2020.5.7 更新

主婦(主夫)も慰謝料額に変わりはない!計算の基準と事例Q&A

「収入のない主婦だと交通事故の慰謝料が安くなるの?」

交通事故の被害にあったときに請求できる慰謝料は、事故によって受けた精神的なダメージを補償するものです。

そのため主婦(主夫)や会社員といった立場で慰謝料額が異なることはありません

ただ、加害者側に請求できる損害賠償は慰謝料以外にも、休業損害や逸失利益などさまざまなものがあるので注意も必要です。

また、育児や家事などについて悩みの多い主婦(主夫)だからこそ、家庭ごとに抱えた特有の事情もあるものです。

ケースバイケースの対応が必要であるため、弁護士のサポートを受けることで、納得のできる慰謝料を請求しましょう。

この記事では、慰謝料の計算方法や具体的な事例などについて解説していきます。

  • 交通事故でもらえる慰謝料と休業損害の違い
  • 主婦がもらえる休業損害の相場と計算方法
  • 主婦の休業損害にまつわるQ&A
  • 主婦が示談交渉を弁護士に依頼するメリット
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交通事故の慰謝料相場と算定基準

慰謝料の請求は、自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士基準のいずれかで金額を算出します。

3つの基準の中では弁護士基準が最も高く、任意保険基準は保険会社によって異なるものの、自賠責保険基準とあまり金額に違いはありません。

ここでは、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料のそれぞれについて金額の目安を紹介します。

【入通院慰謝料】

自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準
通院1ヶ月 12万9,000円 12万6,000円 19~28万円
入院1ヶ月+通院3ヶ月 51万6,000円 60万5,000円 83~115万円
入院3ヶ月+通院6ヶ月 116万1,000円 119万7,000円 148~211万円

自賠責保険基準での入通院慰謝料の計算は、1日あたり4,200円です。
※2020年4月以降は日額となっています。

「初診から治療終了までの期間」と「実際の通院日数×2」のどちらか少ないほうに、日額4,300円を掛け合わせることで計算します。

【後遺障害慰謝料】

等級 自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準
第14級 32万円 40万円 110万円
第13級 57万円 60万円 180万円
第12級 94万円 100万円 290万円
第11級 136万円 150万円 420万円
第10級 190万円 200万円 550万円
第9級 249万円 300万円 690万円
第8級 331万円 400万円 830万円
第7級 419万円 500万円 1,000万円
第6級 512万円 600万円 1,180万円
第5級 618万円 750万円 1,400万円
第4級 737万円 900万円 1,670万円
第3級 861万円 1,100万円 1,990万円
第2級 998万円
(介護を随時必要とする場合は、1,203万円)
1,300万円 2,370万円
第1級 1,150万円
(介護を常時必要とする場合は、1,650万円)
1,600万円 2,800万円

※参考:自賠責保険基準と弁護士基準は、日弁連交通事故相談センター 東京支部「損害賠償額算定基準(2020年版)(通称・赤い本)」

※任意保険基準は保険会社ごとに異なるので、あくまで推定です。

※身体の他部位に後遺症が見られた場合などは、さらに慰謝料額が高くなる可能性もあります。

【死亡慰謝料】

被害者の属性 自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準
一家の支柱 400万円 約1,500~2,000万円 2,800万円
配偶者(専業主婦・主夫)・母親 400万円 約1,300~1,600万円 2,500万円
子ども・高齢者など 400万円 約1,100~1,500万円 2,000~2,500万円

被害者本人の慰謝料だけでなく、遺族固有の慰謝料も請求することができます。

ただ、任意保険基準においては、被害者本人と遺族の慰謝料を分けて計算することは基本的にありません。

慰謝料に違いはない!請求できる損害賠償の種類

慰謝料=精神的なダメージの補てん

交通事故における慰謝料は損害賠償の一種であり、法律的には交通事故の被害者が受けた精神的な苦痛に対して支払われる金銭を指します。

慰謝料はケガの部位や程度、入院・通院期間に応じて算出され、年齢や性別、職業などは原則として考慮されません。

したがって、被害者が会社員であっても主婦であっても慰謝料の金額は同じになります。

ただ、損害賠償には慰謝料の他にもさまざまなものがあり、休業損害や逸失利益などについては、請求できる条件や計算方法が違ってきます。

休業損害とは、交通事故によってケガを負ってしまい仕事を休まざるを得なくなったときに受け取れる補償です。

収入が減った部分を補うものであり、主婦(主夫)も決められた計算方法によって、休業損害を受け取ることができます。

逸失利益とは、将来受け取るはずだった収入のことを指しています。

事故の被害者が請求できる示談金(損害賠償金)

