2020.9.17 更新

交通事故の慰謝料相場|通院3ヶ月だといくら?むちうち・骨折・打撲

「通院3ヶ月の場合慰謝料はいくらになる?」
「保険会社から治療打ち切りの連絡がきたんですが・・」

交通事故で怪我をし、1日でも通院した場合は「入通院慰謝料」という慰謝料を請求する事が出来ます。入院や通院日数に応じて支払われるのですが、通院3ヶ月の場合の金額はいくらになるのでしょうか。

この記事では、通院3ヶ月の怪我・症状で最も多いむちうち(頚椎捻挫)や骨折を例にあげて、通院3ヶ月の場合の慰謝料の相場や計算方法、また保険会社から治療の打ち切りの連絡が来た場合の対処法なども紹介しております。

請求できる適切な慰謝料の金額を一緒に確認していきましょう。

3ヶ月間通院した場合の慰謝料の金額の相場は?

交通事故で怪我をして3ヶ月通院した場合の慰謝料の金額といっても、慰謝料を決定する際の計算方法の元となる基準には3種類あります。

それぞれの基準とその仕組みについて簡単に見ていきましょう。

慰謝料の決定には3つの基準がある

慰謝料を決定する際の基準には

  1. 自賠責保険基準
  2. 任意保険基準
  3. 弁護士基準

上記3つの基準があります。

基準によっては金額に数百万円もの差が出る場合もあるので注意が必要です。

自賠責保険基準

自賠責保険基準とは、自動車損害賠償責任保険(略して自賠責保険)という車の所有者が強制的に加入させられる保険によって決められる基準です。

運転者の被害を最低限補償するためのものであるため、3つの基準の中ではもっとも低い基準となっています。

任意保険基準

任意保険基準とは、加害者が任意で加入している保険会社が独自に定めている基準です。それぞれの保険会社によって多少の金額のずれはありますが、大きな差は生まれません。

また、任意保険会社は営利企業であるため会社からの金銭の支出(被害者に支払う保険金)を少しでも安く済ませたいのが本音。そのため、自賠責保険基準の金額にほんの少し上乗せした程度の金額になることが多いです。

この後解説する「弁護士基準」での金額と比較すると1/2くらいの金額になることが多いです。

弁護士基準

弁護士基準とは、慰謝料の計算に使われる3つの基準の中でも高い計算基準となります。

この基準については、日弁連交通事故相談センターが発行している「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(通称・赤い本)」という書籍に記載されているものを用います。

また、弁護士基準は裁判基準と呼ばれる場合もありますが、必ずしも裁判を起こすと適用されるものではないという点には注意が必要です。

【弁護士基準が適応されるケース】

  • 加害者との示談交渉が決裂し、裁判に発展した場合
  • 示談交渉を弁護士に代行してもらう場合

弁護士に依頼をせずにこの基準で慰謝料を計算し、請求することはできません。最高額の弁護士基準で慰謝料を請求したい場合は、弁護士に示談交渉を依頼してしまうのが良いでしょう。

3つの基準ごとの慰謝料の計算方法


3つの基準の中では、弁護士基準での計算が高い基準であることはわかっていただけたけたかと思います。

それでは実際に、3つの基準での慰謝料計算はどのように行うのでしょうか。それぞれ確認していきましょう。

自賠責保険基準

自賠責保険の場合は、入通院期間×4,300円で計算を行います。

ここでの入通院期間とは
・通院期間(最初に通院した日〜最後に通院した日)
・実際に通院した日数×2
のどちらか小さい方の数字を使用します。

<計算例>
通院期間が3ヶ月、実際に通院した日数が30日の場合には、
・通院期間 3ヶ月=90日
・実際に通院した日数 30日×2=60日
となるので入通院期間には60日を使用します。
そのため請求できる慰謝料は 60日×4,300円=258,000円 となります。

任意保険基準

任意保険基準の場合は、それぞれの任意保険会社が独自に基準を定めています。下の表をもとに任意保険基準での慰謝料を算出します。

任意保険基準での慰謝料
1ヶ月 126,000円
2ヶ月 252,000円
3ヶ月 378,000円
4ヶ月 478,000円
5ヶ月 568,000円
6ヶ月 642,000円
7ヶ月 706,000円
8ヶ月 768,000円
9ヶ月 820,000円
10ヶ月 870,000円

