2020.9.9 更新

妊婦の交通事故|胎児のむちうちや死亡でも慰謝料は請求できるの?

事故による母体と胎児への影響

交通事故によって、母体や胎児に与える代表的な症状がこちらです。 中には母子共に生命を脅かす症状もありますので、該当する症状が無くても、事故後は必ず産婦人科を受診して診察を受けてください。 ・腹部圧迫による切迫流産・早産の進行 お腹に強い衝撃が加わることにより、切迫流産や早産が進行する可能性があります。 切迫流産、早産とは「流産、または早産しかかっている状態」です。 妊娠週数によって、切迫流産、切迫早産と呼び名が変わりますが、症状は同じです。 出血や持続的なお腹の張り、子宮口の開大、破水、などが主な症状です。 切迫流産や早産と診断された場合は、安静にして薬を服用しなければなりません。 症状が進行している場合は、入院して絶対安静を指示され、24時間点滴により薬を投与し続けます。 ・腹部打撲による胎盤早期剥離 妊娠後期に腹部に強い衝撃が加わった場合、胎盤がはがれてしまう「胎盤早期剥離」を引き起こす可能性があります。 胎盤早期剥離になった場合、胎児への血液や酸素の供給が絶たれてしまいますので、すぐにでも帝王切開で出産させなければなりません。 少しでも遅れると胎児の命が助からない可能性があります。 また、母体も大量出血を起こす可能性が高いので、なるべく早い処置が必要です。 胎盤早期剥離の、主な症状は絶え間ない子宮の痛みと出血です。 激しい腹痛と出血がある場合は、すぐに病院に連絡をしましょう。 ・腹部への衝撃による子宮破裂 子宮破裂とは妊娠中や出産中に、子宮になんらかの衝撃が加わり子宮が破裂してしまう症状です。 すでに帝王切開で子供を出産した経験がある場合は、子宮破裂を起こす確率は高くなります。 子宮破裂を起こすと大量出血を起こして、母子ともに命が危ぶまれますので、すぐに帝王切開で出産する必要があります。 事故後、腹部の激痛に襲われた場合は直ちに救急車を呼びましょう。 ・頸椎捻挫や腰椎捻挫 妊娠中でも、通常時と同じように後部から急に激しい衝撃が加わると、頸椎捻挫や腰椎捻挫など怪我をします。 妊娠中なので、積極的な治療を受けられず苦しむ妊婦さんも少なくありません。 ・胎児母体間輸血症候群 通常、胎児と母体は血液が混ざらないように薄い膜を通して、物質を交換しています。 しかし、事故の衝撃でその膜が破れてしまうと、母体と胎児の血液が混ざり合い、胎児が貧血になって死亡することもあります。 お母さんの体調に変化はありません。 エコーや胎動の有無、心拍の確認などで胎児に異常が疑われた場合、お母さんの血液検査をすることで診断することになります。 ・胎児の直接外傷 事故の衝撃で胎児の体に直接影響があることは稀ですが、「頭蓋内出血」や「骨折」などが起こることはあります。 これらの症状は、腹部エコーによって知ることが出来ますので、事故後は必ず受診して胎児の無事を確認しましょう。

妊婦の交通事故相談窓口

妊娠中に交通事故に遭い、今後の対応について相談したい場合は、交通事故の損害賠償請求に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。 妊婦専門の相談窓口は今のところ日本に存在しませんが、交通事故に強い弁護士は多数いますので、相性が良さそうな弁護士を選んで相談してみると良いでしょう。 費用が心配であれば、無料相談を行っている弁護士事務所をおすすめします。 つわりや切迫流産、早産などで外出が難しい場合は、電話やメールで相談できる弁護士を選んでください。

弁護士に依頼するメリットとは?

