2021.4.1 更新

スリップ事故での過失割合|交通事故における損害賠償請求と計算方法

雨天時や雪道を車で走行しているとき、スリップ事故にあってしまう場合もあります。

受けた損害を補償してもらうには、交通事故が起こった状況にあわせて、適切な過失割合をとらえていく必要があるものです。

過失割合は過去の判例などにもとづいてある程度は基準が決められていますが、個別の事情を踏まえたうえで慎重に判断していくことが大切です。

この記事では、過失割合を判断する基本的なポイントや過失割合の変動に影響を与える修正要素について詳しく解説します。

また、損害賠償金の計算方法や慰謝料相場についても紹介します。

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ケース別に見るスリップ事故の過失割合と判断基準

スリップ事故とは

スリップ事故とは、車のハンドルやブレーキが急にきかなくなることで引き起こされる交通事故を指します。

雨で路面が濡れていたり、雪が降って路面が凍結していたりするときには、普段よりも滑りやすくなるのでスリップ事故が起こりやすくなります。

雨が降れば路面に溜まっていた泥やホコリが浮き上がり、普段よりも車が滑りやすくなるので運転には注意が必要です。

特に雨天時の高速道路を走行中には、ハイドロプレー二ング現象が起こりやすく、急にハンドルやブレーキがきかなくなるケースがあります。

この現象は、タイヤと路面の間に水の膜ができ、車が浮いた状態になることで引き起こされるものです。

また、雪道を走行するときにはブラックアイスバーンにも気をつける必要があります。

路面が凍結してスリップしてしまう現象をアイスバーンといい、薄い氷が張ることで路面が黒く濡れているように見える現象をブラックアイスバーンといいます。

ただ路面が濡れているだけと油断をしてしまえば、路面の凍結に気づかないのでスリップ事故を引き起こす原因となるのです。

雨や雪といった天候が悪いときには、普段よりもスピードを落として慎重に運転することが求められます。

なお、カーブが多い道路・車が多い交差点・トンネルや橋の上・日陰などでもスリップは起こりやすいので、十分に気をつけておきましょう。

スリップ事故の主なケース

スリップ事故が起こったときには、事故の当事者間で過失割合を巡って揉めることもめずらしくありません。

きちんと自分の主張を認めてもらうためにも、それぞれのケースで過失割合がどう判断されるのかを押さえておきましょう。

スリップ事故における代表的な事例と過失割合をまとめると、次のようになります。

事故の状況 過失割合 理由
スリップした車両に追突された 0:10 通常の追突事故と同じように、追突した車両にすべての責任があるため、もらい事故と見なされる可能性がある。ただし、前方車が急に止まったので後続車も急ブレーキをかけてスリップした場合には、前方車にも一定の過失割合がある。
スリップした前方車を避けたら、後続車に追突された 0:0:10
(先頭車:真ん中の車:一番後ろの車)
3台が絡むスリップ事故では、最初に追突した一番後ろの車両に過失責任がある。ただ、他の車両についても充分な車間距離を取っていなかったなどの理由があれば、過失責任が生じる。
バイクや自転車がスリップをして、車両に衝突した バイクや自転車の過失割合のほうが高くなる バイクや自転車がスリップをして車両にぶつかった場合にも、やはり追突した側の過失責任が重くなる。

過失割合を判断するためのポイント

スリップ事故において過失割合を判断する際には、まずは急ブレーキの有無をチェックする必要があります。

路面が濡れていたり、凍結していたりする状態で急ブレーキを踏めばスリップをするのは予想ができるので、急ブレーキの有無は判断のポイントとなります。

同様に、雪道を走行しているときにはタイヤチェーンを取り付けていたり、スレッドレスタイヤに交換していたりしてスリップ対策をとっていたかも争点となります。

また、凍結した路面においては普段よりもスピードを落として、車間距離を広めにとることが求められるので、車両のスピードや車間距離についても注目しておきましょう。

そして、過失割合を決めるうえで、ブレーキ痕は重要な証拠となります。

ただ、雪道のブレーキ痕は事故後の積雪によって消えやすいので、早めに写真を撮っておくなどして保存に努めてみましょう。

スリップ事故時の過失割合が変わる修正要素とは?

過失割合は警察が決めるものではなく、保険会社が決めるものでもありません。

警察が行う実況見分はあくまでも事故の記録を残すためのものであり、保険会社が提示する過失割合は過去の判例にもとづいた目安に過ぎません。

過失割合は事故の当事者間の話し合いで決まる点を押さえておきましょう。

なお、スリップ事故の場合では急ブレーキの有無が、過失割合を判断するうえで重要なポイントになります。

交通事故が起こった個別の事情を判断するものとして修正要素があり、内容に応じて過失割合が変動します。

おおむね5~30%の範囲で過失割合が増減するため、最終的な損害賠償金にも影響があるのです。

自動車同士の事故においては、被害者や加害者であるかにかかわらず、以下のような項目にあてはまると過失割合が加算されます。

修正要素 加算される過失割合 ポイント
著しい過失 10~30% 急ブレーキをかける・酒気帯び運転・ブレーキが壊れたままの運転・二人乗り・わき見運転など。
重過失 10~15% 酒酔い運転・居眠り運転・両手を放したままの運転など。
大型車 5% 普通車と比べて、大型車は特に周囲の状況に気をつける必要があるため。
直近右折 10% 直進車に対して至近距離で右折
早回り右折 5% 交差点の中心の内側を通らない右折
大回り右折 5% 道路の真ん中に寄らないまま右折
既右折 10% 右折車が右折をし終わっている状態で直進車が衝突
道交法50条違反の直進 10% 進入禁止の状況で進入してしまうなど。

