2020.6.25 更新

【2020年版】交通事故の慰謝料|相場と正しい計算方法まとめ

「交通事故の慰謝料相場っていくら?」
「保険会社から提示された金額が妥当なのかわからない…」

交通事故の慰謝料は被害者が受けた精神的な苦痛に対して支払われる金銭です。
そのため、修理費や治療費とは別に請求できるものです。

慰謝料の金額は以下3つ基準をもとに計算されます。

慰謝料を計算するための3つの基準
自賠責保険基準 最低限の補償を目的
任意保険基準 保険会社が独自で設定している基準
弁護士基準 3つの基準のうち、もっとも高い金額

どの基準を適用するかによって慰謝料は大きく異なってくることもあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

この記事では交通事故の被害者に向けて、慰謝料の基準や計算方法をはじめ、慰謝料以外に請求できる費用弁護士への相談方法などを実例とあわせて解説していきます。

    【弁護士基準を使って慰謝料を請求するには?】

  • 示談する前に弁護士に慰謝料が妥当か相談する
    →弁護士費用は示談金から差し引かれるため、被害者が支払うわけではない
    →弁護士費用を差し引いても「赤字にならない人」だけが依頼できる仕組み

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  • 自分が受け取れる慰謝料の金額がわかる
  • 慰謝料以外に請求できるお金も全部知れる
  • 提示されている慰謝料が妥当か確かめられる
  • 弁護士を利用して適切な慰謝料を請求する方法がわかる
この記事でわかること

目次

交通事故における慰謝料とは?

示談金と慰謝料

交通事故における慰謝料は、法律的には交通事故の被害者が受けた精神的な苦痛に対して支払われる金銭を指します。

交通事故の被害者によくある思い違いが「示談金=慰謝料」というもの。

被害者が請求できる示談金には、修理費や治療費などの財産的な損害に対するものと、精神的な苦痛に対するものがあります。

治療費や修理費は財産的な損害なので慰謝料には含まれません。これらの財産的な存在とは別に請求できるのが慰謝料です。

つまり、慰謝料は示談金の一部で、修理費や治療費とは別に請求できるものなのです

軽傷でも請求できる?交通事故における慰謝料3つの種類

まず前提として、慰謝料は交通事故で受けた精神的ダメージに対する損害賠償です。したがって物損事故のみでは発生しません。人身事故にのみ発生します

さらに原則として以下の3つの種類にわかれます。

  • 入通院慰謝料 (ケガの治療で入院や通院をした場合)
  • 後遺障害慰謝料 (完治せず後遺症が残ってしまった場合)
  • 死亡慰謝料 (被害者が死亡した場合)

例えば、交通事故でケガをして数ヶ月治療したが完治せず後遺症が残った場合は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の合計を慰謝料として請求できます。

「軽傷では請求できない」と思われがちですが、治療のため通院した事実があれば請求は可能です。

【比較的軽症な判例】
交通事故により被害者は頚椎捻挫、両膝打撲を負った。裁判では、加害者が過失の存在を強く争い全く損害の補填がなされないことなどを考慮し、入院9日間、通院期間146日(実日数15日)分の入通院慰謝料として65万円が認められた(平成13年・東京地裁)

【比較的軽症な判例】
酒気帯び運転車との事故で、被害者は頚椎捻挫、左膝打撲を負った。裁判では、加害者が事故後被害者を救護等せず現場から逃走したことを考慮し、通院期間6ヶ月(実日数70日)分の入通院慰謝料として140万円が認められた(平成15年・八王子地裁)

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慰謝料はどうやって決まる? 性別や職業で変わる?

