2020.7.7 更新

交通事故で通院1ヶ月のケガ…軽傷でも慰謝料は請求可能!請求できる金額は?

「交通事故から1ヶ月…。慰謝料がどれくらいになるか知りたい」
「打撲のような軽傷でも慰謝料の請求は可能?」

交通事故によってケガを負うと、たとえ軽傷でも慰謝料請求は可能です。

ただし、権利があっても妥当な慰謝料について知っておかなければ、請求できません。
もしかするとすでに保険会社などから慰謝料を提示されていて、納得できないとお思いの方もいるかもしれません。

この記事では、通院1ヶ月のケガの慰謝料相場や計算方法、また保険会社への対処法なども紹介します。

交通事故から全治1ヶ月以内のケガでも慰謝料請求は可能!

慰謝料とは、他人から受けた精神的ダメージに対する損害賠償を指します。

交通事故でいえば、被害者は事故によって
・その後の生活で恐怖や不安を感じる
・治療のため病院に通うことを余儀なくされる
などが精神的ダメージとして考えられるでしょう。

したがって、軽傷であっても慰謝料の請求は可能です。

誤解されがちなのですが、慰謝料は交通事故の損害賠償の一部であること。

交通事故の損害賠償は慰謝料の他にも
・治療費
・修理費
通院交通費
休業損害(仕事を休まざるをえなくなった場合に発生する損害)
などがあり、それぞれ個別に請求できます。

交通事故で通院治療1ヶ月…慰謝料はいくら?

事故後、通院や入院で負った精神的ダメージに対する慰謝料を「入通院慰謝料」といいます。

入通院慰謝料の算出には、通院・入院の期間や頻度が大きく左右されますが、「誰が計算するか?」によっても異なり、3つの基準が存在しています。

自賠責保険基準
自賠責保険とは、車の所有者が強制的に加入させられる保険です。
交通事故の被害者に対して最低限の補償を目的としており、もっとも低い基準額になります。

任意保険基準
任意保険基準とは、加害者が任意で加入している保険会社が独自に定めている基準です。それぞれの保険会社によって多少の金額のずれはありますが、自賠責保険と大きな差はないとされています。

弁護士基準(裁判基準)
過去の交通事故裁判の事例をもとに、日本弁護士連合会などが基準化したもの。
交通事故示談交渉を弁護士に依頼した時に適用され、原則として3つの基準では最も高額な慰謝料基準になっています。

では3つの基準で慰謝料を計算してみると以下のようになります。

■慰謝料の目安

通院期間 自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準
10日間
(通院回数3回)
約25,800円 約42,000円 約63,000円
20日間
(通院回数6回)
約51,600円 約84,000円 約126,000円
30日間
(通院回数8回)
約68,800円 約126,000円 約190,000円

※自賠責保険基準は2020年4月1日以降の基準で計算(通院1回につき4,300円)
※入院は考慮せず、通院のみ
※任意保険基準は推定
※むち打ち症等(軽い打撲・軽い挫創も含む)で他覚症状がない場合とする

