2020.6.15 更新

むちうちで後遺症認定は難しい⁉︎後遺障害が認められるポイントや慰謝料の基準

むちうちでも、後遺障害として認められれば慰謝料の請求はできるでしょうか?
交通事故が原因となった症状であれば、適切な慰謝料の請求が可能です。ただ、むちうちの場合は医学的な証明が難しい面もあります。

 

むちうちと診断を受けても、「手足のしびれがとれない」などの後遺症が残ってしまうケースもあります。

交通事故による後遺障害として認定されれば、症状に応じて100万円を超える慰謝料請求ができるケースもあります。まずは認定基準を正しく把握しておくことが重要です。

ただ、むちうちは軽く見られがちな面もあって、一人で手続きを進めるのは難しい部分もあります。

今回は、むちうちを後遺障害として認めてもらうためのポイントや慰謝料の計算方法について紹介します。

むちうちの後遺症の認定基準

むちうちの症状には個人差があるため、医学的な面での証明が難しいところがあります。

そのため、後遺障害として認定される基準について正しく把握しておくことが重要です。

どのようなケースにあてはまるのかを知って、適切な慰謝料の請求につなげていきましょう。

むちうちで起こり得る後遺症

むちうちの後遺症は多岐にわたるため、自分でも気づいていないケースもあります。

一般的には、首から背骨にかけて起こる神経症状の一種だと言われていますが、レントゲンでも異常が見つからない場合もあり、医学的な判断が難しいのが特徴です。

むちうちの後遺症としては、以下の表のような症状があげられます。

むちうちの後遺症と症状
頸椎捻挫
(けいついねんざ)
首の捻挫であり、むちうちの後遺症として大部分を占める。
首や肩、背中の痛みと凝りなど。
バレー・ルー
症状
首の神経が傷ついたことによる、頭痛・めまい・吐き気・耳鳴り・息切れ・
後頭部の痛みなど。それに伴う倦怠感や食欲不振
神経根症状 首の神経根と呼ばれる部分に負荷がかかった状態を指す。
手足のしびれや力が入らないといった症状。
脊髄症状 脊髄損傷を伴うもので、五感に悪影響が出てしまう。
歩行障害や知覚障害などを引き起こす。
脳脊髄液減少症 脳髄液が漏れ出すケースで症状としては重い。
全身の痛み・五感の障害・自律神経症など。
高次脳機能障害 脳の損傷によって、記憶障害や注意障害など日常生活に支障が出る症状が特徴。
性格が変わる、集中力が続かないといった症状が見られる。

むちうちの後遺症は事故直後に出るとは限らず、事故から一定期間を経過してから症状が現れる可能性もあります。

そのため、自己判断で治療を途中で止めてしまうのではなく、医師の診断に従って継続的な治療を続けていくことが大切です。

むちうちの後遺症で認定される可能性のある後遺障害等級

交通事故にあって医師から「後遺症が残る」と診断された場合であっても、そのすべてが補償の対象となるわけではありません。

後遺症とは治療を続けたものの、今後も完全な回復が見込めない症状のことを指しています。

一方で、後遺障害とは交通事故によって負ったけがや障害が、治療を続けても改善しない「症状固定」の状態になったものを指します。

つまり、後遺症のうち一定の要件をクリアしたものが後遺障害として認められるのです。

後遺障害の認定は、医師が作成した後遺障害診断書などの書類をもとに、損害保険料率算出機構・自賠責損害調査事務所が行います。

後遺障害と認定されれば、症状に応じた慰謝料の請求が可能です。

「自動車損害賠償保障法施行令別表(等級表)」によって、1~14級までの等級が定められており、具体的な症状が公表されています。

むちうちの場合には「局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)」もしくは「局部に神経症状を残すもの(14級9号)」にあてはまるケースがほとんどです。

12級と14級の基本的な違いは、以下の通りです。

12級
障害の存在が医学的に証明できるもの
・他覚的所見として、画像診断や神経学的所見などが認められたもの
14級
・医学的に説明可能な障害を残す所見があるもの

また、高次脳機能障害の症状が見られれば、等級はさらに高くなる可能性もあります。

なぜなら高次脳機能障害の症状は、手足のしびれや首の痛みといったむちうちの一般的な症状よりも重く、記憶障害や注意障害など日常生活に支障をきたすからです。

いずれにしても、後遺障害の等級認定を正しく行ってもらうことが、適切な補償を受ける基本的なポイントとなるのです。

むちうちの後遺症で請求できる慰謝料

むちうちの後遺症によって請求できる慰謝料は、12級・14級の等級では以下のような金額となります。

等級 自賠責保険基準 弁護士基準
12級 94万円 290万円
14級 32万円 110万円

※自賠責保険基準は国土交通省「自賠責保険ポータルサイト」より引用
※弁護士基準は日弁連交通事故センター東京支部「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(通称・赤い本参照)