妊娠中の交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するメリットは「心理的安心」と「物理的時間拘束の軽減」です。 妊娠中の女性は、情緒不安定になりやすいですし、母体にストレスがかかりすぎることは、胎児へ決して良い影響は与えません。 示談交渉は通常の生活を送っていても、非常に大きなストレスを感じる大変な作業です。 初めて聞く法律用語や、専門用語と悪戦苦闘しながら、保険会社と交渉を進めなければなりません。 妊娠中であれば、なおのことそのストレスは大きくなります。 弁護士に依頼することで、示談交渉のストレスから解放されますので、その分治療と出産準備に専念できます。 また、妊娠中はいつ何時状態が変化して入院したり、出産になったりするか分かりません。 自分で交渉している場合は、その都度示談交渉が中断してしまいます。 これから出産と言う大仕事を迎えるのに、示談交渉の中断が気がかりでは気持ち的に落ち着きませんよね。 かといって、入院中に示談書を持ってこられたり、病室で示談交渉するのも考え物です。 弁護士に依頼しておけば、このような心配もありません。 メールや電話で弁護士とやり取りをしておけば、示談書の記入以外は全て代行してもらえますので、貴重な時間がとられることなく円満に示談をすることができます。

胎児への事故影響と慰謝料

妊婦が交通事故に遭った場合、胎児への慰謝料は「胎児になんらかの影響があった場合のみ」考慮されます。 事故で胎児が直接怪我をしてしまったり、胎盤早期剥離などで後遺障害を負った場合は、しっかりと考慮されますが、何も影響がなかった場合は、通常と変わらない慰謝料になります。 事故から数か月後に未熟児を出産したり、産まれた赤ちゃんに何らかの異常が認められたりしても、「事故との因果関係」が医学的に立証されなければ、慰謝料へはほとんど考慮されません。 もし、医学的に「事故で胎児に何らかの影響を与えた」ことが明らかであれば、慰謝料は考慮されますが、ケースバイケースで金額もばらつきがあります。 このように、事故の胎児への影響を慰謝料に考慮させることは、大変難しいので事故の損害賠償請求に詳しい弁護士に相談してみることをおすすめします。

妊娠中での示談交渉

妊娠中の示談交渉の進め方のポイントはこちらです。 ・妊娠中であることを加害者側に告げること 当然ですが、妊娠している場合は整形外科だけではなく、産婦人科で母体と胎児の安全を確認しなければなりません。 事故に起因した通院は、加害者側が負担しますので、すぐに知らせておきましょう。 また、妊娠中は体調の変化が起こりやすく、入院や安静などで連絡が途絶えてしまう可能性があるので、その旨も伝えておいてください。 万が一、被害者である妊婦さん本人と連絡が取れなくなった場合の連絡先(ご主人やご両親など)も伝えておくと安心です。 ・家族に示談交渉の途中経過と、書類の置き場所を報告しておくこと 妊娠中は急な入院を余儀なくされることがありますので、その期間中は家族に加害者側との交渉窓口となってもらうこともできます。 急に入院したり、出産になったりして、加害者側に連絡すべきことができなくなることが想定できますので、その時にやるべきことが分かるようにしておきましょう。 具体的には「加害者側の連絡先(保険会社名、担当者、電話番号など)と交渉の状態(交渉のボールがどちらにあるのか)、記入しなければならない書類の保管場所」をきちんと家族に伝えておいてください。 ・胎児への影響が心配な場合は、出産後に示談をすること 出産するまでは胎児への影響が分からず、示談したくないと考える妊婦さんは少なくありません。その場合は、保険会社にはっきりと「無事に赤ちゃんが生まれてくるまで、示談はできないので出産まで待ってください」と伝えておきましょう。 ただし、出産後1~3か月は赤ちゃんが昼夜となく泣きますので、お母さんは心身ともに疲れ果てています。 そんな時に加害者側から連絡があったら腹立たしいと思いますので、「交渉内容は書面で送ってください」などと、要望しておくと良いでしょう。 妊娠中は体調が優れず、精神的にも不安定になりがちなので、無理をしないようにこれらの点に気を付けながら、示談交渉を進めましょう。

交通事故による妊婦の治療方法

妊娠中は、「レントゲンが使えない」「薬の服用が制限される」「リハビリ内容が制限される」など、通常の治療にはないハードルがあります。 母体がすぐに治療を要する重症の場合は、胎児への影響を最小限に抑えながら、必要な治療が行われます。 外傷治療のための手術をする際は、レントゲンも薬も使用されます。 しかし、腰椎捻挫や頸椎捻挫と言った症状の場合、鎮痛剤や抗炎症薬などの薬物治療を積極的に行うことができませんので、妊婦さんは痛みを耐えることになります。 マッサージも電気治療、牽引も通常の強さでは行えないことが多いです。 骨折をした後の、機能回復のためのリハビリも体調によっては受けることができません。 妊娠中は多くの治療が制限されてしまうので、多くの妊婦さんが苦しんでいます。"

制限される治療が及ぼす影響とは?