複数台の車両が絡むスリップ事故の場合では、過失割合を判断するのは難しいものです。

過失割合について当事者間で話がまとまらないときには、交通事故事案に詳しい弁護士に相談してみるのも1つの方法だといえます。

損害賠償金の計算方法と慰謝料額の目安

損害賠償請求できる項目と内容

スリップ事故の被害者となってしまった場合、事故によって受けた損害を補償してもらうために、加害者に対して損害賠償請求を行えます。

損害賠償請求は慰謝料だけでなく、状況に応じてさまざまなものを請求できるので、漏れなく請求することが大切です。

損害賠償請求が可能となる主な項目については、次の通りです。

損害賠償金の種類 内容
慰謝料 交通事故による精神的なダメージに対して支払われる補償。入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類がある。
治療費
入院費
治療にかかる費用。入院雑費なども含まれる。
通院交通費 通院のために公共交通機関などを利用したときにかかった交通費
(タクシーの利用は医師の判断による)
通信費 交通事故によってかかった通話代など
修理費 車両の修理にかかった費用
(レッカー代や代車等の費用も含む)
付添看護費 入通院で付添が必要になった際に認められる費用
(家族の付添でも認められる)
器具等購入費 治療や後遺症が残った際にかかる費用
(車椅子・松葉杖など)
家屋等改造費 後遺症が残ることによってかかる自宅のバリアフリー化などの費用
物損費用 交通事故が原因で破損したものの費用
葬儀関係費 葬儀に関する費用
休業損害 休まずに働いていれば得られた現在の収入の減少に対する損害賠償
逸失利益 交通事故がなければ将来得られたはずの経済的な利益

損害賠償金の計算方法

損害賠償金は当事者の過失割合によって、金額も変化します。

もらい事故のように加害者側が一方的に悪い場合には満額の請求ができますが、多くの事故では何らかの形で被害者にも過失があるものです。

交通事故の被害者か加害者かの判断は、あくまでも過失割合が大きいほうを加害者とするものであり、被害者だからといって過失がないというものでもありません。

たとえば、過失割合が9:1の交通事故で被害者に1,000万円の損害があったときには、「1,000万円×(100%-10%)=900万円」が損害賠償金となります。

このような仕組みを過失相殺といい、民法第722条2項によって決められているルールです。

【民法第722条2項】
被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。

そして、損害賠償金の計算においては、3つの計算基準も踏まえておく必要があります。

自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士基準(裁判基準)の3種類があり、どの基準で計算するかによって、慰謝料などの金額も大きく変わってきます。

慰謝料額の目安

人身事故である場合には、交通事故によって被った精神的な苦痛を補償してもらうため、慰謝料の請求が行えます。

慰謝料には、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類があります。

後遺障害慰謝料とは、ケガが完治せずに後遺症が残ってしまったときに、後遺障害の等級認定が認められることで請求できるものです。

後遺障害慰謝料は入通院慰謝料とは別に請求できるものなので、後遺症が残ってしまったときにはきちんと手続きを行いましょう。

また、慰謝料額はケガの具合や入通院期間、後遺障害の等級などによって変わります。

症状固定(治療を継続しても症状が改善しない状態)となるまで、しっかりと治療を続けることが大切です。

1人で悩まずに弁護士に相談してみよう!

スリップ事故は事故状況によっては過失割合の判断が難しい場合もあり、示談交渉が難航してしまうのもめずらしくありません。

保険会社が示してくる過失割合は、あくまでも過去の判例をもとにしているだけで、個別の事情を必ずしも反映していない場合もあるでしょう。

ただ、示談交渉を急ぐあまり、安易に示談書にサインをしてしまってはいけません。

示談が成立してしまえば、後から新たな証拠や症状が見つかったとしても、内容を覆すのは簡単ではないからです。

過失割合について納得がいかないときには、1人で交渉をしようとせずに、交通事故事案に詳しい弁護士に相談をしてみましょう。

示談交渉だけでなく、保険会社のやりとりなどをすべて任せられるので安心です。

加入している任意保険に弁護士費用特約が付いていれば、費用の負担を気にせずに弁護士に相談できます。

まとめ

雨天時や積雪時はいつもとは路面の状況が違うので、慎重な運転を心がけることが大切です。

ただ、どれほど注意をしていても、スリップ事故に巻き込まれてしまう場合もあるでしょう。

事故によって被った損害を適切に補償してもらうためにも、スリップ事故における過失割合の判断基準を把握しておくことが重要だといえます。

加害者側との交渉において、過失割合を巡って揉めてしまうときには、弁護士に相談をするのも良いといえます。

過失割合を明確にしたうえで、しっかりと損害賠償請求を行うことが肝心です。

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