損害賠償金の内訳 内容
慰謝料 精神的な苦痛に対し支払われる金額
治療費
入院費
治療にかかる費用。入院雑費なども含まれる
通院交通費 タクシーも含め通院にかかった交通費
通信費 交通事故によりかかった通話代など
修理費 車両の修理にかかった費用
(レッカー代や代車等の費用も含む)
付添看護費 入通院で付添が必要になった際に認められる費用
器具等購入費 治療や後遺症が残った際にかかる費用(車椅子・松葉杖など)
家屋等改造費 後遺症が残ることによってかかる自宅のバリアフリー化などの費用
物損費用 交通事故が原因で破損したものの費用
葬儀関係費 葬儀に関する費用
休業損害 休まずに働いていれば得られた現在の収入の減少に対する損害賠償
逸失利益 交通事故がなければ将来得られたであろう経済的利益

損害賠償として請求できるものは、慰謝料(入通院慰謝料・後遺障害慰謝料)以外にもさまざまなものがあります。

この中で職業や立場によって、金額が異なるのは「休業損害」と「逸失利益」です。

兼業か専業の主婦(主夫)で違う? 休業損害・逸失利益の計算方法

では、休業損害や逸失利益とはどのようなものでしょうか?

それぞれ解説していきます。

休業損害の意味と計算方法

休業損害とは交通事故でケガを負ってしまったときに、仕事を休んで減った収入に対する補償です。

「専業主婦(主夫)は就労して収入を得てないので、休業損害は発生しないのでは?」と思われかもしれません。

しかし家事労働も経済価値が認められており、休業損害は発生します。

休業損害の計算方法は以下のとおりです。

基礎収入(日額)×休業日数=休業損害額

基礎収入(日額)とは、仕事や家事の1日あたりの収入額をいいます。

自賠責保険基準では日額5,700円(2020年4月1日以降は6,100円)、任意保険基準は保険会社によって異なるものの自賠責保険基準がベースとなります。

弁護士基準においては、賃金センサス(※厚生労働省による全国労働者の賃金に関する統計基準)から日額を算出します。

厚生労働省統計の賃金センサスの年間平均給与額(女性)÷365(日)=基礎収入(日額)
※専業主夫も女性の平均給与額で算出

平成30年の厚生労働省統計の賃金センサス(賃金構造基本統計調査)は以下のとおりです。

全年齢 382万6,300円
〜19歳 2,348,600
20〜24歳 3,049,800
25〜29歳 3,623,200
30〜35歳 3,816,200
35〜39歳 3,945,500
40〜44歳 4,117,600
45〜49歳 4,213,300
50〜54歳 4,220,700
55〜59歳 4,118,200
60〜64歳 3,243,800
65〜69歳 2,924,100
70歳〜 2,962,200

たとえば、平成30年の基準では女性の平均年収は約383万円となっており、1日あたり1万円程度になります。

自賠責保険や任意保険での基準が5,700円(令和2年3月31日までの基準)ですので、比べるとはるかに高額になるのです。

休業日数とは、交通事故にあった日から完治するまで、仕事(専業主婦の場合は家事)を休んだ日数をいいます。

専業の場合は原則として、休業日数=主婦業をできなかった日となりますが、会社員などと違って休業の事実を証明するものがありません。

そのため、病院への入通院日数をベースとして計算するケースが多いのが特徴です。

入通院をしていなかった期間は争点となりやすいので、労務不能であったことを証明するために医師に診断書を作成してもらうことが重要です。

逸失利益の意味と計算方法

逸失利益とは、将来受け取るはずだった収入を意味しています。

専業主婦(主夫)の場合では就業しているわけではありませんが、家事労働が仕事であるため、逸失利益を請求できます。

逸失利益の計算式としては、以下のとおりです。

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数=逸失利益

基礎収入は賃金センサスをもとに計算され、休業損害と同様に男性でも女性労働者の平均年収をベースとして計算します。

一方で、兼業主婦(主夫)の場合には、基礎収入の取り扱いに違いがあります。

パートやアルバイトで得ている収入と賃金センサスの平均賃金を比べて、どちら
か高いほうが適用されます。

つまり、兼業でも専業と比較して不利になることはありません。

ただし、仕事による収入と賃金センサスの平均賃金を合算することはできないので注意しましょう。

主婦(主夫)だからこそ気になる!よくある事例Q&A

Q.家事代行やベビーシッターを雇った場合、そのお金はどうなる?

