2020.9.8 更新

バイクと自動車の交通事故はどうなる?バイク事故における過失相殺

バイクを運転中に自動車との交通事故を起こしてしまったときには、適切に損害賠償請求を行うためにも、過失割合がどうなるのかを把握しておく必要があります。

事故に対する当事者双方の責任の度合いによって、過失割合は決められるものです。

バイクは自動車よりも車両が小さいので、一般的には過失相殺(被害者の過失によって減らされる損害賠償金)となる範囲も狭くなります。

この記事では、バイク事故における過失相殺について詳しく解説していきます。

自動車との事故ではバイクが有利になる?過失割合の捉え方

過失割合とは、交通事故の当事者である加害者と被害者との間で、事故原因に対する責任の度合いを決めたものを指します。

一般的には加害者側の保険会社が過失割合を打診してくるケースが多く、示談交渉における話し合いによって決められます。

被害者自身が任意保険に入っていれば保険会社同士での話し合いとなりますが、バイクの場合は任意保険への加入率も低く40%程度しかありません。

そのため、加害者が保険に入っていないときには、被害者自身が加害者側と直接話し合いを進めていくことになります。

また、バイク同士の事故のケースでも、自動車同士の事故と同じように過失割合を決めていきます。

ただ、加害者が自動車を運転していた場合には、バイクを運転していた被害者の過失割合は低くなります(優者危険負担の原則)。

これはバイクよりも自動車のほうが車両のサイズが大きく、その分だけ危険を回避するための責任を負う必要があるからです。

つまり、損害賠償請求においては、バイクを運転していた被害者側が有利になる点を押さえておきましょう。

過失割合は事故状況によって違う!相手が自動車を運転していた場合

交通事故における過失割合は、過去の判例などから基準がある程度決まっています。

バイク事故のケースでは「単車修正」と呼ばれるものがあり、バイクは自動車よりも車体が小さいので事故に対する回避能力が低いと考えられています。

一般的にはバイクを運転している側の被害が大きくなるため、過失割合は低くなる傾向にあります。

事故状況によって過失割合は異なってくるので、それぞれのパターン別に見ていきましょう。

自分がどのパターンにあてはまるのかを把握しておくことで、過失割合の話し合いを進めやすくなるはずです。

■信号機のある交差点
●直進同士のケース

進入状況 バイク 自動車
バイク(赤)・自動車(赤) 0% 100%
バイク(赤)・自動車(青) 100% 0%
バイク(黄)・自動車(赤) 10% 90%
バイク(赤)・自動車(黄) 70% 30%
両方とも赤で進入 40% 60%

※日弁連交通事故相談センター東京支部 『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』(赤い本)参照。以下同じ。

●バイク右折・自動車直進のケース

進入状況 バイク 自動車
両方とも青で進入 60% 40%
バイク(青で進入して黄で右折)・自動車(黄) 20% 80%
両方とも黄で進入 50% 50%
バイク(青で進入して赤で右折)・自動車(赤) 10% 90%
バイク(黄で進入して赤で右折)・自動車(赤) 20% 80%
バイク(右折可の信号)・自動車(赤) 0% 100%
両方とも赤で進入 40% 60%

●バイク直進・自動車右折のケース

進入状況 バイク 自動車
両方とも青で進入 20% 80%
バイク(黄)・自動車(青で進入して黄で右折) 60% 40%
両方とも黄で進入 30% 70%
バイク(赤)・自動車(青で進入して赤で右折) 70% 30%
バイク(赤)・自動車(黄で進入して赤で右折) 50% 50%
バイク(赤)・自動車(右折可の信号) 100% 0%
両方とも赤で進入 40% 60%

■信号機のない交差点
●同じ道幅でバイク左方・自動車右方のケース

バイク 自動車
両方とも減速しない 30% 70%
バイク減速・自動車減速しない 10% 90%
バイク減速しない・自動車減速 50% 50%
両方とも減速 30% 70%

●同じ道幅でバイク右方・自動車左方のケース

バイク 自動車
両方とも減速しない 50% 50%
バイク減速・自動車減速しない 30% 70%
バイク減速しない・自動車減速 60% 40%
両方とも減速 50% 50%

