2020.12.7 更新

交通事故の後遺症でめまいが…その原因と後遺障害の認定を受けるポイント

交通事故後にめまいがするように…これって後遺症?
めまいは後遺障害に認定される?

交通事故の後遺症で「めまい」に悩まされている人は多いのではないでしょうか。

骨折などのケガとはちがって目には見えない症状であるために、客観的な理解が得られにくいのが「めまい」の難しい部分です。

めまいが交通事故の後遺障害として認定されると、後遺障害慰謝料を受け取ることができます。

ここでは、めまいについて適切な等級認定を受けるためのポイントや症状の具体例について説明しています。

交通事故の後遺症でめまいを感じる要因と症状

交通事故の後遺症として「めまい」が残る人は珍しくありません。

めまいは「平衡機能障害」のひとつとして知られています。

人によって「ふわふわした感覚」や「ぐるぐると天地が回るような感覚」など症状はさまざまです。

めまいの種類 症状など 病名の要因の一例
定型性めまい ・周囲がぐるぐると回る感覚、床が傾斜して感じるなど。
・回転性めまいともいう。
・症状は軽くても長く続く傾向にある。
①良性発作性頭位めまい症
→内耳にある耳石が交通事故の衝撃のせいで半規管に入ってしまうことで発症
②リンパろう
→交通事故の衝撃により内耳のなかのリンパ液が漏れ出して、平衡感覚をつかさどる器官に影響を与えることで発症
非定型性めまい ・目の前が暗くなる感覚、体が宙にふわふわと浮いたような感覚など。
・足元がおぼつかない感覚をおぼえる人も多い。
・定型性めまいに比べると、重い症状として出やすい。

めまいの原因は、内耳や脳幹、小脳の機能障害とされていますが、目に見えない症状なだけに判断が難しく、慎重に検査を重ねる必要があります。

めまいは後遺障害として認定される?

後遺症とは、ケガなどの症状のうち「治療を続けても、良くも悪くもならない」とされる症状を指します。

後遺症と後遺障害は別もので、後遺症のうち、後遺障害の認定機関による等級認定をうけた症状のことを「後遺障害」といいます。

交通事故で「めまい」の後遺症が残った場合、めまいの程度によっては後遺障害として等級認定を受けることができます

後遺障害の等級は「自動車損害賠償保障法施行令別表」に定められており、めまいの場合は「神経障害」として認定を受けるケースが多いです。

神経障害についての等級は「14級10号」と「12級13号」とがあります。

それぞれの症状については以下の表を参考にしてください。

等級 症状 解説・補足あれば
14級10号 局部に神経症状を残すもの ・自賠責保険基準に基づく慰謝料額は32万円
・弁護士基準に基づく慰謝料額は110万円
12級12号 局部に頑固な神経症状を残すもの ・自賠責保険基準に基づく慰謝料額は93万円
・弁護士基準に基づく慰謝料額は290万円

また、交通事故が労災に該当する場合は、労働者災害補償保険法施行規則の「別表第一、障害等級表」を基準とする等級認定が可能です。

労災による等級認定において「めまい」の症状は下記表のとおり区分されています。

等級 症状 解説・補足あれば
14級9号 局部に神経症状を残すもの ・8万円が障害補償給付金として給付される(一回のみ)
12級12号 局部に頑固な神経症状を残すもの ・20万円が障害補償給付金として給付される(一回のみ)

たとえば、通勤時の交通事故などは労災による後遺障害の認定が可能です

めまいが後遺障害認定された場合の賠償金額は?

交通事故の慰謝料には「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準」という3つの基準があります。

どの基準を用いるかによって、慰謝料額は大きく違ってくるため、注意が必要なです。

めまいが後遺障害として認定された場合の慰謝料額の相場を、下記の表にまとめています。

等級 症状 解説・補足あれば
14級9号 局部に神経症状を残すもの ・8万円が障害補償給付金として給付される(一回のみ)
12級12号 局部に頑固な神経症状を残すもの ・20万円が障害補償給付金として給付される(一回のみ)

※参考:自賠責保険基準と弁護士基準は、日弁連交通事故相談センター 東京支部「損害賠償額算定基準(2020年版)(通称・赤い本)」 ※任意保険基準は保険会社ごとに異なるので、あくまで推定です。 ※身体の他部位に後遺症が見られた場合などは、さらに慰謝料額が高くなる可能性もあります。

