2020.10.17 更新
応対が悪い保険屋の対処法とは?交通事故の示談を気持ちよく進めたい
目次
保険屋に対する心構え
交通事故にあった時に注意したいのが保険会社の職員との対応です。交通事故にあい怪我をしている時にどのように交渉を進めるのか、これは非常に重要なポイントです。
おそらく多くの皆さんは誰かと金銭の交渉をしたり、慰謝料の交渉を進めるということにあまり馴染みがないかもしれません。
交渉というのは非常に難しく、たとえベテランの弁護士でも交渉に悩まないことは無いというほど実は交渉をするのは特殊で、難解なものなのです。
交渉を進める時におそらく皆さんが一番不安に思われるのは「交渉相手が高圧的な人かどうか」でしょう。交渉相手の態度が悪く非常に高圧的に迫られてしまうと精神的にも非常に辛いものだと思います。
交通事故の後に体が辛い時なのに心まで辛くなってしまうと、交渉に耐えられず相手の言いなりになってしまうのでは無いかと思います。
交渉をするというのは単なる相談ではありません。実は交渉で話した内容というのは法律上は全て意思判断の判断材料として認定されてしまい、話した言葉には法的な責任が伴ってしまいます。
このため、たとえ相手が高圧的であっても毅然として自分が話す内容にしっかりと責任を持つことが何よりも重要になってくるのです。交通事故の被害者の方は体が辛い状態にあり、また精神的にも非常に不安定になってしまうものだと思います。
態度が悪い保険屋の職員に当たってしまったとしても必ず毅然とした態度をとり、自分の意思をはっきりと伝えるように心がけていきましょう。
保険屋の対応で注意することとは?
まず保険屋の態度が悪いという場合には2通りあります。
うざい保険屋の特徴2通り
1つ目はやる気がなく、約束を忘れたりすっぽかしたり、対応が適当な保険屋
やる気がない保険屋は直属の上司に連絡をつけ、しっかりと要望を告げてしまえば大抵の場合は解決します。
2つ目は威圧的で被害者の言い分や要求を全く無視する保険屋
高圧的な保険屋への対応は非常に難しいことが多く、態度が悪い保険屋の勢いに負けないように色々と準備をしておくことが必要です。
まず、注意しなければならないのが、自分が納得しない限りは相手の話に同意をしないことです。
保険に関連して話をした内容は一度でも相手の話に負けて同意してしまうと契約としての効力が有効になります。
よく勘違いされるのですが、契約書面を作成しなくても法的には口約束でも契約としての効力は有効に発揮されるので、この点には十分注意をしましょう。
また、できるだけ話した内容や日時を正確に記録しておくのも大切なことです。話をした記録があるだけで様々な点で役立ちます。
内容だけでなく、相手が威圧的な態度を取った時にはそのような態度も含めて記録をとっておきましょう。この他にも、むやみに書面にサインをしない、印鑑を押さないというのが大切な点です。
相手からの内容を一方的に鵜呑みにしてサインをするのではなく、必ず内容を理解確認してから署名・捺印をしましょう。署名をしたあとで気が変わったと言っても法的な書類はそう簡単に内容を変更できません。サインや印鑑には細心の注意を払いましょう。
威圧的な保険屋への対処法
高圧的な保険屋に対処する方法にはいくつかのポイントがあります。何度かやり取りを重ねている間に相手が非常に高圧的で応対が難しいと感じた時にはこの4つのポイントを踏まえて交渉に臨みましょう。
- メモをとる
- 意思の伝え方
- 結論をすぐに出さない
- 相談事は一人で決めない
メモをとる | まず記録をしっかりとつけることが重要です。相手が話をした内容を全て相手の目の前で記録を残すと相手に対して牽制することができます。 メモを取っている相手には迂闊なことを話ししたり、高圧的で威圧するような危険な交渉をすることができなくなります。メモを残して記録をとっているとはっきりと示しましょう。 |