慰謝料はケガの部位や程度、入院・通院期間に応じて算出されます。

交通事故の慰謝料は年齢や性別、職業などは原則として考慮されません。

したがって、被害者が会社員でも、主婦でも、子どもでも慰謝料の金額は同じになります。

ただし、「休業損害」や「逸失利益」などは年齢や職業によって、請求できる金額が異なります。

休業損害

  • 交通事故のケガなどで仕事を休んだ場合、ケガなく働いていれば得られるはずだった収入に対して支払われる補償です。

逸失利益

  • 交通事故の後遺障害などで労働能力が低下した場合、将来得られたはずの収入に対して支払われる補償です。

働いていない主婦や学生でも休業損害や逸失利益を得られる可能性はあるので、詳細を知りたい場合は以下の記事を参考にしてみてください。

慰謝料の時効は5年

慰謝料を含めた損害賠償請求権には、一定の時効が存在します。

慰謝料請求権の時効は原則として5年です

ただし「いつから3年?」については、先ほどお話しした慰謝料の発生条件によって異なります。

慰謝料の種類 時効の定義
入通院慰謝料(ケガの治療で入院や通院をした場合) 事故発生日から5年
後遺障害慰謝料(完治せず後遺症が残ってしまった場合) 症状固定日から5年
死亡慰謝料(被害者が死亡した場合) 死亡した日から5年

またひき逃げのように「相手がわからない」ようなケースでは、例外的に20年の時効が適用されます。

交通事故における慰謝料の相場と計算方法

3つの慰謝料基準

慰謝料は「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」のいずれかで計算されます。

金額は自賠責基準<任意保険基準<弁護士基準の順で大きくなりますが、どの基準を用いるかは、交通事故の加害者が加入している保険の種類や、過去の判例を参考にするかどうかで決まります。

まずは、3つの基準の違いから説明しましょう。

自賠責保険基準

自動車の保有者が加入を強制されている保険。

交通事故の被害者に対して最低限の補償を目的としており、もっとも低い基準額になります。

そのため加害者側から「法律で定められた正当な基準」として主張してくるケースもあります。しかし法律によって義務づけられているのは「自動車保有者が自賠責保険に加入すること」です。

慰謝料を定めたものではありませんので、くれぐれも注意してください。

任意保険基準

保険会社が独自で設定している基準です。

会社によって多少異なりますが、加害者側の任意保険会社は、被害者に提示するときにこの基準を採用しています。

以前は任意保険には統一基準があり、その基準に従って計算されていました。

しかし、規制緩和が進み、平成11年に旧任意保険基準が撤廃され、現在は任意保険会社は自由に保険金額を決められます

金額は保険会社によって異なりますが、多くの保険会社は旧任意保険基準を踏襲した金額としています。

弁護士基準

弁護士会が過去の裁判例をもとに発表している基準。主に弁護士に依頼したときや裁判になったときに採用される基準。

「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(通称:赤い本)」、「交通事故損害額算定基準(通称:青本)」にも記載されています。

3つの基準のうち、もっとも高い金額が記載されていますが、過去の裁判例を参考にしているため、正当な金額に変わりありません。

裁判になったとしても採用されますので、弁護士に依頼するとこの基準が採用されます。

それでは、交通事故で慰謝料が発生する以下3つの条件で、これら3つの基準によってどれだけ慰謝料額が変わるのか、見ていきましょう。

  • 入通院慰謝料 (ケガの治療で入院や通院をした場合)
  • 後遺障害慰謝料 (完治せず後遺症が残ってしまった場合)
  • 死亡慰謝料 (被害者が死亡した場合)

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入通院慰謝料〜捻挫や骨折など入院や通院による慰謝料の計算方法〜

けがの程度にかかわらず、入院や通院した期間や日数をもとに計算され、入通院が長引くほど慰謝料の金額は高くなります。

【自賠責保険基準】入通院慰謝料の計算方法

自賠責保険基準での入通院慰謝料は、日額(1日あたり)4,300円と決められています。

具体的な算出方法としては、

  • ・初診から治療終了までの期間
  • ・実際の通院日数の2倍

上記いずれかの「少ない方」に日額の4,300円をかけて算出します。

例:交通事故でむちうちに。初診から治療終了まで約120日間。実際に病院に通った日数は75日。
この場合、「120<150(75×2)」となるので、120×4,300=51万6,000円が自賠責基準での入通院慰謝料です。

