2020.6.16 更新

妊娠中に交通事故にあってしまったら…事故対応・治療・損害賠償のポイント

「妊娠中の交通事故…。通常と異なる対応が必要?」
「何より子どもへの影響が心配…」

妊娠中に交通事故にあってしまうと、自分以上になく、お腹の中の子どもへの影響も心配になりますよね。

また、妊娠中はつわりや切迫早産などで自由に動ける時間が少なく、急な出産で入院を余儀なくされる可能性もあります。

お母さんが、子どもへの影響はなんとしても避けたい、と思うのは当然のこと。

そこでこの記事では、事故後の対応や治療において、妊娠中のお母さんが特に注意すべき点について解説していきます。

損害賠償請求についても、どのような項目が請求できるのかをしっかりと把握しておきましょう。

妊娠中のお母さんが事故直後に取り組むべき対応と示談交渉のタイミング

交通事故の被害にあってしまったときには、まずは警察や保険会社に連絡をする必要があります。

お腹の中の子どもへの影響を考えて、特に目立った症状がなかったとしても、病院で検査を受けることが重要です。

そして、出産をするまでは示談交渉は行わないほうが良い点も押さえておきましょう。

母体と胎児に影響を与える主な症状や示談交渉の注意点について紹介していきます。

    妊娠したお母さんが交通事故にあったとき最初にすること

  • 警察と保険会社に連絡
  • 目立った症状はなくても病院で検査を受ける
  • 示談交渉は示談後にする

警察や保険会社、病院へ連絡

交通事故にあった段階で、警察にすぐ連絡をして事故状況をきちんと伝えましょう。

同時に、加入している保険会社にも連絡をして、弁護士費用特約が利用できるかを確認することも大切です。

弁護士費用特約とは、弁護士に支払う報酬を保険会社が負担してくれる仕組みです。

妊娠中に相手方の保険会社と何度もやりとりをするのは大変なので、必要なときに弁護士に相談できる体制を整えておきましょう。

また、腹痛や出血があるときには、ただちに救急車を呼んでもらってください。
そして救急員には自身が妊娠中であることを必ず告げましょう。

たとえ目立った症状が見られない場合であっても、腹部をぶつけている可能性もあるので、念のため産婦人科で胎児への影響を検査しておくほうが安心です。

病院で診察を受けるために車に乗るときには、胎児への悪影響を避けるためにシートベルトの着用には気を配っておくことも大切です。

ポイントとしては、腰ベルトはお腹のふくらみを避けて、腰骨のできるだけ低い位置に通します。

肩ベルトは首にかからないようにして、お腹の側面に通すようにしましょう。

参考:日本産婦人科学会

病院で検査を受ける

交通事故にあうと、妊娠したお母さん自身の治療も必要ですが、お子様の検査も必要になります。

捻挫や骨折などの検査を整形外科で受診した上で、子どもは普段から利用している産婦人科で状況を確認してもらいましょう。

交通事故によってお子様に影響する可能性のあるものについて、まとめておきました。回避できるケースもありますので、以下のような症状がみられたときは、すぐに対処しましょう。

症状 影響 対処法
腹部圧迫(切迫流産や早産) 妊娠中期以降は子宮が大きくなってしまうため、外傷を受けやすくなり、切迫早産の頻度が高まる。切迫早産は一般的な流産とは違って、胎児は生存している。 出血や下腹部の痛みが現れるので、早期に産婦人科を受診する。切迫流産や早産と診断されたときには、薬を服用して安静にしておく必要がある。
腹部打撲(胎盤早期剥離) 胎児と母体を結びつける胎盤が、子宮の中で剥離してしまい、胎児が危険な状態になる。母体に現れる症状としては、子宮の痛みと出血。 胎盤早期剥離と診断された場合には、胎児への血液や酸素の供給が絶たれてしまうので、すぐに帝王切開をする必要がある。
腹部への衝撃(子宮破裂) 衝撃が加わることで、子宮が破裂してしまう症状を指す。帝王切開での出産経験がある場合には、子宮破裂を起こしやすくなる。 事故後に激しい腹痛に見舞われたときには、ただちに救急車を呼んで、帝王切開で出産をする。
頸椎捻挫や腰椎捻挫 事故によって首や腰、肩を痛めることも多い。ただ、妊娠中の場合は電気治療などが受けられないため、痛みに苦しんでしまうこともある。 整形外科の医師に診断をしてもらい、指示にしたがって治療を受ける。
胎児母体間輸血症候群 胎盤には母体と胎児の血液が混じらないように薄い膜がある。交通事故などの衝撃で膜が破れてしまうと、血液が混ざり合ってしまって、胎児が貧血を引き起こす恐れがある。 母体には影響が出ないため気づきづらく、注意が必要。エコーや胎動の有無、心拍のチェックや血液検査などによって診断が行われる。
胎児への直接的な外傷(骨折・頭蓋内出血) 交通事故の衝撃で胎児そのものに直接影響が出ることは少ないものの、まれに骨折や頭蓋内出血を起こしているときがある。 腹部エコーによって判断できる。

特に外傷や痛みもない場合でも、後になって痛みや出血がでる可能性もあります。やはり警察の見分や聴取が終わった後でも、病院での診断は受けておくべきです。

出産するまで示談はしない

交通事故ではケガの治療と並行して示談交渉を進めることになりますが、生まれてくる子どもへの影響が分からない面もあるため、交渉を急ぐ必要はありません。

出産をするまでは示談をしないと告げて、慎重に判断をしましょう。

ただ、慰謝料や治療費などの損害賠償請求は事故日から5年で時効になるため注意も必要です。
※法改正により、2020年4月1日以降の人身事故の時効については「事故日から3年」から「事故日から5年」になりました。

