2020.10.16 更新

交通事故の加害者を許せない!被害者が絶対してはいけないこととは?

「加害者の態度が気に入らない」
「きちんと謝罪してほしいけどどうすればいいの?」

謝罪の気持ちが感じられない態度をとったり、一向に非を認めない態度をとられたり、交通事故の相手(加害者側)に対して不満を感じる瞬間があるかと思います。

しかしその感情を直接加害者にぶつけてしまうと、示談がコチラに対して不利に運んでしまう場合があります。

そんな時は少しでも自分の不快感を減らし、冷静を保つためにも決して加害者と直接交渉をしないことを意識することが得策です。

この記事では示談において加害者の対応に納得がいかない際の対応について解説していきます。

加害者の心理状態とは?

交通事故を引き起こしてしまった加害者には、「申し訳ない」と言う気持ちと同時に「罪悪感」が芽生え、それを打ち消すための「責任転嫁をしようとする気持ちが生まれています。

例えば加害者が100%悪い「追突事故」を起こしたにもかかわらず態度が悪い場合、「被害者があそこでブレーキを踏まなければぶつからなかったのに」とか「元々遅い運転だから車間距離を詰めてしまったんだ」などの言い訳が、加害者の頭の中を渦巻いているのです。

さらに、「交通事故では謝罪したらダメです」という誤った情報を、加害者が鵜呑みにしているため、謝罪するどころか「悪い態度」になってしまいます。

しかし、どんな理由があるにせよ、100%過失がある加害者が、悪い態度をとっていると不愉快になるのは当然です。加害者の態度が悪く心証を害している場合は、ためこまずに保険会社の担当者に相談してみることをおすすめします。
担当者が加害者に、事故時の「常識的な対応」を指導することは珍しいことではありません。

冷静を保つ心構えとは?

加害者と冷静に話をするためのポイントは「直接交渉をしないこと」です。

ほとんどの場合、被害者さんは加害者と直接交渉をすることはありません。何か主張したいことがある場合は、保険会社を経由するはずです。

だからその「窓口」を飛び越えないことを守ってください。

保険会社を飛び越えて、被害者に感情的に自分の主張をぶつけすぎると、保険会社が弁護士に依頼して、弁護士と加害者が交渉することになるので、不利な示談内容になる可能性もあります。

また、お互いに過失割合が発生する事故の場合、過失が小さい被害者の主張だけでは円満に示談することはできません

過失が大きい加害者は、事故後に被害者から「責め立てられた記憶」が鮮明に残っていると被害者に有利な過失割合に「譲歩する気持ち」が失せてしまいます。優しくしてあげる必要はありませんが、冷静さは保ってください

怒りたくなる気持ちが、抑えられない時は「賠償金のために冷静になろう」と自分を落ち着かせましょう。それでも駄目なら、加害者を「自分や自分の親しい人」に置き換えて考えてみてください。「自分や家族が加害者になった時、言われたくないこと」は言わないようになると思います。

示談交渉の上手な進め方

加害者を許せない気持ちが強いからと言って、加害者に不利な示談を進めることは困難なケースが多いです。

加害者を許せない理由が「加害者の飲酒運転」や「加害者の常識を超えたスピード違反」「加害者のドラッグを摂取していた」などであれば、物損事故、人身事故ともに過失割合が加害者に加算されますし、人身事故の場合は慰謝料も増額されることもあります。

しかし、加害者が「事故後に謝らなかった」「加害者が反省している様子がない」程度では、示談内容に被害者さんの怒りをプラスすることは難しいです。

それに、いくら加害者に平均よりも高額な賠償金を請求しても、加害者が任意保険に加入していれば一銭たりとも身銭を切ることはありません。

賠償金を支払うのは保険会社なので、「加害者」ではなく「保険会社をターゲットに示談交渉を有利に進める方法を考える必要があります。保険会社の担当者を「敵視」するのではなく、「味方になってもらうこと」である程度示談を有利に進めることができますが、全ての担当者が味方になってくれる優しい担当者と言う訳でもありませんので、確実ではありません。

加害者の責任とは?

事故の加害者に求められる責任は以下の3つです。
刑事責任
行政上の責任
民事責任
それぞれ、具体的にどんな責任を負うのかを説明しますね。

刑事責任

人身事故の場合「過失運転傷害罪」や「過失運転致死傷罪」が適用されることがあります。
また、ほとんどのケースで何らかの「道路交通法違反」が適用されます。

適用された罪状によって、実刑が命じられることもありますが、多くの場合は罰金刑です。
物損事故では刑事責任を問われることはほとんどありません。

行政上の責任

行政上の責任とは俗にいう「免許証の点数の加点」です。

死亡事故を起こした場合は20点加点されて、免許は取り消しになります。
被害者に、全治3か月以上の後遺障害が残る事故を起こした場合は13点加点となり、免許が停止されます。

民事責任

民事責任は「被害者に賠償する責任」です。加害者が任意の自動車保険に加入している場合は、法律上求められる「民事責任」は全て保険会社が肩代わりするので、自己負担はありません。

重大事故の場合は、これらすべての責任を負うことになります。
被害者さんのケガが軽症の場合は、刑事責任は「不起訴」扱いになり、処罰されないこともあります。

被害者が関与できる加害者のペナルティとは?