【任意保険基準】入通院慰謝料の計算方法

任意保険基準は各保険会社が独自に設定しているので、正確には決まっていませんが、加害者側の保険会社が提示するおおよその相場は、以下の表のとおりになっています。

任意保険基準による入通院慰謝料表(単位:万円)任意保険基準による入通院慰謝料表

この基準をもとに、「入院なし、通院3ヶ月、通院回数40回」の場合の慰謝料を計算し、自賠責保険基準での金額と比較してみましょう。

任意保険基準での慰謝料は、37万8,000円になります。

自賠責保険基準は、80(40日×2)×日額4,200円=33万6,000円となります。

このように、任意保険基準で提示される慰謝料は、実は最低限の補償である自賠責基準とあまり変わりません

【弁護士基準】入通院慰謝料の計算方法

弁護士基準による入通院慰謝料は、交通事故のケガで最も多い「むちうち」と「その他の症状」で分かれています。

軽傷(むちうち・打撲等)の入通院慰謝料表(単位:万円)弁護士基準による軽傷(むちうち・打撲等)の入通院慰謝料表

重傷(骨折等)の入通院慰謝料表(単位:万円)弁護士基準による重傷(骨折等)の入通院慰謝料表

では「入院なし通院3ヶ月」の場合を例に、弁護士基準と任意保険基準とを比較してみましょう。

弁護士基準では、むちうちの場合で「53万円」、その他のケガの場合で「73万円」となり、任意保険基準の「37万8,000円」と比較して、かなりの高額となります。

同じようなケガでも、受け取れる金額が大きく変わります。3つの基準の違いを知っておくことが、いかに重要かが分かります。

他にも入通院慰謝料の事例を紹介します。

【入通院慰謝料(弁護士基準)の判例】
加害車両に衝突されてボンネットに被害者を乗せたまま12m進行し、路上に転落させた事故で、被害者は頭部挫創、左下腿・左手打撲傷を負った。裁判では、加害者に暴行傷害の故意があったこと、事故後逃走したこと等から通院76日分の入通院慰謝料として130万円を認めた(平成21年・京都地裁)

【入通院慰謝料(弁護士基準)の判例】
酒気帯び運転者との追突事故にあい、被害者は神経系統の機能に著しい障害(5級2号)を負った。裁判では、加害者の対応が不誠実であったことを考慮し、入院207日、通院約6ヶ月分の入通院慰謝料として290万円を認めた(平成20年・大阪地裁)

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後遺障害慰謝料〜むちうちや脳挫傷などで後遺症が残ったときの慰謝料〜

交通事故によるケガの治療を続けても完治せず、

  • 手足や脳に障害が残った
  • 外見が変わってしまった

といった後遺症が見られた場合、入通院慰謝料に加えて後遺障害慰謝料を請求できます。

ただし慰謝料が発生するのは、国土交通省の「自動車損害賠償保障法施行令別表」で定められている後遺障害の等級認定がなされた場合のみです。

等級は1〜14等級に分かれていて、認定された等級によって慰謝料の金額が異なります。

では入通院慰謝料と同じように3つの基準ごとの慰謝料を見ていきましょう。

後遺障害慰謝料は、どの基準でも等級ごとに慰謝料額が定められているため(任意保険基準は推定)、一覧で紹介します。

◾後遺障害等級ごとの慰謝料の目安(かっこ内は「介護を要する後遺障害」)

等級 自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準
第14級 32万円 40万円 110万円
第13級 57万円 60万円 180万円
第12級 94万円 100万円 290万円
第11級 136万円 150万円 420万円
第10級 190万円 200万円 550万円
第9級 249万円 300万円 690万円
第8級 331万円 400万円 830万円
第7級 419万円 500万円 1,000万円
第6級 512万円 600万円 1,180万円
第5級 618万円 750万円 1,400万円
第4級 737万円 900万円 1,670万円
第3級 861万円 1,100万円 1,990万円
第2級 998万円(1,203万円) 1,300万円 2,370万円
第1級 1,150万円(1,650万円) 1,600万円 2,800万円

