2021.3.30 更新

【判例あり】後遺障害4級の認定基準と慰謝料相場について

ここでは、後遺障害4級に該当する症状や、認定基準、慰謝料相場や逸失利益の算定について詳しく解説しています

後遺障害とは、交通事故の後遺症のうち、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所から「後遺障害等級」の認定を受けた症状のことです。

後遺障害等級については自動車損害賠償保障法施行令で定められており、後遺症の程度によって1~14級の等級に分類されます。

最も重い症状なら1級、最も軽いなら14級といった区分です。

認定される等級次第で、被害者が受けとれる慰謝料の額等が大きく変わってくるので、等級認定申請の手続は細心の注意をはらいながら進める必要があります。

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後遺障害4級の認定基準は?症状とあわせて解説

後遺障害4級は、比較的後遺症の症状が重いと判断された場合に認定される等級です。たとえば、片腕や片足の一定範囲以上を失った場合や、両目がほとんど見えなくなったような場合には、交通事故の後遺障害4級に該当する可能性があります。

後遺障害4級の症状について、下記一覧表にまとめているので参考にしてみてください。

【後遺障害4級に該当する症状および解説】

後遺障害 解説
1号 両眼の視力が0.06以下になつたもの 交通事故によって両目の視力が0.02超0.06以下になってしまった場合に認定されます。
2号 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの ①咀嚼能力について
→おかゆなど、非常に柔らかな食事しか
咀嚼できないほどの障害
②言語機能について(下記2つとも該当)
→口唇音、歯舌音、口蓋音、咽頭音とい
う4種類の子音(ま行、な行、は行、か
行など)のうち2つを発音できないほど
の障害
→綴音(てつおん:2種類以上の短音が合
綴してできる音、たとえば「ら」=
「r」+「a」)が発音できずに、口
頭では意思疎通ができなくなったほど の障害
上記①②の両方の障害が認められる場合は、後遺障害4級2号に該当する可能性が高いです。
3号 両耳の聴力を全く失ったもの 交通事故により、両耳の聴力が失われてしまった場合に認定されます。
具体的には、次の①②のいずれかに該当すれば「聴力を全く失った」と判断されます。
①両耳の純音聴力が平均して90デシベル以上
②両耳の純音聴力が平均して80デシベル以上、かつ最高明瞭度が平常時の3割以下
4号 一上肢をひじ関節以上で失ったもの 交通事故により片方の腕について、下記のうちのいずれかの後遺症が認められたときに認定されます。
①肩甲骨と上腕骨の間で腕が離断された
②肩~肘関節の間で腕が切断された
③肘関節部で、上腕骨と橈骨及び尺骨が離断した
※橈骨と尺骨は、その両端が上腕骨と手首の関節を形成する細長い2本の骨のことです。
5号 一下肢をひざ関節以上で失ったもの 交通事故により、片方の足について、下記のうちのいずれかの後遺症が認められたときに認定されます。
①骨盤部分を形成する寛骨と、大腿骨が離断された
②股の関節の深部からひざ関節の間で切断された
③ひざ関節で大腿骨と下腿骨が離断された
6号 両手の手指の全部の用を廃したもの 交通事故により、両手の指すべてについて、下記のうちのいずれかの後遺症が認められたときに認定されます。
①両手の指すべてを切断
②両手の指すべてが神経の障害により麻痺
→親指であれば根元から第一関節、親指
以外の指なら根元から第二関節までの
可動域が50%以下になったことがが認
められれば「用を廃した」に該当しま
す。
7号 両足をリスフラン関節以上で失ったもの 交通事故により、両足をリスフラン関節から上の部分で失った場合に認定されます。
リスフラン関節とは、足の甲の中間部分にある重要な関節です。

(自動車損害賠償保障法施行令 別表第二より)

後遺障害4級の慰謝料相場について

後遺障害の等級認定を受けると、等級に応じた額の後遺障害慰謝料を受け取ることができます

後遺障害慰謝料は、「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準」という3つの算定基準のいずれかを用いて計算します。

なお、自賠責保険基準による後遺障害慰謝料の限度額は法令で定められており、他の基準に比べると金額は低くなります。

算定方法ごとの慰謝料相場については下記表で比較してください。

自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準
712万円 未公開 1,500~1,800万円

表をみると、弁護士基準が他と比べて高額であることが分かります。

弁護士基準を利用できるのは、交通事故の示談交渉や等級認定の手続きについて弁護士に依頼したときです。

被害者にとって適正な後遺障害慰謝料を請求したいのであれば、弁護士に相談して慰謝料を算定してもらうのがベストといえます。

なお、弁護士基準で算定した後遺障害慰謝料を含む示談金は、請求しても、必ず満額を受け取れるわけではありません。満額を受け取れるのは、基本的に、裁判所が裁判上で被害者の訴えを全面的に認めたケースだけです。