交通事故の後遺障害において、むちうちの場合は12級もしくは14級に認定されることが多いです。

ただ、後遺障害と認定されなくても、入通院慰謝料の請求は可能となっています。

認定された後遺障害の等級によって請求できる金額は決められていますが、慰謝料の基準は「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士(裁判所)基準」の3つに分けられます。

自賠責保険基準
3つの基準の中では金額が一番低く、最低限の補償をカバーするものです。
任意保険基準
保険会社によって異なるものの、自賠責基準をやや上回る程度です。
弁護士基準
示談交渉を弁護士に依頼することで請求できるものであり、3つの基準の中では最も高くなる傾向にあります。

慰謝料を計算する基準によって、請求できる金額に違いがあることを押さえておきましょう。

弁護士に依頼すれば慰謝料が2倍になる可能性も

弁護士に依頼をすることで請求できる慰謝料が高くなる傾向にあるのは、2つの理由があります。

1つ目の理由として、弁護士が示談交渉を行って決裂した場合には裁判へと移行する可能性が高い点があげられます。

裁判においては過去の判例が重視されるため、納得できる慰謝料を請求しやすいのです。

そして2つ目の理由は、専門家を介することで後遺障害によって被害者が受けている苦痛や生活への影響などを総合的に判断してもらえる点です。

1つ1つの具体的な事情を証拠によって裏付けていくことで、適切な慰謝料を請求できます。

慰謝料のほかに「逸失利益」が請求できるケースも

むちうちの後遺症では、慰謝料の他にも請求できる補償があり、その一つが「逸失利益」です。

逸失利益とは、後遺障害がなければ将来得られるはずだった収入に対する補償のことです。

精神的苦痛に対する賠償を意味する慰謝料とは性質が異なるものであるため、後遺障害の程度によっては請求できるケースもあります。

逸失利益は、以下の計算式で算出されます。

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

また、逸失利益の他にもむちうちの後遺症で介護のための装具代や介護費用などが発生したときには、それらの請求も行えます。

むちうちの後遺症認定は難しい?認定確率を上げるためには

なるほど。むちうちも後遺症が残っていれば、さらに慰謝料を請求できるんですね!
しかし実際、むちうちの後遺症は医学的証明が難しく後遺障害認定されるとは限らないんです…。適切に認定されるためには、しっかり証拠を提示するのが大事になります。

 

むちうちの後遺症はすべてが後遺障害として認定されるわけではなく、以下のような理由で認定されないケースもあります。

・他覚所見的な証明(検査データなどに基づいた医師の見解)がない
・認定されたとしても他の症状と比べると軽い場合が多く、しかも現在症状が出ている人でも将来は回復されると見込まれる
・自覚症状が医師に伝わらずに、有効な診断書を書いてもらえない
・後遺障害認定の申請手続きを保険会社に任せており、適切に処理してもらえているかが分からない

