2020.10.17 更新

バスやタクシーに乗車中に交通事故にあった場合の慰謝料請求

交通事故の被害者となってしまうのは、自分で運転をしているときばかりとはかぎりません。

バスやタクシーなどに乗っているときにも、被害にあってしまう場合もあります。

通常の交通事故と比べて、「バスにぶつけられた!慰謝料の請求に影響はあるのか」「タクシーの場合は運転手に請求できる?」といった点が気になる人もいるでしょう。

バスやタクシーとの事故にあった場合の慰謝料請求は、原則として所属しているバス会社やタクシー会社に請求を行います。

とはいえ、バス会社やタクシー会社に対して、被害者が1人で示談交渉をするのに不安を感じてしまうことも多いはず。

そこでこの記事では、バスやタクシーの乗車中にあってしまった交通事故について、慰謝料請求のポイントを解説していきます。

バスやタクシーの乗車中に事故にあったら慰謝料の請求ができる

交通事故の被害者となるのは、運転中や徒歩で移動中の場合だけとはかぎらないものです。

バスやタクシーに乗っているときに、事故に巻き込まれてしまうケースもあります。

乗車中にケガをしたときには、慰謝料の請求が可能です。

なぜなら、交通事故における慰謝料とは、事故に対する精神的なダメージへの補償だからです。

ただ、慰謝料の請求先は事故の状況によって異なるので、それぞれのケースで押さえておく必要があります。

バス会社やタクシー会社だけに過失があるケース

乗車しているバスが赤信号で停車中の車に衝突したり、青信号を歩行中にタクシーと接触したなどの事故があります。

このようなケースでは、バス会社やタクシー会社に100%の過失があると判断されるため、慰謝料などの請求は運営会社に対して行います。

バスやタクシーの運転手には乗り物の運転に対する責任があるものの、雇用先である運営会社にも安全な運行を維持する責任があるからです。

慰謝料などの損害賠償金の支払いは、運営会社が直接行うのではなく、加入している保険会社から支払われる形となります。

相手方のドライバーだけに過失があるケース

バスやタクシーが信号待ちで停車をしているときに、後ろから車に追突されたというようなケースでは、相手方のドライバーに責任があります。

このケースでは乗客だけでなく、バスやタクシーの運転手や運営会社も被害者となるのです。

そのため、慰謝料などの請求は相手方のドライバーに対して行います。

加害者側が支払いに応じてくれないからといって、運営会社に請求することはできない点に注意をしておきましょう。

バス会社・タクシー会社と相手方のドライバーの双方に過失があるケース

バスやタクシーに乗車中の事故では、バス会社・タクシー会社と相手方のドライバーのどちらにも過失があるというケースが多いです。

このようなケースでは、乗客はバス会社・タクシー会社と相手方のドライバーのそれぞれに慰謝料の請求ができます。

乗客の視点でとらえたときには、乗客は被害者であり、加害者はバス会社・タクシー会社と相手方のドライバーとなるからです。

どちらの加害者に慰謝料を請求するかは被害者の自由であり、相手方のドライバーの対応が不誠実な場合には、バス会社・タクシー会社に請求をするのが一般的でしょう。

注意点として、自賠責保険は限度額が120万円と決まっています。そのため、複数の加害者が存在し慰謝料や治療費が高額になるときは、加害者それぞれから請求するのも方法です。

慰謝料の計算方法と金額の目安

加害者側に請求できる慰謝料は、年齢・性別・職業で変わりはなく、治療期間の長さなど被害の大きさによって決まります。

また、慰謝料を計算する基準は自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士基準(裁判基準)の3つがあり、金額も大きく異なってきます。

それぞれの慰謝料額の違いを比較すると、以下の通りです。

通院期間 自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準(裁判基準)
1ヶ月 8.4万円 12.6万円 28万円
3ヶ月 25.2万円 37.8万円 73万円
6ヶ月 50.4万円 64.3万円 116万円

※ひと月の通院回数は10回として算出
※任意保険基準は推定
※弁護士基準(裁判基準)は日弁連「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準2020年版」参照

