2020.11.17 更新

実況見分とは?交通事故での過失割合に与える影響と対処法

交通事故の当事者となってしまったときには警察に通報する義務があり、怪我がある人身事故の場合に現場では実況見分が行われます。(物損事故の場合は行われません。)

実況見分は事故の処理と当事者双方に話を聞くことが目的であり、事故状況の詳しい内容が記録されることになります。

警察官との慣れないやりとりに不安を感じてしまわないためにも、実況見分の基本的な流れについて把握しておくことは大切です。

実況見分は被害者と加害者の立ち会いによって行われるものですが、どのような流れで進んでいくのかを理解しておきましょう。

この記事では、実況見分が過失割合や損害賠償請求に与える影響について、詳しく解説をしていきます。

実況見分はなぜ必要?行われるタイミングと現場検証との違い

実況見分とは?

実況見分とは、刑事訴訟法にもとづいた証拠集めの活動であり、警察によって行われるものです。

交通事故の原因が何であり、どのような状況になっているのかを記録します。

被害者・加害者にかかわらず、警察への通報はドライバーの義務であるため、事故直後にはすぐに警察に連絡をして、実況見分を行ってもらいましょう。

実況見分においては、警察官によって現場の写真撮影やブレーキ痕の測定作業、当事者や事故の目撃者から話を聞くといったことが行われます。

事故現場においては当事者間でやりとりをすると感情的になってしまいやすいので、被害者と加害者の声が届かない距離で別々に聴取されることになります。

そして、一連の内容をまとめた実況見分調書が作成されるのです。

調書に正確な内容を記載してもらうためにも、警察官が到着するまでに事故現場の写真撮影を自分で行うのも大事な証拠となるので、無理にない範囲で記録を残しておきましょう。

現場検証との違い

実況見分と現場検証は行われる内容自体は同じですが、令状の有無に違いがあります。

裁判所の令状がなく任意で行われるものが実況見分であり、令状のある強制的なものが現場検証です。

現場検証は事件性の高い場合に行われるものであるため、交通事故の場合においては実況見分となるケースがほとんどです。

なお、実況見分は国家公安委員会が定める犯罪捜査規範によって、警察官が捜査において守るべきとして決められています。

【犯罪捜査規範 第104条(実況見分)】
第百四条  犯罪の現場その他の場所、身体又は物について事実発見のため必要があるときは、実況見分を行わなければならない。
2  実況見分は、居住者、管理者その他関係者の立会を得て行い、その結果を実況見分調書に正確に記載しておかなければならない。
3  実況見分調書には、できる限り、図面及び写真を添付しなければならない。
4  前三項の規定により、実況見分調書を作成するに当たつては、写真をはり付けた部分にその説明を付記するなど、分かりやすい実況見分調書となるよう工夫しなければならない。

立ち会いでは何を聞かれる?すぐに立ち会えない場合の対処法

立ち会いで尋ねられる点

実況見分の立ち会いは、警察官が被害者と加害者の両方の意見を聞くために行われるものです。

ただ、初めて交通事故の被害者となってしまったときには、警察官から何を尋ねられるのか不安を感じてしまうこともあるでしょう。

事故現場の状況や証拠などを踏まえて実況見分調書が作成されることから、調書に書かれる内容については警察官から尋ねられると考えておいたほうがいいと言えます。

具体的にはハンドルを切ったりブレーキを踏んだりした位置、そのときの相手車両の位置などについて質問されます。

実況見分調書の主な内容をまとめると、以下のようになります。

・実況見分が行われた日時や場所(事故現場の住所)、天候
・立会人の住所・氏名・年齢・職業
・立会人による説明(ハンドルを切った位置・ブレーキを踏んだ位置・車両が接触した地点など)
・実況見分の経過、目的
・現場付近の様子(道路の幅・路面の状況・交通規制・信号機の有無・人家の状況など)
・事故車両の状況(車両のサイズ・登録番号・年式・パンクの有無・損傷箇所など)
・事故現場の見取り図

