2020.6.11 更新

交通事故の慰謝料は途中払いができる?手続き方法と注意点

交通事故示談前に慰謝料の一部でも先に受け取りたい

交通事故の被害にあったときには、経済的にも大きなダメージを受けるケースもめずらしくありません。

ケガをしたせいで仕事ができない、治療費の支払いで家計が圧迫されている……といった悩みを抱えている方もいるでしょう。

実は、自賠責保険や任意保険には、慰謝料の一部を前倒しで受け取れる仕組みがあります。

これらの仕組みを使えば最終的な慰謝料額が確定していなくても、途中払いを受けることが可能です。

仮渡金などの仕組みをうまく活用することで、治療中の経済的な負担を減らせます。

この記事では、仮渡金を請求するときの具体的な手続き方法や限度額、請求時に気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。

慰謝料を受け取るまでの基本的な流れ

交通事故から慰謝料を受け取るまでは、示談成立までスムーズに進んだ場合でも6ヶ月程度の時間を見込んでおく必要があります。

実際に慰謝料が支払われるまでの流れは、ケガの程度や治療の進み具合、相手方の保険会社の対応などによっても変わってきますが、一般的には次のような流れとなります。

<画像 事故から示談までの流れを示した図>

交通事故にあって最初にすることとは、「ケガの診断と治療」です。

このときに注意したいのが、
ケガが完治するまで
後遺障害が残っているときは後遺障害等級認定まで
加害者側と示談交渉をしないこと。

よくあるのが、時に加害者側から「すぐにお金を払うので済ませてくれないか?」のようなケースです。

事故時はケガがないように感じられても、あとになって「むちうちになっていた」といったケースは決して少なくありません。

一度合意すると、変更は困難です。事故現場での示談交渉は避けましょう。

ケガの完治もしくは症状固定(治療を継続しても症状の改善が見られない状態)となったら、相手方の保険会社との示談交渉に入ります。

ケガの治療は程度や個人差によりますが、数ヶ月、後遺障害認定の申請が必要な場合はさらに2ヶ月程度かかります。

示談交渉に入ったとしても、示談の成立までに3ヶ月くらいの期間は見ておく必要があります。

もしも、示談交渉が折り合わずに裁判になった場合には、最終的な決着がつくまで年単位の時間がかかるケースもあります。

慰謝料を受け取るまでに時間がかかってしまえば、治療費の支払いなどでお金が足りなくなると不安に感じてしまうこともあるものです。

そうしたときに活用したいのが、慰謝料の途中払いを受けられる制度です。

自賠責保険・任意保険それぞれで、慰謝料を前倒しで仮払いしてもらえる仕組みがあります。

お金の問題に不安を抱えていると、ケガの治療にも集中できなくなってしまうので、必要に応じて制度を活用してみましょう。

仮渡金とは?慰謝料を前払いで受け取る方法と注意すべきポイント

自賠責保険の仮渡金とは、自賠責保険において慰謝料の一部を前倒しでもらえる制度です。

被害者請求(被害者自身が保険金の請求を行う手続き)と比べて、迅速にお金を支払ってもらえるというメリットがあります。

仮渡金制度の根拠となっているのは、自動車損害賠償法(自賠法)の第17条です。

【自賠法第17条】
保有者が、責任保険の契約に係る自動車の運行によって他人の生命又は身体を害したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、政令で定める金額を第十六条第一項の規定による損害賠償額の支払のための仮渡金として支払うべきことを請求することができる。

仮渡金を受け取るときの手続きや注意点について見ていきましょう。

仮渡金の手続き方法

仮渡金の特徴は本請求に比べると手続きが簡単で、支給までのスピードが速いこと
被害者請求ではさまざまな書類を必要とするため、時間がかかりがちになります。

一方、仮渡金の場合は必要な書類はそれほど多くはなく、以下の書類を準備すれば手続きが行えます。

・支払請求書
・交通事故証明書
・事故発生状況報告書
・診断書

これらの書類を用意して、相手方の自賠責保険会社に直接請求を行うと、1週間~10日程度で仮渡金が支払われます

慰謝料や休業損害などのように細かな計算をする必要がないため、早めに支払ってもらえるのが大きなメリットです。

仮渡金を受け取るときの注意点

仮渡金を受け取る場合、いくつか注意点があります。

特に気をつけなければならないのは、限度額が決まっている点であり、受け取れる金額をまとめると以下のようになります。

被害の程度 支払われる金額
死亡 290万円
重傷(脊髄損傷など、入院14日以上かつ治療30日以上を要する場合) 40万円
中程度のケガ(脊柱骨折など、入院14日以上もしくは治療30日以上を要する場合) 20万円
軽傷(治療11日以上を要する場合) 5万円

※自賠法施行令第5条によって、支払われる金額が決まっている。

すべての治療費や生活費をカバーできるとはかぎらないので、注意が必要です。

また、請求できるのは1回のみであり、あくまでも仮払いであるため、最終的な保険金額よりも仮渡金のほうが多かったときには返還を求められることもあります。

そして、相手方の保険会社が一括対応(治療費などの支払いを一括して取り扱う)を行っている場合には、仮渡金が利用ができない点も押さえておきましょう。

治療費や休業損害なら任意保険から受け取りも可能

自賠責保険だけでなく、任意保険でも損害賠償金の一部を前倒しで支払ってもらうことは可能です。

「仮渡金だけでは足りない」という方は、任意保険の先払いを利用することも検討しましょう。

示談交渉前であれば加害者側の任意保険から、治療費や休業損害の先払いを認めてもらえるケースも多いのです。

治療費や交通費は実費であり、休業損害についても収入がなくなっていることが明らかな状況といえますので、先払いも比較的認められやすいです。

ただ、任意保険による先払いはあくまでも仮払いであるため、示談交渉の場面において必要性を疑われてしまう可能性もあります。

任意保険による先払いは、自賠責保険のように法律によって決められている権利ではない点に注意をしておきましょう。

支払いを認めてもらうためには、粘り強い姿勢で示談交渉を進めていく必要があります。

また、被害者自身が加入している任意保険から先払いに応じてもらえるケースもあります。

人身傷害保険などのオプションが付いているときには、示談交渉前に慰謝料などを受け取ることが可能です。

支払条件や限度額などは約款(やっかん)で決められているので、あらかじめきちんとチェックしておきましょう。

まとめ

事故にあってからの治療費の支払いや生活費に不安があるときには、自賠責保険で慰謝料の一部を前払いしてもらうことで、負担を軽減できる可能性があります。

また、任意保険でも前払いが受けられるケースがあるので、必要に応じて保険会社と交渉してみましょう。

スムーズに交渉を進めるためには、交通事故案件に詳しい弁護士に相談するのが1つの方法です。

保険会社とのやりとりを任せられるため、安心してケガの治療に専念できます。

費用面での不安を少しでも減らすためにも、弁護士のサポートを受けて前払いの仕組みをうまく活用しましょう。

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