3つの基準を見比べると、自賠責保険基準が最も低く、弁護士基準(裁判基準)が一番高いことがわかります。

任意保険基準は保険会社によって異なりますが、自賠責保険基準とそれほど変わらないのが特徴です。

慰謝料のほかに請求できる損害賠償の項目

交通事故の被害者となったときに請求できる損害賠償は、慰謝料だけではありません。

慰謝料は事故による精神的なダメージに対する補償であるため、それとは別に財産的な損害(交通事故が原因で発生した費用)に対しても賠償請求ができます。

被害者が請求可能な損害賠償の主な項目としては、以下が挙げられます。

請求できる項目 内容
慰謝料 事故で受けた精神的なダメージに対して支払われる補償
治療費・入院費 治療にかかる費用、入院雑費なども含まれる
通院交通費 通院のために電車やバス、タクシーなどを利用したときの交通費
通信費 通話代など
修理代 車両の修理にかかった費用
(レッカー代や代車等の費用も含む)
付添看護費 入通院で付添人が必要な場合に認められる費用
器具等購入費 治療や後遺症が残った際にかかる費用
(車椅子・松葉杖など)
家屋等改造費 自宅をバリアフリー化するなど、事故が原因での改築などの費用
物損費用 事故が原因で破損したものの費用
葬儀関係費 葬儀に関する費用
休業損害 事故の影響で仕事を休まざるを得なくなったときに、減収分に対する補償
逸失利益 事故にあわなければ将来的に得られたはずの経済的な利益に対する補償

それぞれの項目については、実際にどの程度の損害があったのかを示す証拠書類が必要になります。

ケガの治療のために通った病院から渡される明細書や乗り物を利用したときの領収書などは、きちんと保管をしておきましょう。

領収書が発行されないものについては、用途や金額をメモに残しておくことが大切です。

加害者側に請求できる損害賠償の項目を把握して、適正な補償を受けましょう。

事故の相手方に慰謝料や損害賠償を請求する方法

交通事故の加害者に対して、慰謝料などの損害賠償請求を行うタイミングは、完治もしくは症状固定(治療を継続しても改善が見られない状態)となってからにしましょう。

なぜなら、損害賠償額には治療期間が影響するためであり、治療が完了しないまま示談交渉を進めても適正な補償を受けられないからです。

そのため、相手方の保険会社から治療の打ち切りを打診されても、医師の指示に従って治療を続けることが大切だと言えます。

また、治療を継続しても完治せずに後遺症が残ってしまうときには、後遺障害認定の申請手続きを行いましょう。

単に後遺症が残ってしまっても、事故との因果関係が曖昧であるため、損害賠償額にうまく反映されない場合もあります。

後遺障害認定を受けることで、症状と事故との関係が明らかになり、等級に応じて必要な補償を受けられます。

そして、最終的に受け取れる損害賠償金は示談交渉の流れによっても決まってくるものであるので、粘り強く交渉していく姿勢をとることが重要です。

1人で悩む前に示談交渉に詳しい弁護士のサポートを受けよう!

交通事故の被害者となってしまうと、事故後の対応からケガの治療、示談交渉までを対応しなければなりません。

バス会社やタクシー会社、相手方のドライバーや保険会社とのやりとりを被害者1人で進めるのは不安もあるでしょう。

保険会社から提示された示談金に納得がいかなくても、引き下がってしまうケースも多い被害者も多くいます。

だからこそ、被害者の立場で適切なサポートをしてくれる協力者を得て、きちんと示談交渉を進める必要があります。

交通事故事案に詳しい弁護士に相談をすれば、保険会社との面倒なやりとりや後遺障害認定の申請手続きなどをサポートしてもらえます。

また、弁護士基準(裁判基準)での請求が可能となるので、慰謝料が高くなる可能性もあるのです。

交渉のプロである保険会社とわたり合うためには、弁護士のサポートを得ることも1つの方法です。

まとめ

交通事故の被害にあってしまうのは、何も自分で運転をしているときばかりとはかぎりません。

バスやタクシーに乗っているときにも、被害者となってしまう場合もあります。

損害賠償の請求先は事故の状況によって違ってくるので、それぞれのケースで適切に対応していく必要があります。

また、慰謝料以外にも財産面で受けた損害に対して請求することが可能なので、損害額などを示す書類をきちんと保管しておきましょう。

加害者側の保険会社と1人で示談交渉を進めるのは、大変な面もあります。

悩みを抱えてしまう前に、交通事故事案に詳しい弁護士に早めに相談をしてみましょう。

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