<計算例>
通院期間が3ヶ月、実際に通院した日数が30日の場合には、通院期間3ヶ月より表の通り
請求できる慰謝料は 378,000円 となります。

弁護士基準

弁護士基準の場合も、通院期間によって慰謝料の金額が変わります。

下の表は日弁連交通事故相談センターが発行している「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(通称・赤い本)」という書籍に記載されている基準を用いた基準です。

弁護士基準での慰謝料 ※軽傷(むちうち・打撲等)
1ヶ月 190,000円
2ヶ月 360,000円
3ヶ月 530,000円
4ヶ月 670,000円
5ヶ月 790,000円
6ヶ月 890,000円
7ヶ月 970,000円
8ヶ月 1,030,000円
9ヶ月 1,090,000円
10ヶ月 1,4130,000円

表を見ても一目でわかる通り、弁護士基準で計算した金額の方が高額だということが分かります。

<計算例>
通院期間が3ヶ月、実際に通院した日数が30日の場合には、通院期間3ヶ月より表の通り
請求できる慰謝料は 530,000円 となります。

交通事故の慰謝料についてさらに詳しく知りたい方にオススメの記事はこちら

むちうちの場合は計算方法が異なる!例外の計算方法とは

通常の怪我の場合、自賠責保険基準では「入通院期間×4,300円」で計算しますがむちうちのような他覚症状(客観的に見てわかる症状)がない怪我をしたケースでは計算方法が異なります。

この場合の入通院期間では実際に通院した日数×2を使用する場合があります。

むちうちなどの他覚症状のない怪我では、通院頻度が少なくなってしまうことが多いのでこのような計算をするケースがあるということになります。

むちうちのような怪我では骨折などと比べると症状が軽いと思われ、慰謝料の金額を抑えられてしまう可能性もあるので注意が必要です。

請求できるはずの慰謝料を保険会社から減額される2つの理由

通院を終えて示談交渉を開始すると慰謝料について交渉しますが、相手の保険会社のいいなりになって示談交渉を進めていると、納得できない慰謝料しか受け取れない場合があります。

前述の通り、保険会社はできるだけ慰謝料は抑えたい、というのが本音だからです。

慰謝料の交渉の際に気をつけなければならない点が2点あるので、しっかりと示談交渉が成立する前にチェックしておきましょう。

1.打ち切りを迫られて治療を途中で終えてしまう

むちうちなど、他覚症状がなかったり比較的軽い傷害とされている怪我をして通院した場合、相手の保険会社に打ち切りを迫られる場合があります。

保険会社の中ではDMK136という治療の打ち切りのための目安があります。

DMK136とは

  • D(打撲)=通院1ヶ月
  • M(むちうち)=通院3ヶ月
  • K(骨折)=通院6ヶ月

という打ち切りの目安の略称です。

これらは保険会社の間で暗黙の了解で使われているのでむちうちになった場合3ヶ月で打ち切りの相談をされることが多いということになります。

しかし、保険会社の要望に答える必要はありません。通院3ヶ月がたっても体に不調がある場合、通院を続けることが重要です。

具体的にはまず、保険会社側の理由を聞く、そして被害者側も今までの通院実績などから根拠を示して治療を続ける必要があることを証明するのが大切です。

2.自分で安易に示談交渉を終えてしまう

弁護士などが関与せずに示談交渉を進めると相手の保険会社は自ら定めた慰謝料金額を提示します。

保険会社が提示する金額は過去の裁判に則ったものではなく、必ずしも正当とは言えません。

しかし一度、示談交渉が成立するとその後示談内容に不備があったり、後から症状が出て来ても示談交渉をやり直すことができません。

このように保険会社のいいなりになって示談交渉を進めると適切な慰謝料にならない可能性があるのです。しっかりと示談成立前に示談内容に不備がないか、請求できる慰謝料の金額が適当か確認してから示談を終えるようにしましょう。