※参考:自賠責保険基準と弁護士基準は、日弁連交通事故相談センター 東京支部「損害賠償額算定基準(2020年版)(通称・赤い本)」
※任意保険基準は保険会社ごとに異なるので、あくまで推定です。
※身体の他部位に後遺症が見られた場合などは、さらに慰謝料額が高くなる可能性もあります。

例えば、交通事故でもっとも多いむちうちで、後遺症が残り14級の後遺障害認定を受けた場合、それぞれの基準で慰謝料は以下のようになります。

自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準
32万円 40万円 110万円

弁護士基準であれば2倍以上になる計算です。

他にもいくつか後遺障害慰謝料の事例を紹介します。

【後遺障害慰謝料(弁護士基準)の判例】
交通事故により被害者は高次脳機能障害(2級1号)が残った。裁判では、本人分2500万円、介護を余儀なくされた妻および同居の子1人に各150万円、同居していない子に100万円、後遺障害慰謝料として合計2900万円が認められた(平成31年・さいたま地裁)

【後遺障害慰謝料(弁護士基準)の判例】
交通事故により被害者は右膝受傷に伴う右膝痛(12級13号)が残った。裁判では、加害者が酒気帯び運転をしていたことを考慮し、後遺障害慰謝料として315万円が認められた(平成28年・福岡地裁)

【後遺障害慰謝料(弁護士基準)の判例】
交通事故により被害者(女・症状固定時20歳)は、顔面醜状(下顎部に長さ4cm, 幅0.5cmの瘢痕)が残った。自賠責12級14号の認定基準に達しない後遺症ではあったが、裁判では、瘢痕の形状や被害者の性別、年齢、職業等の諸般の事情が考慮され、後遺障害分200万円の慰謝料の支払いが加害者に命じられた(平成7年・東京地裁)

死亡慰謝料〜家族が死亡してしまったときの慰謝料〜

被害者本人が死亡してしまった場合は、慰謝料の請求は遺族が行います。

亡くなった本人の死亡慰謝料や入通院慰謝料だけでなく、遺族固有の慰謝料についても請求する権利が認められています。

ただし遺族固有の慰謝料が請求できる範囲(請求権)としては、被害者の父母(養父母含む)・配偶者・子ども(養子・胎児・認知した子ども含む)に限定されています。

死亡慰謝料については入通院慰謝料同様に、「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準」それぞれ計算方法が異なります。

それぞれ順番に見ていきましょう。

【自賠責保険基準】死亡慰謝料の計算方法

自賠責保険基準での計算は、「被害者本人の慰謝料」と「遺族の慰謝料」の2つを合計したものになります。

被害者本人の慰謝料は、「損害賠償額算定基準2020(令和元)年版 ※通称:『赤い本』」では一律で400万円とされています。

遺族の慰謝料は請求権者(慰謝料を請求する権利のある人)の人数によって変動します。

請求権者とは、被害者の父母(養父母含む)、配偶者、子ども(胎児、養子、認知した子ども含む)で、民法の711条で認められています。

請求権者数(慰謝料を請求する遺族の数) 慰謝料額
一人 550万円
二人 650万円
三人 750万円

※さらに被害者に被扶養者がいる場合は、上記の金額に200万円が追加されます
※被扶養者とは被保険者(この場合「被害者」)の収入で生計を立てている一定の範囲の扶養家族のこと
※出典元:「損害賠償額算定基準2020年版」 ※通称:『赤い本』より

【任意保険基準】死亡慰謝料の計算方法

任意保険は自賠責保険でカバーできない部分を補償する一面もあるので、加入状況によって慰謝料の金額も違ってきます。

慰謝料の金額は被害者の属性(家庭内でどのような立場なのか)によって異なり、慰謝料額の推定相場としては以下の通りです。

被害者の属性 慰謝料額
一家の支柱(家庭の生計を支えている) およそ1,500万円〜2,000万円
配偶者・専業主婦(主夫) およそ1,300万円〜1,600万円
子ども・高齢者・その他 およそ1,100万円〜1,500万円