意思の伝え方 | 高圧的な態度を取る保険屋に対して適切な対応を取るにはコツがあります。まず、交渉に入った段階で相手から怒鳴られたり高圧的な態度を取られた場合には適切な距離をとり、端的にこうして欲しいという内容を明確に短い言葉で伝えることです。 こちらが話す隙がなかなかできない時にはわざと交渉を打ち切り、時間を空けるのも一つの手なので、交渉にならない場合には時間を置いてから書面で意思表示をしても良いでしょう。 |
結論をすぐに出さない | 高圧的に主張をしてくる人によくありがちなのが、すぐに結論を求めようとしてくる事です。社内では仕事をすぐに解決する人として有能と評価されがちですが、このような態度を取られてしまうと交通事故被害者としてはたまりません。 結論に納得が行かない場合には主張をしっかりと伝え、保険会社からの主張に同意をするのを避けなければなりません。保険の交渉が難航すると保険の打ち切りや一方的な治療費の支払い停止を迫られることがありますが、このような場合でも書面を通じてやりとりをするのが賢明でしょう。 治療費用の停止を求める書面を提示されるケースがありますが、強引に同意を求められた場合には結論を避け相手の勢いに負けてしまうのを回避しましょう。 |
相談事は一人で決めない | 保険の交渉を行う時にはまず一人で交渉を進めないことが重要です。独力で保険会社の交渉のプロと話を進めるのに困った時には必ずサポート役を立てるように心がけましょう。交渉には部外者が関与することが難しいので、弁護士などの代理人を立てることを最優先に考えましょう。 |
記録に残す方法と実際の効果
悪質な保険会社の職員を相手にする時にはまず録音をすることを検討されるかもしれません。しかし、実は録音というのは法的には秘密録音と呼ばれていて、許されうるものなのかどうか多くの議論が寄せられているのです。
最近の判例では証拠保全や身の安全を守るために行う秘密録音は許容されうるものという考え方が一般的なので、相手の交渉態度が悪い場合には録音をするように心がけてみましょう。
録音は電話の録音や直接対面した時の録音など様々な場所で行うことができます。録音した資料は外部に公開しない限りは大きなトラブルになることはありません。
相手が話をした内容を記録に残すと相手が脅しめいた事を言わなくなったり、こちらが話した内容を後々トラブルになった時の有力な証拠として残すことができます。しっかりと記録を有効活用してトラブルを未然に回避する癖をつけておきましょう。
苦情や改善の申し入れ方法
保険屋の態度が悪い場合には保険屋の苦情受付の窓口に直接連絡をつけるのが有効な手段です。
直接本人に改善の申し入れを行うのは当人にとって非常に難しいものですが、社内の他の立場の人に改善要求を告げるのは幾分ハードルが低いものだと思います。
この時に相手のとった態度をしっかりと書面や録音などで記録に残しておくと担当者の変更などの改善要求を受け付けてもらえやすくなるので、記録を有効活用しましょう。
書面で相手に伝える場合には所属部署の上席者の方に直接申し伝えるのがいいでしょう。横柄な態度や威圧的な態度は応対するだけで疲れてしまうものですが、しっかりと対策手段をとっておけば保険会社も迂闊に威圧的な対応をとってこなくなります。
また、このような応対を一人で続けるのが難しい場合には弁護士などを通じて意向を申し伝えることができるので弁護士に依頼するのを検討してみるのもいいでしょう。
弁護士を味方につけておく事で保険屋も契約書面にある通りの対応を取らざるを得なくなり、保険会社として果たすべき信義誠実な対応を取ることが多くなります。
法律を使ってしっかりと交渉を進めると被害者の方にとっても非常にメリットが多くなりますので、弁護士の依頼を検討して話を進めてみましょう。
示談交渉前の事前準備とは?
