2020.12.7 更新

後遺障害5級の認定基準|慰謝料相場についても解説

後遺障害5級の認定条件は?
認定されたらどのような補償がなされる?

交通事故の後遺障害は、その症状の度合いに応じて1〜14級の「等級」に区分されます。

この記事では、後遺障害5級の認定基準と慰謝料相場について説明します。

等級の基準は、自動車損害賠償保障法施行令で定められており、慰謝料についても等級に応じた限度額が決められています。

限度額はあくまで自賠責保険の基準にのっとったもので、弁護士に相談した場合の慰謝料はもっと高額になる可能性があります。

後遺障害の5級に該当するのか知りたい」「後遺障害5級の慰謝料相場が知りたい!」という方はぜひ参考にしてみてください。

後遺障害5級の認定基準と症状一覧

後遺障害5級は、後遺症が残った部位によって1〜8号という区分で認定されます。また、後遺障害の認定基準として重視されるのが、「労働能力喪失率」です。

労働能力喪失率とは、後遺障害を原因とする労働能力の低下度合を数値によって表したもの。

後遺障害5級の場合は79%と決められています。

これは、後遺障害のせいで労働能力が健常時の4分の1程度に低下した状態です。

後遺障害5級に認定された場合、自賠責保険基準の後遺障害慰謝料相場は419万円程度となっています

後遺障害 解説
1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの 片方の目が失明し、もう片方の目の視力も0.1以下となった場合
2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することが出来ない 労働能力の喪失率が79%。これは、健常な人の4分の1程度の労働能力しかないことを示す。
とくに簡単な労務以外の労働はできない状態。
3号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することが出来ないもの 胸腹部臓器に障害を負ったことにより、とくに簡単な労務以外の労働はできない状態
4号 1上肢を手関節以上で失ったもの 片方の腕について、肘と手首の間から先を切断し、または、手首の特定の骨と骨の間を切断した場合。
片方の足について足首と膝の間から先を切断し、または、足首の特定の骨と骨の間を切断した場合
5号 1下肢を足関節以上で失ったもの 片方の足について足首と膝の間から先を切断し、または、足首の特定の骨と骨の間を切断した場合
6号 1上肢の用を全廃したもの ・肩、肘または手の関節について強度の硬直
・障害のある手の運動稼働領域が健康な手の10%しかない場合
・肩、肘、または手の関節が完全まひの状態
など
7号 1下肢の用を全廃したもの ・股、膝または足の関節について強度の硬直
・障害のある足の運動稼働領域が健康な足の10%しかない場合
など
8号 両足の足指の全部を失ったもの ・両足の指すべてを失った場合。
親指に関しては、第一関節より先を失った場合だが、それ以外の指は第二関節より先の欠損であれば5級8号に該当する

後遺障害5級の慰謝料は?

後遺障害の慰謝料は、等級と、算定方法によって相場が異なります

等級が重いほど高額になるのは言うまでもないでしょう。

慰謝料は、どの基準を用いて算定するかによって大きな差が生じます。

とくに、自賠責保険基準と弁護士基準の差は大きいです。

以下の慰謝料相場表をみると、同じ5級の後遺障害でも慰謝料額に大きな差があることがはっきりとわかります。

自賠責保険基準 任意保険基準 裁判所基準
419万円 750万円 1400万円

※参考:自賠責保険基準と弁護士基準は、日弁連交通事故相談センター 東京支部「損害賠償額算定基準(2020年版)(通称・赤い本)」 ※任意保険基準は保険会社ごとに異なるので、あくまで推定です。 ※身体の他部位に後遺症が見られた場合などは、さらに慰謝料額が高くなる可能性もあります。

後遺障害の慰謝料は認定される等級によっても異なります。

自賠責基準または任意保険基準によって算出された慰謝料や、等級認定について納得がいかない場合は、弁護士に相談しましょう。

弁護士に相談することで、適切な等級認定を受けられたり、適正な額の慰謝料を請求したりできる可能性が高くなります。

後遺障害5級認定についておさえておきたいこと

後遺障害5級に認定されるには、いくつかのポイントを押さえておかなければなりません。そのポイントについて、これから詳しく説明していきます。

後遺障害5級の逸失利益とその計算方法

後遺障害の等級認定と逸失利益は切り離せない関係にあります。
認定された等級に応じて、逸失利益が算定されるからです。

逸失利益とは、後遺障害によって失われる将来的な労働上の利益をいいます。

健康体であれば稼げていたはずの金額を、逸失利益として算出して加害者に支払い義務をあたえるのです。

逸失利益の具体的な計算式は、以下のとおりです。

【逸失利益の計算式】
逸失利益=基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応する中間利息控除係数(ライプニッツ係数)