任意保険基準は自賠責保険基準とは異なり、「被害者本人」と「遺族」の分けて計算されることは原則ありません。

【弁護士基準】死亡慰謝料の計算方法

弁護士基準による被害者本人の慰謝料の相場は、以下の通りです。

亡くなった人の属性 弁護士基準
一家の支柱 2,800万円
母親・配偶者 2,500万円
子ども・高齢者・その他 2,000~2,500万円

出典元:「損害賠償額算定基準2020(令和元)年版」 ※通称:『赤い本』より

いくつか死亡慰謝料の事例も紹介します。

【死亡慰謝料(弁護士基準)の判例】
居眠り運転で追突され被害者は死亡。裁判では、運転者および会社のほか、運転者の極度の疲労状態を認識しながら乗車を止めさせなかった会社の運行管理者などにも不法行為責任を認め、死亡慰謝料として本人分2500万円、父300万円、合計2800万円が認められた。(平成19年・名古屋地裁)

【死亡慰謝料(弁護士基準)の判例】
前方不注意かつ信号無視の自転車に衝突されて被害者は死亡した。被害者は対面する歩行者用信号機の青色灯火に従っており何の落ち度もないことから、死亡慰謝料として本人分2300万円、夫200万円、子100万円の合計2600万円が認められた(平成26年・東京地裁)

交通事故の慰謝料が増額になるケース3つ

ここまで3つの基準による慰謝料の相場についてご紹介してきましたが、過去の判例ではさらに増額になったケースがあります。

慰謝料が増額となるケースとしては、主に以下の3つの点があげられます。

1.加害者が故意もしくは重過失がある

無免許・飲酒・ひき逃げ・著しいスピード違反・信号無視・薬物使用などで正常な運転ができない状態で運転していたなど、加害者の過失があまりにも大きいケースでは慰謝料が増額になります。

【判例】
飲酒運転によって、被害者に遷延性意識障害(後遺障害1級)の重症を負わせたことから計3800万円の慰謝料を認めた。
(仙台地裁、平成21年6月)

2.加害者の対応が著しく不誠実

加害者が「まったく謝罪しない」「虚偽の供述ばかりをする」といったケースです。

【判例】
被害者は交通事故により打撲などにより2ヶ月半(実日数15日)通院。(※弁護士基準で算出すると慰謝料は約60万円)
警察官から目撃者の供述内容を聞いてからも責任を否定し続けた加害者の態度などを考慮して、70万円の慰謝料を認めた。
(東京地裁、平成15年2月)

3.被害者の親族が精神疾患に罹患した

死亡事故や事故を目撃したショックで、親族が精神的な病にかかり裁判になった場合でも慰謝料が増額されたケースは数多くあります。

【判例】
交通事故を目撃した被害者の妹が、精神的ショックで自動車を恐れたり、自責の念から抑うつ・不眠などの症状により、重度のストレス反応と診断されたとして、被害者本人とは別にその妹に400万円の慰謝料の支払いを認めた。
(水戸地裁、平成19年5月)

「過去の裁判で認められた」は大きな根拠になりますので、上記のようなケースがあれば、さらに慰謝料を請求する権利があるといっていいでしょう。

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交通事故の慰謝料が減額されるケース3つ

反対に慰謝料が基準よりも減少するケースもあります。

1.素因減額

素因減額とは被害者が事故前から有していた要因によって、被害が拡大した場合は、慰謝料を含めた損害賠償額を減額することです。

たとえば

  • ・頚椎(くび)ヘルニアがあったために、むちうち治療が長引いた
  • ・うつ病のために治療を受け入れず治療が長引いた

といったケースです。

2.損益相殺

被害者が交通事故によって何らかの金銭的利益を得た場合も減額の対象となり得ます。

たとえば

  • ・労災保険金や厚生年金給付金を受け取った
  • ・介護している高齢の家族が死亡したときの生活費

などです。

3.過失相殺

交通事故では、加害者だけでなく被害者にも少なからず責任があるケースもあります。

したがって交通事故示談では加害者と被害者の「過失割合」を定めた上で、慰謝料を含めた示談金の額を決定します。

過失割合はたとえば「7:3」のように決められ、この割合に応じて被害者の受け取れる示談金が減少します。

交通事故の損害賠償は慰謝料だけじゃない!ほかにも請求できる賠償金とは?

