2020.9.8 更新

提示された過失割合に納得いかない!交通事故の裁判を起こす方法は?

交通事故では、当事者双方に過失が認められるケースも少なくありません。

ただ、過失割合については相手方の保険会社が提示してくるのが一般的でもあるため、お互いの意見に食い違いも生まれてくるものです。

場合によっては、過失割合を巡って裁判で争うことも検討する必要があります。

実際に裁判を起こすときには、裁判費用や具体的な手続きを把握しておくことが大事です。

この記事では裁判を起こすときのポイントや過去の判例に触れつつ、弁護士に依頼するメリットを解説していきます。

過失割合は誰が決める?損害賠償請求に与える影響

過失割合は、示談交渉もしくは裁判によって決まります。

加害者側への損害賠償請求にも影響を与えるので、安易に妥協してしまってはいけないポイントです。

どのような点に気をつけるべきかを解説していきます。

過失割合は示談交渉もしくは裁判で決まる

交通事故における過失の割合を巡っては、事故の被害者と加害者との間で意見が食い違ってしまうこともめずらしくありません。

実際に過失割合を決める方法としては、示談交渉か裁判の2種類の方法があります。

「警察の聴取を受けたから警察が決めるのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、警察はあくまでも事故状況を記録するだけです。

そのため、過失割合については当事者の間で話し合って決めていく必要があります。

示談交渉と裁判のポイントをそれぞれまとめると、以下の通りです。

●示談交渉
・示談交渉は当事者同士の話し合いで、過失割合を決める方法。
・相手方の代理人として、保険会社が過失割合を提示してくるケースが多い。
・被害者自身で対応しようとすると、交渉が難航する恐れもある。
●裁判
・保険会社から示された過失割合に納得できない場合、裁判を起こす方法もある。
・裁判では双方の言い分を裁判所が聞いたうえで、過失割合を決める。
・裁判は時間がかかるので、判決を待たずに和解に至るケースも多い。

過失割合が損害賠償に与える影響

被害者は加害者に対して損害賠償請求が行えますが、過失割合に応じて受け取れる損害賠償額にも違いが出てきます。

重大な事故であれば損害も大きくなるので、過失割合が異なるだけで影響も大きくなります。

たとえば、被害者の損害額が5,000万円だったケースを想定してみましょう。

被害者の過失割合がそれぞれ10%・30%だった場合、請求できる損害賠償額は以下の通りです。

被害者の損害額 被害者の過失割合 請求可能な損害賠償金
5,000万円 10% 4,500万円
5,000万円 30% 3,500万円

このケースだと、請求額に1,000万円もの差が出てしまいます。

どの程度の割合で過失相殺されるかによって、損害賠償額も大きく異なってくる可能性があります。

だからこそ、過失割合の問題は当事者同士で揉めてしまいやすいポイントでもあるのです。

示談交渉を進めるにあたっては、過失割合の基本的な捉え方を理解しておく必要があります。

裁判を起こすなら押さえておくべき【手続き・流れ・費用・期間】

示談交渉がうまくまとまらずに裁判を起こすときには、基本的な流れを把握しておく必要があります。

具体的な手続きや費用、どのくらいの期間がかかるのかについて見ていきましょう。

裁判の基本的な流れと必要な期間

裁判の基本的な流れと必要な期間についてポイントをまとめると、以下のようになります。

●訴状の提出
裁判は、裁判所に訴状を提出することで始まります。訴状が受理されてから、裁判所は相手側に訴状を送り、1回目の口頭弁論の期日を決めます。
●口頭弁論
訴状を提出してからおよそ1~1ヶ月半後に1回目の口頭弁論が開かれます。その後は月1回程度のペースで口頭弁論が開かれ、当事者双方の主張や反論が出尽くして、争点が明確になるまで続けて行われます。
●和解勧告
裁判というと判決が出るまで争うというイメージを持たれがちですが、裁判所が途中で和解勧告を行うケースもあります。和解が成立すれば、その時点で過失割合が決まります。なお、和解に至るまでには、裁判を起こしてから6ヶ月~1年程度かかるのが一般的です。
●和解が不成立となる場合
和解がまとまらないときには、裁判所の判決を待つことになります。判決が出るまで争う場合、裁判を起こしてから決着までにトータルで1年~1年半程度はかかる点も押さえておきましょう。判決が出ても内容に納得できず、控訴や上告をする場合は、さらに時間が必要となります。