逆に言えば、これらの点をクリアして後遺障害認定を申請すれば、正しく認定される可能性は高まります。

適切に後遺障害と認定されるためには、以下のようなポイントを押さえておくことが大切です。

  • 一定期間以上、治療を継続している
  • 自覚症状が一貫している
  • レントゲンなど証明できるものを用意する
  • 症状を証明できる検査を実施する

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

【認定確率を上げる方法1】治療を継続している

後遺障害の認定確率を高めるためには、むちうちの治療を継続していることが重要です。

自らの判断で治療を途中で止めたり、保険会社から治療の打ち切りを言われたりしても、症状固定となるまで治療を続けるべきです。

必要な治療である限り、保険会社には治療費を支払う義務があります。
医学的な観点から必要と判断されれば、後ほど立て替えた治療費は請求可能です。

むちうちの症状は個人差がありますが、一般的には3~6ヶ月の通院日数が必要だと言われています。

通院日数が短過ぎると、むちうちと交通事故との因果関係があいまいになりやすく、認定確率を下げてしまうので注意しましょう。

【認定確率を上げる方法2】自覚症状が一貫している

むちうちの症状は人によってさまざまですが、自覚症状としては一貫している必要があります。

時期によって出てくる症状がバラバラだと、そもそも後遺症なのかという点に疑問が生じてしまう恐れもあります。

後遺症は治療を受けても完治する見込みがない症状のことを指し、医師の判断にもとづくものです。

そのため、医師とのやりとりを綿密に行って、どのような症状が現れているのかを明確にすることが重要です。

【認定確率を上げる方法3】レントゲンなど証明できるものを用意する

後遺障害の等級認定では医師が作成する診断書の他に、レントゲンなどの客観的な検査データが大事な意味を持ちます。

むちうちは医学的な診断が難しい面もあり、事故からしばらく経ってから症状が現れる場合もあります。

そのため、事故直後にレントゲンを撮ったからといって、必ずしも現在の状況を適切に反映しているとはかぎりません。

医師の指示に従って必要な検査を受けて、できるだけ多くの検査データを準備してみましょう。

【認定確率を上げる方法4】症状を証明できる検査を実施する

むちうちの症状は、交通事故との因果関係を裏付ける検査データと結びつけることが大切です。

後遺障害認定を受けたいからといって、やみくもに検査を受ければよいというものではありません。

自覚症状を医師にきちんと説明した上で、症状を証明するために必要な検査を受けてみましょう。

むちうちの後遺症認定には頼れる専門家によるサポートも必要

むちうちの症状は後遺障害として認定されづらいため、一人で申請手続きを何度も行うのは手間がかかり大変でもあります。

また、等級認定を受けようとすることで、相手方の保険会社から治療の打ち切りを迫られてしまう可能性もあるのです。

そうした不安や悩みを解消するためには、弁護士に依頼をするのも良い方法です。

弁護士が示談交渉を行うことで、請求できる慰謝料が増えるケースもあります。

多くの法律事務所が成功報酬型であり、相談だけなら無料というところもあるのです。

加入している保険のオプションとして弁護士費用特約が付いているならば、うまく活用をすることで負担を軽減できます。

後遺障害認定の手続きをサポートしてもらい、適切な慰謝料や損害賠償金を請求するためにも、一人で悩んだときには弁護士に相談してみましょう。

まとめ

むちうちは手足のしびれやめまい、頭痛など人によって現れる症状は異なっています。

医学的な面からも診断が難しく、後遺障害の等級認定を受けるためにはポイントを押さえておく必要があります。

事故からしばらく経って症状が出てくる場合もあるので、継続して治療を行うことが大切です。

また、等級認定には時間も手間もかかるので、弁護士費用特約などを活用して弁護士のサポートを受けてみましょう。

交通事故の無料相談はこちら

ご相談ください

こんな方は今すぐ相談!

  • 事故の事を誰かに相談したい
  • 保険会社の態度や対応に不満がある
  • 慰謝料の金額や過失割合に疑問がある
相談無料

弁護士法人ステラ

0120-734-020

自分に合った治療先を探したい方はこちら

関連記事一覧

交通事故で脳挫傷と診断された家族が1週間以内にやるべき2つのこと

「家族が交通事故で脳挫傷と診断されました」 こちらは、「脳挫傷」と診断された交通事故被害者の方の、ご家族のためのページです。 医師と弁護士監修のもと、以下の内容を解説していきます。...

後遺障害等級認定ってなに?等級の内容と認定を受けるべき3つの理由

事故の怪我がなかなか治らない・・どうしよう そもそも後遺障害等級認定ってなんのこと? 交通事故で怪我がなかなか治らないという方は、絶対に等級認定を受けるべきです。 この記事で...

交通事故の慰謝料増額請求のために!後遺障害認定手続きの流れを知ろう!

交通事故の被害者は、治療費や交通費など多くの出費をしなければならなくなります。 ときには、後遺症が残ってもとの生活に戻れなくなることもあります。 それにもかかわらずその全ての費用を被害者が負担...

交通事故で後遺障害が・・・後遺障害に対する慰謝料の相場はどれくらい?

交通事故で治療を受けていますが後遺症が残りそうです。後遺症に対する慰謝料は請求できるのでしょうか? 交通事故の被害者に後遺症が残った場合、後遺障害等級認定を受けることでその等級に...

後遺障害2級|重度後遺障害に認定されたら家族がすべき5つのこと

「家族が交通事故にあい後遺症が残りました。これからどうしたらいいでしょうか」 この記事では交通事故で重度の後遺障害が残った方のご家族に対して、後遺障害2級に該当する症状と症状固定後に必ず...

お悩み別ページ

ページランキング

  1. 交通事故で評判の良い弁護士事務所とは?被害者必見の弁護士の選び方
  2. 交通事故で依頼すると後悔する弁護士3つの特徴|体験談も掲載
  3. 後遺障害とは?等級認定の流れと等級表でみる1級~14級の認定基準
  4. 【保存版】交通事故の慰謝料相場はいくら?必ずわかる計算方法まとめ
  5. 交通事故の慰謝料が丸分かり!通院から6ヶ月後のケースではいくら?

カテゴリ一から探す