自賠責基準は、通院回数によって計算するため(任意保険基準・弁護士基準は通院期間)、同期間内であっても通院回数が増えれば高額になる可能性はあります。

上表の通り、どの基準で計算するかによって慰謝料は大きく異なります。

中でも弁護士基準が最も高い基準のため、「弁護士が相手方に圧力をかけて高額な慰謝料を請求するのでは?」と思われたかもしれません。

しかし
・自賠責保険基準は法で定められた最低限の補償
・任意保険基準は加害者の保険会社が独自に定めた基準
・弁護士基準は過去の裁判例に基づいた基準
です。

決して、理不尽な金額を要求するのではないのです。
慰謝料を確実に受け取るためには?
ここまでお話ししたように、交通事故の慰謝料には一定の基準が定められています。

しかし請求をするには交通事故とケガとの因果関係を証明しなければなりません。そのためには、しっかりと医師の診断を受け、治療する必要があります。

慰謝料を請求するための治療のポイントは以下のとおりです。

1.医師による診断を受ける
2.適切な治療を継続的に受ける
3.完治または症状固定まで治療を続ける
それぞれ以下で詳しくお話ししていきます。

1.医師による診断を受ける

交通事故の慰謝料を適切なものにするためには、たとえ軽傷であっても医師による診断を受ける必要があります。

注意点としては、診断書を発行できるのは整形外科など病院の医師のみです。

整骨院・接骨院の先生は、厳密には医師ではなく、診断書は発行できません。そのため、交通事故によるケガはまず病院で治療を受けましょう。

また、診断時は医師に自覚症状をもれなく伝え、診断書やカルテに記載してもらう必要があります。

自覚症状を医師に伝えなかったり、遅れたりすると、事故との因果関係が証明できずに、慰謝料を含めた損害賠償を適切に行えない可能性があります。

2.適切な治療を継続的に受ける

交通事故とケガの因果関係が認められる条件に、「自覚症状に一貫性・連続性がある」とされています。

そのため、「すぐに治るから」といって通院をやめてしまうのは禁物です。
慰謝料に影響するだけでなく、しっかりと完治を目指すためにも、医師の診断に従い継続的に治療を受けるようにしましょう。

3.完治または症状固定まで治療を続ける

慰謝料の計算には、治療期間が重要なポイントになります。

そのため、医師から完治または症状固定と言われるまで治療は続けましょう。

「症状固定」とは、治療を継続してもそれ以上症状が良くならないという状態のことです。

治療費は基本的には加害者の保険会社が支払ってくれます。しかしもし、通院を中断した場合は、その時点で完治したと見なされて、治療費を打ち切られる可能性があります。

また治療を続けていても、保険会社から治療費の打ち切りを宣告されるケースもあります。

診断書やカルテなどの資料を保険会社へ提出し、まだ治療が必要なことを十分に訴える必要があります。

さらにいえば、こうした対応ができるよう、定期的に通院して担当医としっかりコミュニケーションを取り、自覚症状を診断書やカルテに詳細に記載してもらうよう心がけましょう。

後遺障害が残ってしまったら|後遺障害慰謝料などの請求を

交通事故によるケガで、後遺症が残ってしまうケースもあります。

このような場合、後遺障害の等級認定を受けることで入通院慰謝料とは別に

・後遺障害慰謝料
・逸失利益
を請求することができます。

後遺障害慰謝料とは

「後遺障害」とは、治療後にも残ってしまう「後遺症」のうち、交通事故によるものと医学的に証明され、労働能力の低下や喪失が認められるものを指します。

交通事故による後遺障害と認められた場合には、第1級~第14級までの等級が認定され、等級に応じた後遺障害慰謝料を請求できます。

通院1ヶ月のケガでも、「人目につく部位に傷跡が残った」「歯が欠けてしまい、差し歯にした」ようなケースであれば、後遺障害が認められる可能性はあります。

どの等級に認定されるかによって、慰謝料の金額は大きく変わるため、仕組みをしっかり理解しておきましょう。

逸失利益とは?

逸失利益とは、交通事故に遭わなければ、被害者が将来得られたはずの経済的な損失を指します。

事故前に収入があったことを前提ですが、後遺障害によって収入に影響が出ている場合は請求が可能になります。

通院治療1ヶ月の慰謝料を請求するために弁護士に依頼するのは大げさ?

交通事故の慰謝料は、弁護士に依頼すると弁護士基準で慰謝料が算出されます。

弁護士基準は、自賠責保険基準や任意保険基準よりも高い基準で定められており、より被害者の立場に沿った基準といえるでしょう。

とはいえ、「重症でもないのに依頼してもいいのか?」と思われる方もいるかもしれません。

慰謝料の金額は最終的に示談交渉によって決まるため、基準が定められていてもその通りにならない現実もあります。

もちろん、加害者から誠意ある謝罪と十分な慰謝料が支払われれば、当事者同士で解決すべきですが、交通事故示談にはトラブルが生じやすいのも事実です。

納得できる慰謝料にするためにも、弁護士に相談するという選択肢はもっておきましょう。

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