裁判にかかる費用

裁判を行うためには、あらかじめ決められた費用を裁判所に納めなければなりません。

具体的には、収入印紙代と郵便切手代であり、次のように決められています。

●収入印紙代
・訴状や申立書に添付する収入印紙の費用。
・必要な印紙代は、裁判で請求する金額(訴額)によって異なる。
・たとえば、訴額が100万円の場合は1万円、500万円で3万円、1,000万円では5万円など。
●郵便切手代
・裁判所から送る郵送物に必要な郵便切手代。
・金額の目安は、被告1人あたり6,000円程度。
・加害者の数が複数の場合には、人数分が必要となる。

実際に裁判費用を負担するのは、敗訴した側であるのが原則となっています。

請求の一部が認められた判決の場合には、裁判所の裁量で負担の割合を決めることになります。

また、裁判手続きを弁護士に依頼する場合には、弁護士費用(着手金と成功報酬)が別に必要です。

金額は弁護士事務所によってさまざまですが、なかには着手金ゼロで成功報酬型としている事務所もあります。

弁護士費用についても、裁判で勝訴すれば加害者側に負担させることができます。

過失割合について争った具体的な判例

過失割合について詳しく理解するために、過去の具体的な判例を押さえておきましょう。

判決のポイントや過失割合について、2つの判例を紹介します。

判例1:車対自転車の事故【大阪地裁・平成19年4月26日判決】

赤信号の状態で横断歩道を渡ろうとした自転車(被害者側)と、直進してきた自動車(加害者側)が衝突したというケースです。

加害者にも無免許運転であったという事情があったものの、被害者が酩酊状態で自転車に乗っていたこと、信号無視があったこと、夜間にもかかわらず無灯火で走行していたことといった事情を考慮して、最終的な過失割合は35:65(車:自転車)となりました。

なお、車対自転車の事故では「車:自転車=80:20」という過失割合が一般的です。自転車側にも重い過失が認められた結果、大幅に損害賠償額の減額が行われたことがわかります。

判例2:車対歩行者の事故【大阪地裁・平成19年3月28日判決】

赤信号を無視して横断歩道を渡ろうとした歩行者(被害者側)が、直進してきた自動車(加害者側)と衝突したというケースです。

裁判所は前方不注意があったなどとして自動車側の過失を認定したものの、歩行者用信号が赤であったこと、現場が幹線道路であったことから歩行者側の重大な過失を認定しました。

最終的な過失割合は45:55(車:歩行者)と、歩行者側の過失割合が大幅に引き上げられています。

このように、被害者側が信号無視などの交通ルール無視をしていたような場合などでは、車対歩行者の事故であっても被害者側の過失割合が認められる可能性があります。

難しい交渉や裁判は弁護士に依頼をするほうがスムーズに進む

過失割合に納得がいかないときには裁判で争えますが、1人で裁判に取り組むにはハードルが高い面もあります。

裁判所には独特な雰囲気がありますし、実際の口頭弁論では相手方の厳しい反対尋問にもさらされるものです。

よほど法律的なやりとりに慣れていない場合、自分の主張をうまく言えないケースもめずらしくありません。

そのため、示談交渉や裁判に慣れた弁護士がついていれば、心強さを感じられるはずです。

交渉力に長けた弁護士に依頼をすることで、適切なアドバイスを受けられるだけでなく、裁判の手続きや示談交渉そのものも任せられます。

弁護士に依頼するためにはお金がかかりますが、着手金をゼロとしている弁護士事務所も増えています。

弁護士に任せることで弁護士基準(裁判基準)が適用されるので、損害賠償額が増える可能性もあります。

成功報酬型の弁護士事務所であれば、受け取った損害賠償金の中から費用を支払うことになるので安心です。

過失割合の交渉は難しい面もあるため、1人で悩んでしまう前に交通事故事案に詳しい弁護士に相談をしてみましょう。

まとめ

過失割合を巡っては、当事者双方の意見が食い違うことも多く、自分の主張を通すためには粘り強い交渉が必要になります。

そのため、保険会社の言い分にどうしても納得できない場合は、裁判を起こすことも検討しなければなりません。

事故による損害が大きいほど、過失割合がどうなるかは最終的な損害賠償金にも影響を与えます。

過失割合の基準は過去の判例などによって目安が決まっているものの、弁護士に依頼をすることで個別の事情を細かく反映させた交渉を進められるでしょう。

有利な条件で示談交渉や裁判を進めていくためにも、早い段階で相談することも大切です。

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