弁護士基準による算定額が他の基準に比べて、とても高額であることがわかります。

労災による給付金額は、「めまいは後遺障害として認定される?」の表に記載してある通りなのでご参照ください。

めまいが後遺障害認定された判例を紹介

交通事故を原因とするめまいやふらつきについて、後遺障害の等級認定が下された判例があります。

「大阪地方裁判所 平成30年2月23日判決」
概要:加害者が運転する四輪車と、被害者が運転する自転車が衝突した事故。被害者は事故により、外傷性大動脈損傷や恥骨骨折などのケガを負い、めまいやふらつきなどの後遺障害が残った。この後遺障害について程度が争われた事例。
判決:被害者のめまいやふらつきと交通事故との相当因果関係が認められた。具体的には12級13号に該当するとされ、その他の後遺障害との兼ね合いから「後遺障害等級併合第11級」の認定が下された。

めまいやふらつきと交通事故の因果関係を認めてもらうには、資料集めなどの細かな作業が必須になります。自身で資料を集めて因果関係を立証するのは非常にむずかしく、弁護士に依頼するのが得策といえます。

めまいの後遺症認定に必要な手続きと賠償金の請求方法

ここからは、めまいについて後遺症認定を受けるために必要な手続きと、損害賠償金の請求方法について説明します。

めまいは「平衡機能障害」のひとつです。

等級認定は、後遺障害の認定を下す専門機関への症状の証明が重要になりますが、「平衡機能障害」は目に見えるケガよりも証明しにくい症状といえます。

そのため、客観的に平衡機能障害を説明できるよう、資料収集を入念に行わなければなりません

【後遺障害認定までの手順】
 
①病院で症状固定に至るまで治療を継続する。
 症状固定の時期は非常に重要です。
 症状固定の時期が早すぎると、適正な等級認定を受けられない可能性があるため、よく医師と話し合って時期を決めましょう。
 
②症状固定後、医師に「後遺障害診断書」を作成してもらう。
 後遺障害診断書は、認定請求に必須です。
 他にも、等級認定請求を「被害者請求」で行う場合は、
・レントゲン写真
・診療報酬明細書
・事故発生状況を証する書面
・交通事故証明書
・休業損害証明書
・印鑑証明書
・通院費の明細書
などの資料はすべて揃えておくようにしましょう。被害者請求についてはのちほど説明します。
 
③自賠責保険へ後遺障害の認定請求をする。
 後遺障害診断書やレントゲン写真などの資料を添えて後遺障害の認定請求手続きに移ります。
後遺障害の認定請求の手続き方法は「事前認定」と「被害者請求」の2種類です。
事前認定では、相手方の保険会社に「後遺障害診断書」だけ郵送で提出すると、あとの手続きはすべて保険会社が行ってくれます。
また、後遺障害診断書以外の必要書類も保険会社が集めます。具体的な手続きについては、相手方の保険会社に問い合わせましょう。
一方、被害者請求では被害者が自力ですべての書類を集めたうえで、相手方の保険会社に送付しなければなりません。

症状固定というのは、ある症状について治療を続けても改善も悪化もしない状態に至ることを指します。症状固定についてはこちらの記事でもくわしく説明しています。

めまいが後遺障害認定されない場合は弁護士に相談してみましょう

めまいは、骨折などと異なり目に見えない症状であるため、適正な等級認定を受けづらいです。

適正な等級認定を
・受けられるかどうか不安な場合
・すでに等級認定を受けたが結果に納得できない場合
は、一度弁護士に相談しましょう。

とくに、交通事故の等級認定手続きについて精通している弁護士は実績と知識が豊富なため、依頼者が最大限納得できるようにサポートをしてくれます。

認定に納得できない場合は不服申立てにより再認定を請求できますが、この手続きは複雑で厄介です。

スムーズに進めてかつ、納得のいく結果を得たいのであれば、弁護士に相談することをおすすめします。

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まとめ

めまいは神経障害として後遺障害の等級認定を受けられる可能性があります。

ただし、認定の手続きは非常に複雑なので、自力でおこなうと不利な認定が下されかねません。

適正な認定を受けて、納得できる慰謝料額を受け取りたいのであれば弁護士へ相談しましょう。

弁護士に相談することで、慰謝料がもっとも高額になりやすい「弁護士基準」という算定方法を用いることができます。

また、交通事故が「労災」に該当するのかどうかなど、被害者自身では判断しにくいポイントについても弁護士なら的確に判断してくれます。

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