交通事故でけがをした場合、慰謝料以外にも請求できる項目をご存知ですか?

交通事故の被害者が請求できる示談金(損害賠償金)には、精神的な苦痛に対する「慰謝料」だけでなく、財産的な損害に対する賠償も含まれます。具体的には、どんなものが含まれているか、一覧にまとめてみました。

損害賠償金の内訳 内容
慰謝料 精神的な苦痛に対し支払われる金額
治療費
入院費
治療にかかる費用。入院雑費なども含まれる
通院交通費 タクシーも含め通院にかかった交通費
通信費 交通事故によりかかった通話代など
修理費 車両の修理にかかった費用
(レッカー代や代車等の費用も含む)
付添看護費 入通院で付添が必要になった際に認められる費用
器具等購入費 治療や後遺症が残った際にかかる費用(車椅子・松葉杖など)
家屋等改造費 後遺症が残ることによってかかる自宅のバリアフリー化などの費用
物損費用 交通事故が原因で破損したものの費用
葬儀関係費 葬儀に関する費用
休業損害 休まずに働いていれば得られた現在の収入の減少に対する損害賠償
逸失利益 交通事故がなければ将来得られたであろう経済的利益

上記は一部ですが、交通事故に巻き込まれたことで発生した費用は、基本的に請求できる場合がほとんどです。

たとえば、むちうちで病院とは別に整骨院に通って治療している場合、やむを得ないと認められれば、その費用も請求できます。

領収書や明細書をきちんと保管しておき、証明できるようにしましょう。

慰謝料請求の流れと納得できる金額にするためのポイント

慰謝料っていつ、どうやって請求すればいいの?

慰謝料請求は、交通事故で受けたケガが完治(治癒)または、症状固定後に請求します。

症状固定とは「これ以上治療を続けても症状が改善されない」と医師が判断したタイミングで、つまり後遺症が残ったケースです。

後遺症が残った場合は、後遺障害認定を受けることで、後遺障害慰謝料も合わせて請求します。

慰謝料の金額は最終的には示談交渉によって決まります。つまり話し合いによるお互いの同意が必要なのです。
示談の流れ

慰謝料はいつ頃支払われる?

交通事故の慰謝料は、示談書にサインをし「示談成立」してからまとめて示談金として支払われます。銀行口座に振り込まれるケースがほとんどですが、示談成立から1ヶ月、もしくはそれ以上かかる場合もあります。

できるだけ早く示談金を受け取りたい場合、「仮渡金制度」を利用できます。これは、示談が正式には成立していなくとも、受け取れる金額が確定している場合に、「前払い」で受け取れる制度です。

示談金の振り込まれる時期は非常に重要なので、状況にあわせて利用してください。

「仮渡金制度」を利用するにせよ、しないにせよ、こまめに加害者や保険会社と連絡をとり、示談金が振り込まれる時期を把握しておくのも重要です。いつ振り込まれるのかは明確にしておきましょう。

治療中に保険会社から慰謝料を打診されたら?

