2020.6.1 更新

交通事故における仮渡金とは?受け取れる金額と申請方法

交通事故の被害者は加害者から治療費や慰謝料など損害賠償を受け取れます。

しかし実際に金銭を受け取れるのは、治療・事故示談が終わってから、つまり交通事故にあって数ヶ月以上経ってからであることが通常です。

それまでの間、被害者は治療費などの出費がかさむだけでなく、仕事を休むようなことがあれば収入が減るケースもあり、生活が苦しくなってしまうこともあります。

そうしたときに役立つ制度として、自賠責保険の仮渡金の仕組みがあります。

仮渡金を利用すれば、当面の出費に関する悩みをうまく解消することも可能です。

自賠責保険の仮渡金とは?仮渡金請求と本請求との違い

仮渡金とは、交通事故の被害者を救済するための仕組みであり、自賠責保険の制度です。

被害者は将来受け取る損害賠償金の一部を先に支払ってもらえるため、治療費や葬儀費などの支払いに充てられます。

自動車損害賠償法(自賠法)の第17条で定められている制度なので、必要に応じて利用してみましょう。

【自動車損害賠償法第17条】被害者に対する仮渡金
保有者が、責任保険の契約に係る自動車の運行によって他人の生命又は身体を害したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、政令で定める金額を第16条第1項の規定による損害賠償額の支払のための仮渡金として支払うべきことを請求することができる。

仮渡金の基本的な仕組み

自賠責保険の仮渡金は、示談交渉前に申請でき、被害者自身が保険会社に対して直接請求します。

提出書類に問題がなければ、1週間程度で支払いを受けることが可能です。

本請求では損害額が確定してから全額が支払われるのに対して、仮渡金は損害額の一部を先に受け取る仕組みとなっています。

また、あくまでも仮に算出された金額であるため、最終的な損害額よりも仮渡金のほうが多かったときには、後から差額分を返金する必要があります。

請求できる回数も1回だけとなっているので、請求するタイミングを見極めることも大切です。

仮渡金請求と本請求の違い

仮渡金を正しく請求するためには、本請求との違いを押さえておく必要があります。

仮渡金請求と本請求を比較すると、以下のようになります。

仮渡金請求 本請求
請求権者 被害者 加害者もしくは被害者
請求できるタイミング 損害賠償額の確定前で、治療費などの費用が発生したとき 損害賠償額の確定後
請求可能な回数 1回 1回
損害の範囲 人的損害のすべて 人的損害のすべて

本請求においては損害額が確定してからの支払いとなりますが、仮渡金請求では損害額が確定する前に支払いを受けられます。

本請求とは異なり、仮渡金請求では被害者自身が保険会社に対して、直接請求するのも特徴です。

請求できる回数や損害として認められる範囲は、どちらの仕組みも同じとなっています。

また、これらの他にも2008年までは内払金という仕組みも存在していました。

内払金とは、ケガの治療が長引いてお金に困っている人に対して10万円以上を支給するものであり、支給の合計額は120万円までとなっていました。

支払回数に制限はなく、治療費や休業損害を請求できた仕組みです。

内払金は損害賠償の内払いといった意味を持つもので、任意保険の対人事故について、示談が成立する前でも請求可能となっていました。

仮渡金で受け取れる金額はいくら?ケガの程度によって金額は異なる

仮渡金で受け取れる金額は自賠法施行令第5条によって、被害の程度によって決められています。

支払われる金額を表にまとめると、以下の通りです。

被害の程度 支払われる金額
死亡 290万円
重傷(脊髄損傷など、入院14日以上かつ治療30日以上を要する場合) 40万円
中程度のケガ(脊柱骨折など、入院14日以上もしくは治療30日以上を要する場合) 20万円
軽傷(治療11日以上を要する場合) 5万円

仮渡金の請求は1回にかぎられており、あくまでも仮払いなのが特徴です。

最終的な保険金額よりも仮渡金のほうが多かった場合には、自賠責保険会社から返還を求められることもある点に気をつけておきましょう。

手続きは難しくない!仮渡金の申請方法

仮渡金をスムーズに受け取るためには、申請方法についても押さえておく必要があります。

請求先は加害者側の自賠責保険会社となり、被害者自身が直接手続きを行います(被害者請求)。

保険会社に連絡をして、まずは被害者請求用の書類を取り寄せましょう。

必要事項を記入して返送すれば、申請から1週間程度で仮渡金の支払いが受けられます。

申請に必要となる書類は、次の通りです。

・保険会社から取り寄せた申請書
・交通事故証明書(人身事故にかぎる)
・事故発生状況報告書
・印鑑登録証明書
・医師が作成した診断書

死亡事故の場合は、死亡診断書や戸籍謄本が必要です。

また、代理人が請求するときには委任状も必要になります。

速やかに支払いを受けるためにも、申請前に書類の不備がないかをきちんとチェックしておきましょう。

まとめ

交通事故の被害にあうと、治療費などさまざまな出費に悩まされてしまうものです。

また、ケガの影響によって仕事を休まなければならないときには、収入も減るため生活が苦しくなってしまうでしょう。

損害賠償金の受け取りは示談成立後となってしまうので、必要に応じて仮渡金の制度を利用することが大切です。

損害賠償金の一部を先に受け取れるので、お金に関する悩みを解消できます。

申請を行えば1週間程度で支払われるため、生活の立て直しに役立てられるはずです。

仮渡金以外に慰謝料請求などで加害者側と揉めてしまったときには、交通事故事案に詳しい弁護士に相談をしてみるのも1つの方法です。

交通事故に関する悩みを1日でも早く解消して、安心できる暮らしを取り戻しましょう。

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