ケガの具合によっては家事に手が回らずに、家事代行サービスをお願いすることもあります。

この場合は家事代行者に支払った実費分が、休業損害として取り扱われます。

ただし、必ずしもかかった費用の全額が認められるわけではなく、必要かつ妥当な範囲のみ認められます。

治療期間に対してケガが軽かったり、完治しているにもかかわらず不必要に家事代行を依頼したりしていたときには、支払いを受けられないケースもあります。

また、家事代行サービスを利用したときには、通常の1日あたりの基礎収入×休業日数分の計算による休業損害の請求はできません。

どちらか1つの請求方法となる点に注意しておきましょう。

育児のためにベビーシッターをお願いしたときには、基本的に休業損害とは別に支払いを受けることができません。

なぜなら、保育代は休業損害に含まれるものと解釈されるからです。

ただ、休業損害の金額がとても少ないなどのケースにおいては、保育代を別途考慮してもらえる可能性もあります。

Q.育児や家事を親族に頼んだ場合、主婦としての休業損害は出ない?

育児や家事についてサービスを利用するのではなく、家族にお願いする場合もあります。

こういったケースでは、通常の休業損害の計算と同様に、働けなかった日数分の補償が支払われます。

ただ、育児や家事を代わりに手伝った人が仕事を休んだという理由では、休業損害を二重に受け取ることはできません。

あくまでも、補償を受けられるのは被害者本人なのです。

Q.ケガの種類や通院期間によって休業損害の金額は変わる?

休業損害は休業期間が発生したことに対する損害であるため、ケガの種類にかかわらず支払われます。

むちうちでも骨折でも、脳の障害であってもケガによって金額に違いはありません。

つまり、どのような症状のケースにおいても、実収入による基礎収入×実際に仕事を休んだ期間分の計算となります。

ただ、通院をしていても仕事ができるケースもあったり、通院そのものが不要と判断されたりするケースもあります。

必ずしも、通院期間のすべてについて、休業損害の支払いを受けられるとはかぎらないので注意が必要です。

弁護士のサポートを受けて主婦(主夫)ならではの悩みを減らそう!

交通事故における慰謝料の請求は主婦(主夫)でも、会社員でも変わりはありません。

しかし、休業損害などの請求については少し異なる部分もあり、家庭の事情によってケースバイケースだと言えます。

そのため、交通事故事案に詳しい弁護士に相談をして、適切なサポートを受けることが大切です。

弁護士に依頼をすることで弁護士基準が適用されるので、慰謝料などの請求額が増える可能性もあるのです

また、加害者側の保険会社を相手にして、1人でやりとりを進めていくのは大変な面もあります。

弁護士のサポートを受ければ難しい手続きを任せられるので、精神的・時間的な負担を減らせます。

任意保険に加入している場合は、弁護士費用特約を使えば、弁護士への支払いを気にせずに相談できます。

ケガの治療に加えて、育児や家事、介護などで家庭のことを考えなければならない面が、主婦(主夫)にはあります。

だからこそ、身近なところで相談に乗ってくれる弁護士を味方にすることが大切です。

損害賠償の請求にまつわる悩みをうまく解消して、自分や自分の家族のために時間を使いましょう。

まとめ

交通事故で被害者となったときに請求できる慰謝料は、精神的ダメージに対する補償なので、年齢・性別・職業などに関係はありません。

しかし、休業損害や逸失利益の請求については、主婦(主夫)の場合では計算方法が少し異なる部分もあるので注意が必要です。

ケガの治療だけでなく、家事や育児のことにも気を回さなければならないため、1人で相手方の保険会社とやりとりを進めるのは大変でもあります。

交通事故事案に詳しい弁護士のサポートを受けて、慰謝料などの請求にまつわる悩みを解消してみましょう。

1日も早くケガを治して、納得できる慰謝料を得ることが大切です。

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