調書に書かれる内容は、過失割合などで後から揉めたときの重要な証拠となるので、事故状況を落ち着いて思い出して警察官に説明しましょう。

加害者との間で意見が食い違ってしまうこともありますが、安易に妥協せずに自分の主張を正しく伝えることが大切です。

また、立ち会いは加害者に直接質問ができる数少ない機会でもあるので、相手が職業ドライバーであればドライブレコーダーの有無などを尋ねてみると良いでしょう。

立ち会いは拒否できる?立ち会いができなかった場合の対処法

実況見分に立ち会うかどうかは任意となっていますが、実況見分調書の内容は損害賠償請求にも影響するので、示談交渉のことを考えれば立ち会ったほうが良いと言えます。

警察の視点でとらえれば、事故状況を把握するためには現場に残された証拠と事故の当事者や目撃者の話を聞くことでしか判断できないものです。

そのため、立ち会いをむやみに拒否してしまうと、加害者側に有利な実況見分調書が作成される恐れもあります。

ただ、事故でケガを負ってしまって救急車で搬送されて、すぐには立ち会えないこともあるでしょう。

そうしたケースでは、ひとまず加害者のみで実況見分が行われ、退院してから被害者のみの実況見分が行われることになります。

ケガの治療が最優先ですし、物損事故から人身事故に切り替えるときには医師の診断書を警察に提出する必要があるので、落ち着いて対応しましょう。

警察に診断書を提出することによって、被害者と加害者の双方が立ち会って改めて実況見分が行われます。

実況見分調書は過失割合に大きく影響する!悩む前に弁護士に相談を

サインをする前に調書の内容をきちんとチェック

警察官が職務として実況見分調書を作成するのは、交通事故が刑事事件に発展したときに検察の捜査や裁判で必要となるためです。

つまり、過失割合を決めるために調書を作成しているわけではありません。

ただ、被害者からすれば示談交渉や民事訴訟の場面において、実況見分調書は重要な意味を持ちます。

事故の被害者と加害者が、警察官に事故状況を説明して記録したものであるため、大事な証拠となるのです。

また、実況見分調書とあわせて、事故の当事者や目撃者からの証言をもとに供述調書も作成されます。

供述調書は必ずしも被害者に有利な内容となるわけではないので、サインをする前に調書の内容をよくチェックしましょう。

自分の記憶と調書の内容が異なるときには、その場で申し出てすぐに訂正してもらうことが大切です。

後から不利な立場となってしまわないように、安易にサインをしてしまわずに、正しい内容を盛り込んでもらいましょう。

過失割合は示談交渉によって決まる

交通事故における過失割合は、実況見分によって決まるわけではなく、最終的には相手方の保険会社との話し合いによって決まります。

実況見分調書の内容や過去に起きた同様の事故の判例にもとづいて、保険会社のほうから過失割合を提示してくるケースが多いでしょう。

ただ、個別の事情をきちんと反映していない場合もあるので、過失割合に納得ができないときには裁判で争う場合もあります。

過失割合は損害賠償金にも影響するため、当事者同士ではなかなか話がまとまらないことも多いです。

そのため、交通事故事案で実績のある弁護士に相談してみるのも、問題を解決する1つの方法です。

専門的な知識と交渉力を持った弁護士にサポートしてもらうことで、個別の事情を正しく反映させた損害賠償請求を行いましょう。

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まとめ

交通事故にあってしまったときには、すぐに警察に連絡をして実況見分を行うことが大切です。

事故の状況や自分の主張を正しく調書に盛り込んでもらうことで、加害者側から適正な補償を受ける流れを作りましょう。

ただ、事故の過失割合を巡っては加害者と争ってしまうこともあるので、交通事故事案に詳しい弁護士のサポートを受けることも重要です。

示談交渉など複雑なやりとりをすべて任せられるので、被害者にとって心強い味方となってくれるでしょう。

1人で悩んでしまう前に弁護士に相談をして、示談交渉をスムーズに進めてみてください。

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