交通事故の被害者が、関われる加害者のペナルティは「刑事責任」と「民事責任」です。

刑事責任は、検察が罪名や刑期、罰金を決定する際に、被害者の心情が若干考慮されます

検察官から「加害者に厳罰を望みますか?」と質問されるので「お願いします」と言えば、被害者感情が若干考慮された、刑罰になる可能性があります。
民事責任は、被害者が主体となってその大きさをコントロールできるペナルティです。民事責任の大きさ=賠償金なので、賠償金が高額になれば、加害者の民事ペナルティも大きくなるということです。

ただし、加害者が任意保険に加入している場合は加害者本人が、賠償金を自己負担することはありません。
加害者が無保険の場合は、自賠責保険の上限額を超えたものは全て加害者の自己負担になりますので、賠償金をアップさせればさせるほど、加害者は賠償金の支払いと言うペナルティを負うことになります。

被害者が関与できる民事責任

交通事故の加害者の3つの責任のうち、被害者が最もその大きさを左右することができるのが「民事責任」です。

ほとんどの被害者は、保険会社、もしくは保険会社の弁護士と交渉することになりますが、交渉を有利に進めることで、加害者の民事責任をより多く求めることは可能です。
とは言っても、加害者が任意保険に加入している限り加害者が賠償金を自己負担することはありません。

しかし、被害者が上手に交渉すれば、受け取ることができる賠償金の額は最大で2倍になることもあります。

損害賠償額を最大限にする方法

被害者さんが受け取ることができる賠償金を上げる方法は何個もありますが、ここではシンプルな方法を3つご紹介します。

(1)治療期間、通院日数を増やす

交通事故の慰謝料は治療期間によって決定します。だからケガが治るまでに時間がかかればそれだけ、受け取る慰謝料は高額になります。

ただし、ケガが治っているのに何度も通うのはNGです。あくまでも、ケガが治っていない場合の方法です。

保険会社は被害者のケガが完治していないのに治療を打ち切る「症状固定」と言う、申し出をしてくることがありますが、治っていないのであれば毅然として症状固定を、断って完治するまで通院させてもらいましょう。

もし、通院しても完治しないのであれば「後遺障害」に該当する可能性がありますので、主治医に相談の上、後遺障害の認定を受けることをおすすめします。

(2)保険会社の担当者を味方につける

保険会社の担当者=加害者の味方」と言うイメージがあるかもしれませんが、実は「被害者の味方になってくれる担当者も少なからず存在します

担当者を味方につけるコツは「敵視せず物腰柔らかく対応すること」「要求したいことは、上から目線ではなく『困りごと相談』として伝えること」です。

保険会社の担当者も人間だから、敵意むき出しの被害者さんには、良い対応をしたくない気分になってしまいます。

担当者が事故を起こしたわけではないので、担当者にかみつかずに相談してみると、より良い方法を提案してくれることも少なくありません。

ただし、全ての人身担当者が親身になってくれるとは限りませんので、ご注意ください。

被害者が関与できる刑事責任

被害者が、加害者のペナルティに関われるのが「刑事罰」です。

人身事故が起きた場合、警察が事故状況やけがの状況などの書類をまとめて、検察に送ります。検察は書類を見て「起訴」するかどうか決定します。
その時に、被害者は「加害者に厳罰を望みますか?」と質問されるのです。

飲酒運転による死亡事故や、悪質なスピード違反による重体事故など、重大事故では加害者は実刑判決を受けることも少なくありません。

その判決内容に「被害者が厳罰を求めているかどうか」が若干加味されます。

具体的には、執行猶予なしの判決になったり、懲役が長くなったりすることもあります。大きな事故で加害者への厳罰を強く望む場合は、「上申書」などを作成して提出することもできます。

しかし、被害者のケガが軽症の場合は、「刑事罰」が被害者の訴えにより重くなることはほとんどない、と言っていいでしょう。

加害者の刑事罰を知る制度とは?

交通事故の被害者本人、親族、内縁関係にある配偶者、婚約者などはあらかじめ「被害者等通知制度」を利用して、裁判の状況や刑事罰の内容を知らせてもらうことができます。通知方法は電話や手紙などです。

被害者等通知制度は、検察官による「被害者の事情聴取中」に、利用するかどうかを確認されますので、忘れずに「利用したい」旨を伝えておきましょう。

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