最高額で慰謝料を請求する3つの方法

慰謝料の金額を請求できる最高額に引き上げるには、明確な3つの方法があります。

【適切な慰謝料を請求する方法】

  • 完治・症状固定するまで治療は続行
  • なかなか完治しない場合は後遺障害の申請
  • 弁護士に依頼をして弁護士基準で慰謝料計算

以下で3つの方法について詳しく解説します。

完治・症状固定するまで治療は続行

上記の通り保険会社に打ち切りを迫られてしまう場合がありますが、これに応じる必要はありません。

また、慰謝料の計算には入通院期間が関わるので完治や症状固定していないまま治療を打ち切ってしまうと治りも悪くなり、慰謝料の金額も減額されてしまうので適切な期間で通院するのが良いでしょう。

慰謝料を納得できる金額で請求するにはしっかりと治療を進めることも1つの方法といえるでしょう。

症状固定とは・・・これ以上回復の見込みがない状態のことのこと

なかなか完治しない場合は後遺障害の申請

むちうちなど治りにくい怪我を負ってしまった場合は、通院を続けていてもなかなか治らないという場合があります。そのような場合は、症状固定し後遺障害の等級認定の申請をしましょう。

後遺障害の等級認定とは、事故によって残ってしまった後遺障害の症状やその程度について14段階に分けたもののどの段階に該当するのかを明確化したものです。

後遺障害の等級認定を受けると従来請求できる慰謝料とは別に、「逸失利益」と「後遺障害慰謝料」が請求できるようになります。

逸失利益とは・・・後遺障害を負ったことにより将来得られるはずだったであろう金額のこと

弁護士に依頼をして弁護士基準で慰謝料計算

より被害者が納得しやすい慰謝料を請求するためには弁護士に依頼をして弁護士基準で慰謝料計算をしてもらうということです。

前の見出しでも確認した通り、慰謝料計算には(自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士基準)の3つの基準があり、その中でも高い基準であるのが弁護士基準です。自賠責保険基準で慰謝料を決定してしまうと、納得できない金額になってしまう可能性があります。

また、弁護士に相談すれば上記で説明した2つの方法の治療に関してのアドバイスや後遺障害の等級認定の手続きなども任せることができます。

弁護士に依頼するメリット・デメリットは次の項目で説明しているので、参考にしてみてください。

弁護士依頼するメリット・デメリットとは

弁護士に依頼すると費用が高そう・・
弁護士と聞くと少し怖いイメージがある

と一度は感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし弁護士に相談したからと言って必ずしも裁判になったり、面倒なやりとりが長引いたりということはありません

以下では弁護士相談する本当のメリットとデメリットについて解説します。

弁護士相談をするメリット

交通事故の示談交渉で弁護士に相談するメリットは様々ありますが特に大きな利点を以下にまとめました。

【弁護士に相談するメリット】

  • 示談交渉のやりとりを弁護士に任せることができる
  • 過失割合の見直しの交渉をしてもらえる
  • 後遺障害の等級認定に関する手続きを行ってもらえる
  • 最短で示談交渉を成立させてもらえる
  • 様々なトラブルに関しても対応してくれる

また、弁護士費用特約という保険内容が加入している自動車保険に付いていれば弁護士費用を0円で弁護士に依頼することができます。

弁護士相談をするデメリット

次に弁護士に依頼をするデメリットについて解説します。いくら交通事故の示談は弁護士に依頼するのがよいといっても多少のリスクは存在します。

以下に弁護士に依頼をする際のデメリットについてまとめました。

【弁護士に相談するデメリット】

  • 費用倒れになる可能性がある

弁護士に依頼するデメリットで考えられるものは「費用倒れ」が想定されます。

費用倒れとは、弁護士に支払う費用が示談交渉で請求できる示談金の総額を上回ってしまう場合のことを言います。

物損事故などの10万円程度の損害賠償額である場合、示談交渉での増額金額より弁護士費用が上回ってしまう場合などは費用倒れになってしまう可能性があります。

また、「無料相談をしたら依頼をしなければならない」と考える方がいらっしゃるかもしれませんが、無料相談をしたから依頼を強制されるということはありません。

ただし、弁護士事務所によっては交通事故示談に明るくないケースあるので弁護士選びは慎重にするのがよいでしょう。

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