たとえば、年収300万円の25歳男性が後遺障害5級に認定されたとすると、逸失利益は

300万円×79%×17.4232=41,292,984円

と計算できます。

逸失利益について知りたい人はこちらの記事もご確認ください。

後遺障害5級の判例

ここでは、実際に後遺障害5級に認定されたケースの判例を紹介していきます。

過去の判例を知り、自分の事故と照らし合わせることで、慰謝料算定や後遺障害認定の考え方に基づいた論理的な主張が可能になります。

例:横浜地裁管轄内の交通事故訴訟
概要:加害車両である四輪車が、右折時の一時停止を怠ったために被害車両の二輪車に衝突した。被害者は5級の等級認定を主張していたが、加害者はこれを争った。被害者は十分な資料を提出するなど尽力した結果、主張どおりの高次脳機能障害の後遺障害5級が認定されるに至った。

加害者の主張を退けるためには、客観的な証拠力のあるデータをしっかりと集めることが重要だということがよくわかる事例です。もしも弁護士に依頼していなければ被害者に不利な判決が下されていたかもしれません。

通勤・業務中の事故の場合は労災年金がもらえる可能性も

通勤や業務中の事故で後遺障害5級以上の認定を受けた場合は、労災年金がもらえる可能性があります。

ただし、労災年金と、自賠責保険からの損害賠償金の二重取りはできないため、注意してください。

労災の障害等級が5級の場合の労災年金は、1年のうち184日分の所定の金額が給付されます。自賠責保険による損害賠償金と天秤にかけて、被害者にとって不満のないほうを選んでいきたいところです。

なお、7級以上の後遺障害で労災年金を受給する場合、被害者は年に1回は「定期報告書」を提出しなければいけません。

「定期報告書」によって症状が悪化または改善したことが明らかな場合は、後遺障害の等級が変更される可能性があります。

後遺障害等級認定を弁護士に依頼するメリット

後遺障害の5級は、「労働能力が79%喪失される」とみなされていることからも、事故によって重度の傷害を負った状態といえるでしょう。

そのため、慰謝料や逸失利益など補償額も大きくなります。

ただし、それだけ大きな補償からこそ、認定を受けるためには、
・傷害が交通事故によるものである
・所見や検査結果が詳しくきちん示す
ことが重要になります。

したがって後遺障害の等級認定は、交通事故示談に明るい弁護士のサポート受けることも選択肢に入れておきましょう。

ここでは、弁護士に依頼すると得られるの3つのメリットについて説明します。

・被害者に有利となる等級認定のサポートをしてくれる
・認定された場合の慰謝料の計算を弁護士基準でして貰えるため、自賠責保険基準や任意保険基準よりも高額な後遺障害慰謝料を得ることが可能
・後遺障害非該当になった場合の不服申し立て(再申請)のサポートもしてもらえる

後遺障害等級に認定されなかったことにに納得が行かない場合、不服申立てによる再認定を請求できますが、この手続きは非常に複雑です。

1回目の等級認定請求が認められなかった以上、再認定請求では、認定機関に考え直させるだけの材料を提示しなければなりません。

しかし、どういった材料が必要なのかを分からないまま、やみくもに時間と手間だけをかけたとしても、労力にに見合った結果が得られる可能性は低いと考えてよいでしょう。

弁護士に依頼すれば、面倒な手続きをすべてまかせられるうえに、適切な等級認定を受けられる可能性が高くなるでしょう。

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まとめ

交通事故の後遺障害に対して支払われる慰謝料の額は、等級に応じて変化します。

適正な慰謝料を受け取るためには、適正な等級認定が不可欠です。

弁護士に依頼することで、等級認定手続きのサポートだけでなく、適正な等級で認定されるための申請方法を教わることができます。

さらに、弁護士に依頼することで「弁護士基準による慰謝料額算定」という大きなメリットを享受できます。

弁護士基準で算定した慰謝料は、自賠責保険基準や任意保険基準で算定した慰謝料よりも高額になりやすく、被害者にとっては納得のいく結果につながりやすいでしょう。

また、労災年金という別の切り口からサポートしてもらえる可能性も高いため、悩む前にまずは一度、弁護士に相談してはいかがでしょうか。

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