2020.5.18 更新

通院の交通費は請求できる?交通事故における交通費の取り扱われ方

「交通事故の治療にかかる交通費は請求できるの?」

交通事故の治療にかかる費用は治療費だけではありません。
通院するための交通費も必要になります。

そのため、交通事故の被害者は加害者に対して、通院にかかる交通費の請求が可能です

また、ケースバイケースではあるものの、家族の付き添いやお見舞いの交通費も請求できます。

ただ、事故とケガとの因果関係の証明が必要であり、病院への移動手段によっても取り扱われ方が違ってくるので注意も必要です。

この記事では交通費の取り扱われ方や具体的な請求方法について、詳しく解説。
ぜひ参考にしてください。

ケガの治療で通院したときの交通費は請求できる

病院に通うためにかかった交通費は、交通事故とケガとの因果関係を示せば、加害者側に請求できます。

通院交通費は損害賠償として認められている項目の1つであり、基本的に全額が補償される仕組みとなっています。

ただ、どのようなケースでも認められるものではなく、社会通念上で相当と認められる範囲までなので個別に見ていく必要があるのです。

また、通院交通費はそのつど請求できますが、手続きが煩雑になってしまうので一定期間に区切ってまとめて請求することが多いと言えます。

移動手段ごとに交通費として請求できる金額は異なる

通院のためにかかった交通費は、移動手段によって請求できる金額が異なるものです。

また、適した移動手段かどうかは、ケガの程度や通院頻度、被害者の年齢などが考慮されます。

ただし、移動手段ごとに請求方法が異なりますので注意しましょう。

移動手段ごとにポイントをまとめると、以下のようになります。

公共交通機関(電車・バスなど)

バスや電車などの公共機関は、請求の手続きも簡単で、領収書も不要です。

(ポイント)
・運賃の全額を請求できる
・最寄り駅やバス停から病院までの往復分の運賃の請求が可能
・領収書が発行されないときは、通院した日付や金額をメモに残しておく

徒歩や自転車

徒歩や自転車など自力での移動は、費用が発生していませんので請求できません。

自家用車(車・バイク)

ガソリン代は費用として認められています。自賠責保険ではガソリン車でも電気自動車でも一律で1kmあたり15円と決まっているため、領収書は必要ありません。
また通院に要した高速料金や駐車場代も請求が可能です。ただしあくまで通院に必要と判断されたときのみです。 事前に加害者の保険会社に了承を得た上で利用してください。その際、領収書の提出が求められますので保管しておきましょう。

(ポイント)
・自賠責保険で決められている1kmあたり15円の請求が可能(領収書不要)
・必要と判断されれば駐車場代や高速道路の利用料金も請求可能(領収書が必要)

タクシー

ケースバイケースですが、タクシーでの通院も請求できます。
こちらも必要性が認められる場合のみです。

具体的には
・バスや電車では通いづらい場所に自宅・病院がある
・高齢者や障害を抱えている
・足を骨折するなど徒歩での移動が難しい
のようなケースです。

またタクシーでの通院も加害者の保険会社に了承を得ておく必要があります。
事前に医師に相談して、タクシーの必要性について診断書に記載してもらうとスムーズです。

(ポイント)
・ケガの状態や年齢と、公共交通機関で通うのが難しいケースに限る
・事前に医師に相談をして、タクシーでの通院が必要だという点を診断書に書いてもらう
・領収書の提出が必要

定期券代や駐車場の料金も交通費として請求できる?

元から通勤や通学のために、定期券などが必要であれば、その分の交通費は請求できません。

しかし、事故にあったせいで移動手段を変更せざるを得なくなったときには、請求が認められています。

たとえば、徒歩や自転車で会社や学校に通っていたものの、事故のケガによってその手段がとれなくなったときなどです。

公共交通機関の運賃や車のガソリン代、駐車場代といったものは請求の対象となります。

ただ、加害者側の保険会社と揉めてしまわないためにも、事前に連絡をしておいたほうが無難です。

タクシー代については請求することが難しいものの、医師からタクシーの利用が必要であると診断されれば認められるケースもあります。

この場合も、保険会社に事前に伝えてから、請求を行いましょう。

家族の付き添いやお見舞いの交通費は請求できる?

事故によるケガの程度によっては1人で通院するのが難しく、家族の付き添いが必要な場合もあります。

また、入院をして家族がお見舞いに来ることもあるでしょう。

どちらの場合でも、必要に応じて家族の分の交通費も請求できます

ただ、付き添いの必要性は被害者の年齢やケガの程度、医師の指示など客観的な判断が必要です。

被害者だけでは入院生活が困難だったり、高齢者や障害者であったりする場合に、付添人の交通費も請求できます。

お見舞いについても、交通費を加害者側に請求できる場合があるものの、数ヶ月の入院が必要といったケースに限られる点に注意しておきましょう。

事故の被害者以外の交通費として請求できる範囲は、基本的に被害者本人の通院交通費と同じとなります。

入通院のためにかかった交通費の請求は、通院交通費明細書という書類を書いて、保険会社に提出すれば問題ありません。

通院交通費明細書には、通院期間・移動手段・区間・往復距離数・往復料金・病院名などを記入します。

ただ、移動手段によっては領収書も必要になるので注意しておきましょう。

移動手段ごとに領収書の有無をまとめると、以下のような表になります。

移動手段 領収書の有無
公共交通機関(電車・バスなど) 不要
タクシー 必要
バイク・自転車 駐車場や駐輪場の領収書が必要
自家用車 基本的に不要だが、距離を示す書類が必要。高速道路を利用したときの領収書、ETC搭載車の場合はクレジットカードの利用明細書など

保険会社とトラブルになる前に弁護士へ相談しよう

通院のための交通費は基本的に請求ができるものの、タクシーや高速道路の利用などで相手方の保険会社と揉めてしまうこともあります。

保険会社とのやりとりでトラブルが起こるのを避けるためには、事前に相談をしておくのが無難です。

ただ、保険会社とのやりとりがうまくいかない場合には、弁護士に相談をするのも1つの方法だと言えます。

交通事故事案に詳しい弁護士に相談をすれば、保険会社とのやりとりを安心して任せられます。

交通事故とケガの因果関係を証明するのが難しいと感じるときには、弁護士のサポートを受けてみることが大切です。

また、通院交通費に関することだけでなく、慰謝料の請求などについても適切なアドバイスが受けられるので治療に専念しやすくなります。

まとめ

交通事故で負ったケガの治療のために通院をするときには、かかった交通費を加害者側に請求できます。

移動手段によって取り扱われ方が異なるので、事前に保険会社に確認しておくことが必要です。

しかし、保険会社によってはきちんと対応してもらえないなどのトラブルも起こるため、1人で悩んでしまう前に交通事故事案に詳しい弁護士に相談をしてみましょう。

保険会社とのやりとりがスムーズになり、慰謝料の請求などのサポートも受けられます。

充分な補償を受け取るためにも、早めに相談することが大切です。

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