妊娠が原因で、治療やリハビリが制限されてしまった場合、大きく分けると2つの影響があります。それが「通院日数や治療期間が短くなったために慰謝料が減ってしまうこと」と「リハビリができないために後遺障害が重くなってしまうこと」です。 妊娠中は治療が制限されますので、十分に通院できないまま症状固定になることが少なくありません。妊娠していなければ、通院して積極的に治療できますが、妊娠中はどうしても通院回数と期間が減ってしまいます。そうすると、受け取ることができる慰謝料の金額も減ってしまうので、妊婦さんは不利になります。 また、重傷を負った場合のリハビリの頻度にも大きな影響を与えます。 事故の影響で安静を言い渡されていたり入院をしている場合は、リハビリは不可能ですし、そうでない場合も、妊娠中はしっかりとしたリハビリが出来ないことが少なくありません。その影響で、後遺障害が重くなってしまうことがあります。 このように、妊娠中は治療やリハビリができないことにより、受け取ることができる賠償金の総額や、後遺障害に大きな影響を与えてしまいます。

妊婦特有デメリットへの対策

妊娠中に示談交渉をするデメリットは「交渉のストレス」「時間的拘束」「治療の制限による慰謝料の減額」「リハビリができないことによる後遺障害」などです。 これらのデメリットは、妊娠している以上仕方のないことではありますが、対策が無いわけではありません。 その1つが「弁護士への依頼」です。 全てのデメリットを消せるわけではありませんが、交渉のストレスと時間的拘束、そして慰謝料の減額は軽減することができます。 妊娠中に加害者側と交渉することは、精神的にも不安定になりがちですし、余計な時間がかかってしまいますが弁護士に依頼することでこの2つをクリアすることができます。 交渉を一任しておけば、交渉のストレスを感じることも、無駄な時間を割くこともありません。 さらに、「治療日数が短いことによる慰謝料の減額」も、弁護士に依頼することで「弁護士基準」の慰謝料算定基準を適用できるので、ある程度高額な慰謝料を受け取ることができます。 またリハビリができないことで、後遺障害が重くなった場合は「リハビリが出来なかったのは妊娠中だから仕方がないこと」と相手に認めさせることも不可能ではありません。 後遺障害の慰謝料と逸失利益も弁護士基準で算定されますので、通常よりは高額になります。 このように、妊娠中の示談交渉のデメリットは、弁護士に依頼することで大幅に軽減することができるので、一度無料の弁護士相談などで相談してみるとよいでしょう。

切迫早産に対する慰謝料は?

交通事故が原因で切迫早産になったと、医師が判断している場合は「切迫早産の治療期間」も交通事故の治療期間と認定されます。 例えば事故から4か月間切迫早産の状態が続き、臨月を迎えた場合は、臨月までの期間はすべて治療期間です。 だから、その期間に応じた慰謝料が支払われます。 万が一、事故が原因の切迫早産から早期出産に至って、未熟児のまま誕生した場合は赤ちゃんになんらかの影響があれば、慰謝料が考慮されます。

未来の子供に対する慰謝料は?

生まれた子供に医学的に交通事故の影響がある、と判断された場合は症状に応じて治療費や、慰謝料、後遺障害がある場合は逸失利益などが支払われます。 ただし、生まれてくるまでどのような影響があるかは分かりませんので、出産前にそれらの慰謝料が支払われることはありません。 出産後も医師がはっきりと「交通事故が原因です」と診断をすれば慰謝料などが支払われますが、その際は示談交渉どころではないと思いますので、お子さんの状態が落ち着くまで交渉を中断するように保険会社に伝えておくことをおすすめします。

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