とはいえ、相手方の保険会社からは早期の示談を勧められることもあります。

治療の痛みや不安と戦いながら、加害者や保険会社への対応が難しいと感じたら、交通事故示談に詳しい弁護士にサポートをしてもらって、出産後の示談を検討しましょう。

妊娠中のお母さんが治療で気をつけるべきポイント

妊娠中のお母さんが交通事故の治療をするとき、通常時よりも気をつけなければいけないポイントがいくつかあります。

自分の身は自分で守る姿勢もが大切

病院で治療を受ける場合にほとんどの医療関係者は、妊娠中の人に対して投薬やレントゲン検査などを慎重に対応してくれます。

ただ、なかには認識不足から、妊娠中に好ましくない薬が処方されることもあるので注意が必要です。

一般的には、湿布薬や電気治療は妊娠中の人は受けないほうがよいとされています。

整形外科医や整骨院の先生は交通事故の治療には詳しくても、母体や胎児への影響については詳しくない部分もあります。

「自分の身体とお腹の子どもは自分で守る」ことを意識して、治療を受けるように心がけましょう。

妊娠中に制限される治療法

妊娠中の場合は、レントゲン検査や痛み止めの麻酔、各種投薬などは制限されます

ただ、ケガの症状として多いむちうちの場合でも、マッサージや電気治療を受けることができないため苦労をしてしまう場面もあります。

痛みがひどいときには整形外科ではなく、産婦人科の医師に相談をして対処してみましょう。

もちろん整形外科と産婦人科、両方の治療費を請求できますし、通院日数としてカウントされます。

診察を受ける前には、担当医師に交通事故の被害者であることを伝えておきましょう。

妊娠中のお母さんが交通事故にあった場合、請求できる損害賠償

事故のあとは治療が最優先ですが、これから生まれてくる子どものためにも、加害者側にしっかりと賠償してもらうことも大切です。

ここからは妊娠をしているときの慰謝料や流産をしたときの慰謝料について、詳しく解説していきます。

また、慰謝料以外にも請求できる損害賠償はたくさんあるので、どのような項目があるのか紹介します。

妊娠中の事故による慰謝料

交通事故が原因で切迫早産(臨月前に子どもが産まれそうな状態)となった場合には、慰謝料が支払われます。

入院をしたときには、入院日数に応じて休業損害も請求可能です。

また、切迫早産の影響によって子どもに何らかの後遺障害が生じたときには、後遺障害に関する補償も受けられる可能性があります。

ただ、交通事故と後遺障害の因果関係が認められた場合に限られるため、ハードルが高い面もあります。

相手方の保険会社からすると、切迫早産はイレギュラーな事案でもあるため、慰謝料の計算などに誤りがあるケースもあります。

保険会社から慰謝料を提示されたからといって、適正な金額とは限りませんので注意しましょう。

切迫早産による身体的・精神的な負担がある中で、保険会社とやりとりをするのは大変なこと。
示談交渉に詳しい弁護士に任せてみるなど、さまざまな手段を検討してみましょう。

交通事故の慰謝料の相場や計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
「【保存版】交通事故の慰謝料相場はいくら?必ずわかる計算方法まとめ」

流産したときの慰謝料

理不尽かもしれませんが、交通事故によって流産をした場合、胎児自身の慰謝料請求権は法的に認められていません。

しかし、母親が負った精神的苦痛に対して、慰謝料を増額することはできます。

どの程度の金額が認められるかは、初産か臨月かによっても異なるため、保険会社や裁判所の判断によります。

その他の損害賠償

交通事故の被害者となると、慰謝料以外にも請求できる損害賠償は多くあります。

治療費や通院費をはじめとして、付添看護費や特別室料、病院への交通費など治療にかかるお金はすべて請求できます。

また、休業損害については専業主婦(主夫)についても認められており、通院した日数に応じて1日あたり6,100円が支払われます。※法改正により、2020年4月1日から変更となりました

ただし、この水準は自賠責保険基準であるため、弁護士に依頼をすることで慰謝料や休業損害を増額できる可能性もあるのです。

妊娠中のお母さんの交通事故示談は大変!そんなときに力になれるのが弁護士

交通事故の被害者が加害者に対して、治療費・慰謝料など損害賠償をするのは当然の権利です。

お子様が生まれてきた後の生活も考えるとなおさらでしょう。

ただ交通事故示談の現実として、被害者が一人で加害者とその保険会社に対応しなければならないケースもあります。

妊娠期間中は、つわりや切迫早産などで自由に動ける時間が少なくなります。

急な出産などでいつ入院するか分からないため、示談交渉が途中で止まってしまい、交渉がなかなか進展しない可能性もあるものです。

出産や子育てに専念するためにも、専門家である弁護士のサポートを検討しましょう。

示談交渉に詳しい弁護士に依頼をすれば、専門的なアドバイスを受けられるだけでなく、加害者側との交渉をすべて任せられます。

また、弁護士に依頼をすることで弁護士基準が適用されるので、請求できる慰謝料額が増額する可能性もあるのです。

加入している保険会社の弁護士費用特約を利用すれば、弁護士への支払いを心配することなく早期の解決につなげられます。

まとめ

妊娠中に交通事故の被害にあってしまうと、お腹の中の子どもへの影響が不安になってしまうものです。

ケガの治療に加えて、相手方の保険会社とのやりとりも多く、精神的にも負担が大きくなってしまう面があります。

示談交渉などで困ったときには1人で悩んでしまわずに、交通事故問題に詳しい弁護士に相談をしてみましょう。

保険会社との交渉や損害賠償請求を任せられるため、心強い味方を得られるはずです。

専門家のサポートを受けることで、ケガの治療や生まれてくる子どものことだけを考えてみましょう。

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