2021.3.30 更新

後遺障害認定されたら身体障害者手帳は交付される?具体的な支援は?

後遺障害認定されたら身体障害者手帳は交付されるの?

後遺障害とは、交通事故が原因で労働能力の低下・喪失し、その程度が自賠責保険の等級に該当するものとされています。

一方で、身体障害者手帳とは、身体上の障害がある方に対して交付される手帳で、交付されると、医療費や税金の軽減などの行政サービスが受けられます。

両者は、同じように思えるかもしれません。

しかし、後遺障害に認定されたからといって、必ずしも障害者手帳の交付へつながるわけではありません

なぜなら、後遺障害の認定基準と身体障害者の認定基準はそもそも別ものだからです。

ただし、重度の後遺障害であれば障害者手帳が交付される可能性はあります。

ここでは、後遺障害と身体障害者手帳の違いや、障害者手帳の申請方法、障害者手帳を持つことで受けられる支援について説明しています。

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必ずしも後遺障害の認定=障害者手帳の交付ではない

交通事故を原因とする後遺症が残った場合、後遺障害の認定を申請することができます。

症状に応じた後遺障害の等級認定を受けることは、適正な額の慰謝料を手にするためにも非常に重要です。

誤解されがちなのですが、後遺障害の等級認定と障害者手帳の交付はイコールではありません。

後遺障害の認定と障害者手帳の交付は、判断する機関や基準となる法律が異なるため、別々に申請する必要があります。

後遺障害は「損害保険料率算出機構」または「自賠責保険・共済紛争処理機構」が認定する

交通事故によるケガの治療では「これ以上治療を続けても、症状が良くも悪くもならない」という状態になることがあります。

専門用語であらわすと「症状固定」という状態です。症状固定に至ったあとに、後遺障害の認定申請に進みます。

後遺障害認定の申請先は「損害保険料率算出機構」です。

損害保険料率算出機構は医師の診断書やレントゲン写真などの多様な資料に基づいて独自に調査を行い、申請人の症状について「後遺障害〇級」と認定します。

等級によって慰謝料額は大きく異なるため、適切な等級認定を受けられるかどうかが被害者の生活に与える影響は大きいです。

障害者手帳は「身体障害者障害程度等級」に基づいて交付される

「障害者手帳」とは、以下の3種類の「手帳」の総称です。3種類のうち、どの手帳を所持していても、障害者総合支援法による支援の対象となります

・身体障害者手帳
・療育手帳
・精神障害者保健福祉手帳

ここで解説するのは、身体障害者手帳についてです。
身体障害者手帳は、身体障害者福祉法に基づき、都道府県知事や指定都市または中核市の市長から交付されます。

交付の申請を受け付けているのは、居住地に近い福祉事務所や市役所です。

申請に際しては、身体障害に関する医師の診断書や意見書、障害を持つ本人の写真などを提出しなければなりません。

また、診断書や意見書は、都道府県知事や指定都市または中核市の市長から指定を受けた医師によって作成される必要があります。

交付申請の具体的な手続きは自治体ごとに異なるため、近くの福祉事務所か市役所に確認しましょう。

慰謝料が発生するのは「後遺障害」に認定されたとき

後遺障害の等級認定を受けると、「慰謝料」や「逸失利益」を受け取ることができます。

これに対し、障害者手帳の交付を受けた場合は公共団体による各種支援を受けることはできますが、慰謝料や逸失利益を受け取ることはできません。

障害者手帳の交付を受けたことそのものによって慰謝料が増額されることはないため、区別しておく必要があります。

逸失利益についてはこちらの記事に詳しく書いています。

重度の後遺障害であれば障害者手帳交付の可能性も!それぞれの認定条件とは?

後遺障害の認定申請と障害者手帳の交付申請は異なる手続きなので、別々で進めていかなければなりません。
ただ、重度の後遺障害が認定されると、障害者手帳が交付され、各種支援策の対象になります。

以下の表に、後遺障害等級認定を受けることで加害者に請求できる損害賠償と、身体障害者手帳の所持により受けられる支援をまとめているので参考にしてください。

後遺障害の等級認定を受けることで請求可能な損害賠償 身体障害者手帳の所持により受けられる支援
・後遺障害慰謝料
・逸失利益
・医療費、バリアフリー工事費、補装具などの購入費の助成
・住民税や所得税など、各種税金の軽減措置
・公共交通機関の運賃割引
・障害者雇用促進法に基づく、障害者雇用枠での就職や転職
など

ここからは、後遺障害の認定条件と障害者手帳の交付条件について説明します。

後遺障害の認定条件

後遺障害の等級は、国土交通省が定める「自動車損害賠償保障法施行令別表」を基準として1~14級のなかから決められます。

基準と症状を照らしあわせて等級が決められますが、その際に重要になるのが、交通事故と症状との因果関係や画像などの医学的証明です。

被害者の自己申告のみに基づいて等級が決められるわけではありません。

そのため、適正な等級認定を受けるには、医学的証明に用いる資料などを入念に準備しておく必要があります。

障害者手帳の交付条件

厚生労働省が発表している「身体障害者手帳制度の概要」によれば、障害者手帳の交付を受ける条件は「身体障害者福祉法別表に掲げる身体上の障害があるもの」とされています。