示談交渉というのはその時その時に応じて対応を変えて交渉に臨みます。したがって、臨機応変に準備を行い、しっかりと示談交渉に臨む事が重要になります。
示談交渉を行う前にはまず自分の方が被っている被害の状況を明確にする必要があります。後遺障害があるのかどうか、さらに通院治療の必要があるのかどうかによって請求する金額が大きく異なってくるので、分かる範囲で請求すべき金額を明示しておきましょう。
現時点で後遺症が明確になっていない段階なのであれば、症状固定が出る目安の段階を医師に相談しておく必要があります。症状固定された後に後遺障害の認定が進んでいくので、後遺障害が出る前に後遺障害に対する慰謝料の交渉をするのは避けるべきでしょう。
症状固定に至るまでの間、通院・入院・治療が必要になります。この間にかかった通院費が明確になっていないと慰謝料の請求金額の算定が難しくなるので、医療費関連の領収書を全てまとめておくように心がけましょう。
交通事故によって車の損害は通常であれば自動車修理工場に車を持ち込んでから修理工場を通じて保険の対応を行ってもらえます。
車の修理に関しては全く別のものと考えて交渉に臨み、基本的には入院・通院に関する費用と後遺障害に対する費用を中心に考えておきましょう。
保険屋との交渉を相談すべき専門家
保険屋の応対が非常に悪質な場合には保険屋との直接交渉を避けるのが順当な対応です。独力で保険屋と交渉をすると悪質な対応を取られた時に交渉負けしてしまう事が頻繁にあります。
相手の勢いに負けて交渉内容を了承してしまうと、それ以降に保険会社の対応を変えていくのが難しくなってしまいます。このため、悪質だと感じたらすぐに弁護士に相談するのが重要です。
弁護士は法的に認められた代理人として被害者本人に変わって被害者の受ける利益を守る事ができます。法律の専門的な知識を武器に交渉を進めるプロの弁護士の力を借りて交渉を進めると、保険会社の対応も大人しくなる事があります。
悪質な保険会社の噂はいつの世も絶える事がありません。しかし、プロの法律家を相手に威圧的な交渉を進めるような保険会社の職員というのは滅多にいるものではありません。約款や契約書に記載された通りの内容を相手に求め、必要な金額を手に入れる事ができるよう弁護士を味方につけながら交渉を進めるのが基本的な応対だと思っておきましょう。
優れた弁護士の選択方法
弁護士をどのように選ぶかというのは多くの方が必ず頭を悩ませるものです。実は弁護士の中にも医者と同じように様々な専門領域があり、大きく分けると刑事事件専門の弁護士と民事事件専門の弁護士に分ける事ができます。
保険の交渉というのは弁護士の中でも比較的広く取り扱われている事が多い交渉ごとですので、民事事件専門の弁護士に交渉を依頼しておくといいでしょう。 弁護士を選ぶ時には実際に弁護士に相談できる場で信頼できる弁護士を探す事が重要です。
費用はかかりますが、気になる弁護士の事務所にアポイントメントをとり、実際に交渉を進めるといいかもしれません。また、法テラスなどで無料の法律相談の機会があれば利用してみるといいでしょう。弁護士に信頼がおけなければとても示談交渉を進める事ができません。
弁護士の専門分野、得意分野などをしっかりと確認し、信頼できる弁護士に依頼をしておきましょう。
弁護士に直接相談を持ちかける時には依頼にかかる費用を確認しておく必要があります。着手金と成功報酬などを確認し、大まかな費用を概算しておくと弁護士選びに役立つでしょう。
費用を工面するのが難しい場合には法テラスの補助制度があるので、使える社会システムを有効活用し、法律家の力を有効活用できるように心がけておきましょう。
弁護士が一変させる示談交渉
弁護士に依頼をする事で示談交渉が大きく変化します。まず一番嬉しい変化としてあげられるのは直接交渉をせずに言いたいことを伝えてもらえるという点にあります。こうなると相手が威圧的であっても臆することなく交渉に望む事ができます。
また、弁護士が介在することで交渉の主導権を相手任せにし続けることを未然に防げるので、相手にとって都合の良い示談交渉を避ける事ができます。
もちろん、相手との示談交渉がうまくいかず、交渉が困難になった時には訴訟という切り札を利用して交渉に望む事ができます。
訴訟の費用などを考えると保険屋にとって不利益に傾く事が多いので、和解交渉の後に示談に持ち込める事が往々にしてあります。
弁護士は法律を使って依頼者の権利を守る専門家です。弁護士が入るだけで交渉がスムーズに進み、予定よりもかなり短期間で交渉を終わらせる事ができるのが大きな魅力です。
プロの法律家を介在させ、保険会社の無茶な要求を跳ね返し、短期解決を目指せるのが大きな魅力という事ができるでしょう。
弁護士依頼による様々なメリット
最近では交通事故に弁護士が関与するのが徐々に当たり前になってきました。弁護士に頼み交渉を任せることでかなり通常単独で行われる交渉よりも大きな金額を得る事ができます。
また、自分自身の生活に悪影響を残さずに交渉を進められます。自分で交渉を進めるストレスは非常に大きなもので、悪質で横柄な態度をとる保険屋と交渉を進める時に体調を崩してしまう方すらいます。
中には弁護士を介さない場合には示談交渉すら取り合ってもらえないケースもあり、被害者が泣き寝入りする典型例です。
弁護士を介した瞬間に示談交渉に応じ、急に態度を変えてくる保険会社も多いので、安全かつ迅速に示談が進むというメリットは看過できないでしょう。
弁護士はこのような通常単独ではできない事を提供するという魅力がある存在です。交通事故後の慰謝料の交渉や、交通事故後の示談交渉でお困りの時はすぐに弁護士に相談するように心がけましょう。
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