■丁字路の交差点
●バイク直進・自動車右折のケース

バイク 自動車
道路の幅がほとんど同じ 20% 80%
直進道路が広い 10% 90%
自動車側に一時停止 10% 90%
優先道路を直進 10% 90%

●バイクと自動車の両方が右折中のケース

バイク 自動車
道路の幅がほとんど同じ 30% 70%
直進道路が広い 20% 80%
自動車側に一時停止 15% 85%
優先道路を直進 10% 90%

●バイク右折・自動車直進のケース

バイク 自動車
道路の幅がほとんど同じ 60% 40%
直進道路が広い 70% 30%
自動車側に一時停止 75% 25%
優先道路を直進 80% 20%

■交差点以外
●正面衝突・追突・巻き込みのケース

バイク 自動車
自動車がセンターラインを超えてきて正面衝突 0% 100%
バイクに自動車が追突 20% 80%
自動車にバイクが追突 60% 40%
巻き込み事故(自動車が左折するときに、後ろから直進してきたバイクと接触) 20% 80%

■その他のケース

バイク 自動車
バイクが優先道路 10% 90%
自動車が優先道路 70% 30%
バイクの一方通行違反 70% 30%
自動車の一方通行違反 10% 90%

裁判で争う可能性も?過失割合を巡る話し合い

交通事故における過失割合は、当事者双方の過失を明確にする必要があるため、基本的に示談交渉の場において決められます。

被害者が負った損害額が曖昧にならないためにも、事故による損害が確定(ケガの完治後・症状固定後・後遺障害の等級認定後)してから示談交渉を行いましょう。

バイク事故の場合は任意保険に加入していないこともあるため、その場合は保険会社のサポートが受けられません。

相手方の保険会社が提示する過失割合には、納得がいかないこともあるでしょう。

ただ、大きな事故となれば損害賠償額も高額となるので、安易に引き下がってしまってはいけません。

場合によっては、裁判を通じて過失割合について争うことも検討しておく必要があります。

しかし、被害者が1人で裁判の準備を行い、主張を通そうとするのは現実的に難しい面もあるものです。

示談交渉や過失割合に関する悩みは1人で抱え込んでしまわずに、弁護士に相談をする方法もあることを押さえておきましょう。

バイク事故は損害も大きくなりやすい!交通事故事案に詳しい弁護士に相談を

バイクによる交通事故のケースでは、被害者自身が任意保険に入っていないことも多いので、加害者側と直接話し合いを進める場合もあります。

ただ、双方の意見が食い違ってしまいトラブルになってしまうことも多いものです。

また、バイクと自動車の事故では被害も大きくなる可能性があります。

重大な後遺障害が残ってしまえば損害賠償額も高額になる傾向があり、加害者との間で過失割合を巡って争いになりやすいでしょう。

被害者として不利な状況に陥らないためにも、交通事故事案に詳しい弁護士に早めに相談することも大切です。

過失割合や損害賠償請求は法律上の問題でもあるので、弁護士のサポートを受けることで心強さを感じられます。

事故状況や個別の事情に沿って、適切なサポートやアドバイスを受けてみましょう。

そして、示談交渉だけでなく、後遺障害の認定手続きや裁判まで幅広く相談に乗ってもらうこともできます。

弁護士に依頼をすることで、弁護士基準(裁判基準)で慰謝料を含めた損害賠償請求が行えるので、納得できる解決策を見出せます。

まとめ

バイクと自動車の事故では損害も大きくなる傾向にあるため、過失割合については慎重に捉えておく必要があります。

損害賠償額が大きければ、過失割合のわずかな違いでも請求額に大きな差が生まれるものです。

ただ、過失割合を巡っては相手方と争いになってしまう場面もあるので、被害者1人で対応するのは難しい部分もあります。

示談交渉でのやりとりや過失割合に納得できないときには、交通事故事案に詳しい弁護士に相談をして、適正な金額の損害賠償請求を行いましょう。

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