身体障害者福祉法別表に掲げる身体上の障害の分類と程度は以下のとおりです。いずれの障害も、症状が永続することが前提となっています。

【身体障害者福祉法別表に掲げる障害の分類】
・ 視覚障害
・ 聴覚又は平衡機能の障害
・ 音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害
・ 肢体不自由
・ 心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害
・ ぼうこう又は直腸の機能の障害
・ 小腸の機能の障害
・ ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害
・ 肝臓の機能の障害
【障害の程度】
・身体障害者福祉法施行規則別表第5号「身体障害者障害程度等級表」に定める等級のうち、1~6級と判断される場合
・7級の障害が2つ以上重複する場合
・7級の障害であって、6級以上の障害と重複する場合

また、前提として、18歳以上であることも条件になります。

上記の分類、程度、年齢の条件を満たした場合に身体障害者手帳が交付されます。

交通事故による後遺障害とは違って、事故との因果関係を医学的に証明する必要はありません。

なお、労災による身体障害者手帳交付の可否についても、身体障害者障害程度等級に基づいて判断されます。

等級ごとの詳しい要件については、厚生労働省が定める『身体障害者手帳について』をご覧ください。

重度の後遺障害であれば障害者手帳は交付される?

交通事故で重度の後遺障害と認定された場合は、身体障害者手帳の交付をうけられる可能性が高いでしょう。

なぜなら、交通事故による後遺障害の等級認定と、身体障害者手帳交付の認定では類似している要件が多いからです。

身体障害者手帳の交付を受けられる後遺障害の等級の目安ははっきりしませんが、10級以上の軽度の後遺障害では交付を受けるのは難しいでしょう。

後遺障害の認定と身体障害者手帳の交付はイコールではありません。ただ、認定によって交付の可能性が高まるのは確かなので、自己判断にまかせずに一度弁護士などの専門家に相談してはいかがでしょうか。

後遺障害9級以上なら、過去に身体障害者手帳の交付がなされた事例があります。
具体的にいうと、後遺障害9級12号、身体障害者障害程度等級の6級1号に該当する「親指の機能障害」です。

 障害者手帳の申請方法

ここからは、身体障害者手帳の申請方法、交付にかかる期間について紹介します。

詳細については自治体ごとに異なる部分が多いので、ここでは東京を例にして具体的にみていきましょう。

はじめに、申請手続きに要する書類は以下の通りです。

1.「身体障害者福祉法第15条の指定」を受けている医師が作成した身体障害者診断書・意見書 (発行から1年以内のもの)
2.申請する本人の写真(縦4センチ×横3センチ、上半身で脱帽)
3.交付申請書
4.マイナンバーカード(マイナンバーカードがない場合は、マイナンバーの通知書に加え運転免許証やパスポートなどの顔写真付きの公的な身分証明書)
※1および3の用紙は居住する区市町村の障害福祉担当窓口に用意されています。

他にも、申請する本人が15歳未満の場合は、下記書類も必要です。

1.保護者の代理権を確認できる書類(法定代理人なら戸籍謄本、任意代理人なら委任状)
2.保護者のマイナンバーカードまたはマイナンバー通知書及び身分証明書(運転免許証、パスポートなど)
3.15歳未満の子どものマイナンバーカードまたはマイナンバー通知書および住民票 など

必要書類について、より具体的に知りたい人は居住する市区町村の障害福祉担当窓口に問い合わせてください。

申請から約1カ月で身体障害者手帳が交付されます。

ただし、添付資料について医師への照会を要するケースでは、交付までにさらに日数がかかります。

障害者手帳による支援について

身体障害者手帳の交付によって受けられるさまざまな支援策について表にまとめました。

支援策はあくまで一例です。
お住まいの自治体で実施されているかどうかは、直接障害福祉の窓口へ確認してみるのがよいでしょう。

受けられる支援 支援の詳細
医療費の助成 医療費負担が軽減される。
たとえば、東京都なら医療費負担は1割となる。
リフォーム費用の助成 住宅のバリアフリー工事などに対する助成金を受け取ることができる。
所得税・住民税・自動車税などの軽減 所得税、住民税などの軽減が適用されます。
また、等級に応じた所得控除も受けられます。
交通機関の割引支援 多くの電車やバス、飛行機や船舶などを割引料金で利用できます。
障害者雇用枠での就職 障害者雇用枠で就職できる。ただし、すべての企業に障害者雇用枠が用意されているわけではない。

障害者手帳は一度発行されると更新はないため、一生涯使用が可能となります

交通事故の後遺障害の申請や補償について、不安がある場合は?

これまでに説明してきたとおり、身体障害者手帳の交付の認定と、交通事故による後遺障害の等級認定に直接的なつながりはありません。それぞれ別で申請する必要があります。

後遺障害の等級は、厚生労働省の定める等級制度にのっとって認定されます。

ただし、思ったとおりの等級に認定されるとはかぎりません。

等級認定の申請手続きは非常に複雑です。適正な認定を受けたいのであれば専門知識や実績が豊富な弁護士に依頼することをおすすめします。

自力で等級認定の手続きを行った結果として納得のいかない等級認定がされた場合も、弁護士に異議申立を依頼すれば等級認定のやり直しを要求できます。

弁護士に依頼すれば、慰謝料についても適正な額を請求することが可能です。

等級認定や慰謝料の額について悩み事があるなら、まずは弁護士へ気軽に相談してはいかがでしょうか。

まとめ

後遺障害の等級認定を受けたからといって、身体障害者手帳の交付をうけられるわけではありません。

しかし、後遺障害の症状の重さ次第では、身体障害者手帳の交付を受けられる可能性が高いです。

交付を受けることで、税金の軽減などさまざまな支援を受けることができます。

身体障害者手帳の交付条件をすべて満たしているのであれば、まずは申請を検討してみてはいかがでしょうか。

困ったことやわからないことがある場合は、弁護士に相談することでスムーズに手続きが進みます。

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