後遺障害等級にかかわらず、裁判外で示談交渉をした場合は、被害者が受け取れる示談金の相場は請求額の9割程度になるのが一般的です。

慰謝料以外にも補償はある?後遺障害4級に認定されたときの補償について

後遺障害4級に認定された場合に被害者が受け取ることができるのは、後遺障害慰謝料だけではありません。

ここからは、後遺障害4級に認定された場合の各種補償についていくつか紹介します。

後遺障害4級の逸失利益とは?その計算方法も

後遺障害4級に認定された場合、「逸失利益」を請求できる可能性が高いです

逸失利益とは、交通事故によるケガなどにより、労働能力を損失したせいで失ったとみなされる将来的な利益(労働による収入など)を指します。

労働能力の損失のせいで健常時のように労働ができなくなった結果、収入が減ってしまうだろうと予測されるため逸失利益が計算されます。

ここでいうところの労働には、仕事だけでなく家事も含みます。

逸失利益の計算式は、次のとおりです。

・逸失利益=基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応する中間利息控除係数(ライプニッツ係数)
※ライプニッツ係数とは、主に後遺障害による逸失利益を適正に計算するために用いられる指数です。年齢に応じて値は変化します。
【後遺障害4級の逸失利益計算(例)】
ケース①:30歳女性、主婦
逸失利益=基礎収入293万円(女性の平均賃金)× 92% × 16.711
    =4,504万6,171円
ケース②:50歳男性、会社員、年収800万円
逸失利益=800万円 × 92% × 11.274
    =8,297万6,640円

逸失利益について、もっとくわしく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

障害者手帳の交付は可能?

後遺障害4級に認定されると、身体障害者手帳の交付を受けられる可能性が高いです

ただし、後遺障害4級に認定されたからといって、自動的に身体障害者手帳が交付されるわけではありません。

自治体の福祉事務所などで手続きを行う必要があるので、必要書類等を確認したうえで申請を行いましょう。

身体障害者手帳の交付により、税金や公共交通機関の運賃の軽減など、さまざまな支援を受けることができます。

後遺障害4級の判例を紹介

弁護士基準をもとに計算した場合、実際に、どの程度の額の後遺障害慰謝料が受け取れるのかについては過去の裁判例からベースラインを把握することができます。

以下は、後遺障害4級が認定された実際の判例と、裁判所によって認められた後遺障害慰謝料額です。

【名古屋地方裁判所 平成20年6月25日判決】
概要:平成16年に発生した交通事故で、被害者の女性には左下肢喪失(4級5号に該当)、右大腿部に醜状(14級5号に該当)という後遺障害が残り、裁判所からは「後遺障害併合4級」の認定が下された。
慰謝料について:後遺障害慰謝料は、被害女性の退院後再入院に至るまで、その実子が3カ月程度介護したという事情もふまえて算出され、後遺障害分については1750万円の後遺障害慰謝料が、その他入通院慰謝料等としては353万円が認められた。なお、女性は年齢不詳で生活保護を受給していた。

生活保護受給者の逸失利益については、就労意思の有無などが判断基準のひとつになります。また、実子による介護が後遺障害の算定に考慮された点も特徴的です。

後遺障害等級認定を弁護士に依頼するのがおすすめな理由

後遺障害の等級認定は、加害者の保険会社を通じて行うのが一般的ですが、自力ですべて行うこともできます。

自力で行う場合には、弁護士に相談しながら手続きを進めることで、満足のできる等級認定を受けやすくなるでしょう。

弁護士に相談することで、満足のいく結果を得られやすい理由は以下の3つです。

① 等級認定手続きについて十分なサポートを受けられる
② 弁護士基準による算定により、後遺障害慰謝料が高額になりやすい
③ 等級認定手続きが却下された場合や、希望どおりの等級で認定されなかった場合の不服申立て(再認定)手続きも手厚くサポートしてもらえる

等級が一段階異なるだけで、被害者が受け取れる後遺障害慰謝料の額はおおきく変わるため、適切な等級の認定を受けることは非常に重要です。

また、弁護士に相談することで自賠責保険や任意保険による慰謝料の相場とは比較にならないほど、後遺障害慰謝料が高額になるケースが多いです。

さらに、等級認定の不服申立てに際して、弁護士なら「一度目の申請で認定が却
下された理由」を踏まえた効果的な対応策を打ち出してくれます。
収集すべき資料などについても、的確なアドバイスをもらえるでしょう。

後遺障害等級は、申請すれば必ず認定されるわけではありません。

また、2018年度に認定をうけた後遺障害の約6割は最も軽い14級であり、重い等級が認定されるケース自体は少ないです。

ただし、このことは、重い後遺障害が残るような交通事故の件数が相対的に少ないことの裏返しでもあります。

重要なのは、等級認定のコツやポイントを押さえることです。申請手続きを丁寧かつ慎重におこなうことで、可能性はぐっと高まります。

後遺障害を等級認定を自力で行うのが難しいと感じる場合や、適切な等級認定を受けられるかどうか不安な場合は、弁護士の力を借りることを検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

後遺障害4級は、1~14級ある後遺障害等級のなかでも高い等級であり、後遺症の程度が比較的重めだと判断された場合に認定されます。

症状が重くなればなるほど、後遺障害慰謝料の相場は高くなります。

また、自賠責保険の慰謝料相場よりも、弁護士基準によって算定される慰謝料の相場の方が高額になる可能性が高いです。

適切な後遺障害慰謝料を受け取りたい場合や、等級認定手続きを安心して進めたいという場合などには、弁護士に相談するのがおすすめです。

交通事故の依頼について経験が豊富な弁護士であれば、過去の裁判例などにも詳しいため、被害者にとって納得のいく結果に導いてくれる可能性が高いです。

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