場合に支払われる
死亡慰謝料 死亡事故の場合、亡くなった本人と遺族に対して支払われる

入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、交通事故でケガをして病院に入通院したことによって発生する慰謝料です。

入通院慰謝料は、入通院の期間が長くなればなるほど高額になります

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、交通事故で後遺障害が残った場合にそのことに対して発生する慰謝料です。

後遺障害の等級によって金額が異なります。後遺障害の等級は1級から14級まであり、1級がもっとも重く、14級がもっとも低くなります。

死亡慰謝料

死亡慰謝料とは、交通事故で被害者が死亡したときに発生する慰謝料のことです。

死亡慰謝料の金額は、被害者がその家庭においてどのような立場の人であったかによって異なります

例えば、一家の大黒柱などの場合には金額が上がりますし、それ以外の場合には金額が低くなります。

自賠責保険基準の場合には死亡慰謝料は一定です。(本人の慰謝料)

ただし、自賠責保険基準には遺族固有の慰謝料があります。

病院と整骨院の通院に関して慰謝料の差はない

交通事故のケガの治療に通院が必要と判断される場合、対象が整骨院か病院かによって慰謝料の金額が変わるわけではありません。

入通院慰謝料は入通院の期間に応じて発生するため、通院期間が長くなればなるほど慰謝料の金額は高額になります。

しかし、整骨院への通院が治療に不要と判断された場合、通院したとしてもその通院期間が慰謝料の計算には含まれません

そのため、整形外科に通院したときよりも慰謝料の金額が低くなってしまう可能性があります

整骨院に通院した場合の慰謝料の計算方法とは?

慰謝料の計算には「自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士基準」の3つの基準があります。

慰謝料を計算するための3つの基準
自賠責保険基準 法令で定められた最低限の補償
任意保険基準 保険会社ごとに決まっている
弁護士基準 判例に基づいており弁護士が用いる

自賠責保険基準は自賠責保険の計算をするときの基準で、もっとも金額が低くなります。

任意保険基準は保険会社が示談交渉をする際に利用する基準で、保険会社によって基準が異なりますが、自賠責保険基準と大きく差はありません。

弁護士基準は弁護士が示談交渉をしたり裁判をしたりするときに使う基準で、3つの基準のうちもっとも高額になります。

整骨院に通院した場合の入通院慰謝料の計算方法

整骨院に通院した場合の入通院慰謝料の計算方法は、基本的に病院に通院した場合と同じです。

自賠責保険基準での慰謝料の計算方法

入通院慰謝料
自賠責保険基準での入通院慰謝料は「1日いくら」という日額金が決められています。
日額は4,300円です。
・初診から治療終了までの期間
・実際の通院日数の2倍

上記2つのうちの「少ない方」に日額の4,300円をかけて算出します。

自賠責保険基準の場合には、1日あたり4,300円×通院期間となります。

通院期間については、入通院した期間と、実通院日数の2倍のどちらか少ない方になります。

任意保険基準での慰謝料の計算方法

任意保険基準は各自動車保険会社によって定められているものなので、公式の計算式は公開されておりませんが、かつては全社共通の計算基準があり現在もその基準をもとに各社設定されているようです。

以下の表で、任意保険基準の入通院慰謝料のおおよその相場がわかります。

任意保険基準による入通院慰謝料表(単位:万円)任意保険基準による入通院慰謝料表

一般的に、入通院期間が長くなると金額が上がりますし、同じ治療期間なら通院より入院の方が慰謝料が高くなります

弁護士(裁判)基準での慰謝料の計算方法

弁護士基準の場合にも、入通院期間に応じて慰謝料の相場が決まっています。

ただ、弁護士基準の場合にはケースによって入通院慰謝料が異なります。

むちうちなどの他覚症状がないケースでは入通院慰謝料が下がります。

これに対し、他覚症状があるその他のケガの場合には、より高い慰謝料が支払われます。以下の表を参考にしてみましょう。

軽傷(むちうち・打撲等)の入通院慰謝料表(単位:万円)弁護士基準による軽傷(むちうち・打撲等)の入通院慰謝料表

重傷(骨折等)の入通院慰謝料表(単位:万円)弁護士基準による重傷(骨折等)の入通院慰謝料表

鍼灸(しんきゅう)・マッサージ治療への慰謝料が発生する条件

鍼灸やマッサージなどに対して治療費を支払ってもらうには、その治療が交通事故のケガの治療に必要だと認められるかが重要です。

また、マッサージについては整骨院での施術であることも必要です。

整骨院に似ているものに整体院やカイロプラクティックがありますが、これらは柔道整復師の資格のない人も開院できるため、治療行為とは認められていません。これらでマッサージを受けた場合には、慰謝料も治療費も支払われないので、整骨院へ通院しましょう。

交通事故示談を弁護士依頼することで慰謝料が2倍?弁護士依頼のメリット

では、具体的に弁護士に依頼することでどんなメリットがあるのでしょう?
おもに3つのメリットがあります。

弁護士基準が適用されると慰謝料が増額

整骨院に通院したときに弁護士に示談交渉を依頼することによって、弁護士基準が適用されます。

弁護士基準を使用すると、他の基準の2倍や3倍の金額になるケースが多くあります

被害者が自分で示談交渉をするときには、任意保険基準が採用されるので慰謝料の金額は低くなります。
妥当な金額を請求する場合は、弁護士に依頼するとよいでしょう。

適切な過失割合に修正される

また、被害者の過失割合を少なくしてもらえる可能性があります。

被害者が自分で示談交渉をしていると、保険会社が被害者に大きな過失割合を割り当ててくることがあります。

しかし、弁護士に依頼すれば適切な過失割合に修正してくれるのです

保険会社とのやりとりを任せられる

医師による許可を得て整骨院に通ったとしても、一定期間を過ぎると加害者側の保険会社から治療費の打ち切りを宣告される可能性があります。

しかし、加害者側は治療費用や慰謝料の負担をする義務があります。加害者側に治療費用を請求することが可能です。領収書などは必ず残しておき、後ほど請求しましょう。

とはいえ、相手方の保険会社から「規則なので治療費を打ち切ります」と言われると、それが正しいように思ってしまいますよね。相手方の保険会社もできれば治療費や慰謝料は抑えたい、と考えるのが本音。そのため、多少強引に説得してくるケースもあります。

こうした交渉ごとについて、法律を根拠にサポートしてくれるのも弁護士です。

「相手方が支払わない」「保険会社に対して主張しづらい」などのトラブルに巻き込まれたら、弁護士への相談を検討しましょう。

また、交通事故示談に関係するさまざまな手続きも代行可能ですので、被害者は示談交渉のストレスから解放されて、治療に専念できるというメリットもあります

弁護士特約を利用すると、弁護士費用が実質0円に

交通事故の示談交渉や裁判を依頼する場合、弁護士費用がかかります。

しかし、弁護士特約を使うと費用をかけずに弁護士に依頼をすることができます

弁護士特約とは自分の自動車保険に付けておく特約のことで、保険会社が交通事故にかかる弁護士費用を負担してくれるものです。

弁護士の法律相談料、着手金、報酬金、実費、日当など全ての弁護士費用をカバーしてくれます。

自分の自動車保険に弁護士特約が付いている場合でも利用できますし、家族が自動車保険に加入している場合には、その特約を利用することもできます。

弁護士特約でカバーされる限度額は、法律相談料で上限10万円、事件対応の費用(着手金、報酬金、実費、日当)で上限300万円であることが多いです。

自分の自動車保険に弁護士特約が付いているか、一度保険会社に確認してみましょう。

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