もしかすると治療中に加害者側の保険会社から「慰謝料●●万円お支払いします」のような慰謝料の支払いを打診されるかもしれません。

しかし、治療が終わるまでは慰謝料を決めるべきではありません

なぜなら慰謝料の金額は通院や入院した期間や回数によって決まるためです。

また保険会社から、治療費の打ち切りを宣告されるケースもあります。

治療費を打ち切る=治療が終わったとみなして、慰謝料も減額される可能性がありますので、医師に相談して「治療はまだ続いています」と毅然と答えるようにしましょう。

もちろん保険会社も誠実な対応をしてくれるはずですが、やはり本音ではできるだけ慰謝料は安くしたいと思うもの。

「当社の規定では」のような伝え方をされると、つい「そういうもの」として受け入れがちですが、被害者には完治するまでの治療費と慰謝料は受ける権利があります

とはいえ、被害者が一人で加害者や保険会社と交渉するのは困難です。

しかも慰謝料の請求権には5年の時効もありますので、引き延ばしするのも得策ではありません。

加害者や保険会社とのやりとりにがストレスを感じたら、弁護士への相談を検討しましょう。

交通事故の慰謝料や示談交渉について、弁護士に頼んだ方がよい4つの理由

交通事故で被害にあいケガを負ったら、慰謝料は支払ってもらうべきです。
ただし、慰謝料の金額は最終的に示談交渉によって決まるため、基準が定められていてもその通りにならない現実もあります。
納得できる慰謝料にするためにも、弁護士に相談するという選択肢はもっておきましょう。
弁護士に任せた方がよい理由としては、大きく以下の4つがあげられます。

1.請求できる損害賠償を漏れなく教えてくれる
2.ストレスになる示談交渉を代行してくれる
3.後遺症やけがの症状についての知識がある
4.弁護士に依頼すると適切な慰謝料金額になりやすい

1.請求できる損害賠償を漏れなく教えてくれる

交通事故の被害者は、ほとんどの場合が初めての経験なので、慰謝料や示談について、何もわからないのが当たり前です。

とはいえ、何も知らずに保険会社と示談交渉すると、本来は受け取れるはずの金額よりも、少なくなってしまう恐れがあります。保険会社からすれば、支払う示談金は少ない方がありがたいので、被害者から申請されなかった補償まで、わざわざ提示してくることはありません。

その点、弁護士に依頼すると、どんな補償が申請可能かを漏れなく教えてもらえるため、結果的に納得できる金額になります。

2.ストレスになる示談交渉を任せられる

保険会社との示談交渉は、仕事中など関係なしに、何度も連絡がかかってくることもあり、大きなストレスを感じている方が多いようです。

一方で、連絡がなくて不安になったり、対応の悪い担当者の言動に不快感を持つケースも目立ちます。

弁護士に依頼すれば、保険会社との示談交渉を代行してくれるので、こちらが連絡をとる必要はなくなります

任せてしまえば、あとは弁護士から進捗の連絡を受けるだけなので、ストレスもなく安心です。

3.後遺症やけがの症状についての知識がある

交通事故案件に積極的な弁護士は、それだけ経験も豊富なので、けがや後遺障害などについても豊富な知識を持っています

このため、被害者の症状に応じて、適正な慰謝料を算出してくれます。

4.弁護士に依頼すると適切な慰謝料金額になりやすい

「交通事故における慰謝料の相場と計算方法」の項でもお話しましたが、弁護士に依頼すると弁護士基準で慰謝料が算出されます。

弁護士基準は、自賠責保険基準や任意保険基準の2倍以上に定められており、より被害者の立場に沿った基準といえるでしょう。

とはいえ、交通事故の示談交渉を弁護士に依頼する際に、多くの人がデメリットと感じるのは「弁護士費用」ではないでしょうか?

「せっかく慰謝料が支払われても、それを上回る弁護士費用がかかるようでは意味がない」と思うのは当然です。しかし、そうした事態はありえません。

なぜなら、弁護士費用は示談金から差し引かれるため、被害者が弁護士に支払うわけではないからです。さらに、弁護士に相談すれば、正式に依頼する前に示談金を計算し、弁護士費用を差し引いても「赤字にならない人」だけが依頼できる仕組みになっているのです。

また、加害者の加入している自動車保険にオプションとして「弁護士特約」がついていれば、弁護士費用は保険会社が負担してくれます(上限300万円)

交通事故示談に熱心な事務所であれば、相談は無料としている事務所も数多くあります。交通事故でケガを負ったら、弁護士のサポートを受けることを検討してみてください。

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